ブライトリング(Breitling)ナビタイマーと初めて宇宙に行ったコスモノートの歴史


ここではブライトリング社が初めて宇宙に出た時に身につけられていた 腕時計コスモノートについて解説していきます。  

コスモノートの話する前にコスモノートとはどんな時計なのか?
当時の宇宙開発の背景はどうなっていたのか?  
と言う内容を事前に話すことによってコスモノートの魅力が一層伝わるだろうと思い  


1、ブライトリング社が作り出したナビタイマーとは

、人間の空から宇宙への憧れ  

を先に解説していきます。  

ブライトリング ナビタイマーの歴史

3代目ブライトリング創業者のウィリーブライトリングによって作り上げられた ナビタイマーの登場によって、ブライトリング航空界との絆をさらに強めて行きました。

プロユースのパイロットウォッチとして誕生したナビタイマーは、 空から宇宙へと活躍の場を広げながら進化していったのです。

「クロノマット」誕生から10年後の1952年。

ウィリー・ブライトリングは、時計史に輝かしい金字塔を打ち立てた第2の傑作を世に送り出します。 「ナビタイマー」です。

折しも航空界では、世界初の民間ジェット旅客機、コメットが就航を開始し、 本格的なジェット機時代が幕を開けた年でもありました。

クロノマットは、乗除や速度などが計算できる初の回転計算尺搭載のクロノグラフだでしたが、 ナビタイマーはそれをさらにプロフェッショナル用に進化させたものでした。  
ブライトリング 初代クロノマット
ブライトリング 初代クロノマット

アメリカ海軍のウィームス大佐が考案した航法用計算尺E6Bが搭載され、 上昇・下降時間、消費燃料、速度などフライトプランに関するあらゆる計算が可能になったのです。

この計算尺は、ナビタイマー登場の年にちなみ「タイプ52」とも呼ばれている。 新開発のナビタイマーが、当時のパイロットに広く受け入れられていったことは言うまでもありません。

そして、その信頼性の高さから、AOPA(国際パイロット協会)の公認クロノグラフにも選ばれています。
ブライトリング 初期ナビタイマー(ファーストモデル)
ブライトリング 初期ナビタイマー(ファーストモデル)[/caption]  

初めて宇宙に飛び出した腕時計 コスモノート

ナビタイマーの名前が世界中に知れ渡るきっかけとなった出来事がありました。

それが1959年から1963年にかけて行われた壮大な有人宇宙飛行計画でした。  

ナビタイマーから派生したモデルコスモノートが宇宙飛行士、スコット・カーペンターの依頼で作られたのです。

この時計は24時間の計測が可能だったため、昼夜の判別がつきにつくい宇宙空間で大いに活躍しました。


1960年代になると、人類の夢は空から宇宙へと移って行きました。

宇宙開発競争が激しさを増し始めた1962年、ブライトリングは「コスモノート」を発表します。

名前通り、宇宙飛行士のために設計されたモデルで、宇宙空間でも昼夜の判別を可能とする 24時間表示のクロノグラフでした。


下記の文字盤をご覧頂ければ分かるようにコスモノートのナビタイマーの文字盤は 24時間表記の文字盤になっています。 これは宇宙と言う無重力空間で時間が分からない状態の中精密に時を刻める時計を 象徴するものでした。
宇宙飛行士のために作られたブライトリング社のコスモノート
実際NASAのマーキュリー計画では、オーロラ・セブンの船長スコット・カーペンターが同年5月、コスモノートを腕にして地球周回軌道の飛行に成功しました。

コスモノートは人類が作り出した時計の中で初めて宇宙に行った時計なのです。  

コスモノートが誕生した経緯がこちらのユーチューブの動画で公開されていますので 是非こちらの動画もご覧ください。  

ナビタイマー コスモノートフライバック

  さて、ブライトリングの現行クロノグラフで唯一手巻き式だったコスモノートも2000年に生産終了となり、 次なるステージに突入しました。

それが2001年に発表された「コスモノート・フライバック」です。 ムーブメントは手巻き式に代わって自動巻きキャリバー「ブライトリング22」が搭載されています。

また注目すべきは上級クロノグラフの証であるフライバック機能が装備されていることです。
ブライトリング ナビタイマー フライバック機能が搭載されたコスモノートの文字盤
ブライトリング ナビタイマー フライバック機能が搭載されたコスモノートのリューズ
ブライトリング ナビタイマー フライバック機能が搭載されたコスモノートの側面
 

COSMONAUTE FLYBACK DATA

ムーブメント キャリバー「ブラトリング22」、 自動巻きクロノグラフ、1/5秒クロノグラフ秒針、 30分計、12時間計、毎時28,800振動、 38石、カレンダー表示、パワーリザーブ最低42時間
ケース ステンレススチール、 18Kイエロー及びホワイトゴールド
ケースサイズ 直径41.50mm、厚さ14.40mm
防水機能 30m(100フィート)
ベゼル 両方向回転ベゼル(回転計算尺)
リューズ 非ねじ込み式(2ガスケット)
ケースバック ねじ込み式
ガラス ドーム形サファイアクリスタル、 両面無反射コーティング
重量(ベーシックモデル) 83.90g
ベルト/尾錠幅 22/18mm
ストラップ/ブレスレット レザーストラップ、ナビタイマーブレスレット
ケース厚のサイズは旧コスモノートが13.30mmだったのに対し、 コスモノート・フライバックは14.40mm。

フライバック機能が加わったため、若干厚くなっているのが 画像から分かると思います。     コスモノートも様々なラインが展開されています。

日本限定 ジブリとコラボしたブライトリング ナビタイマー コスモノート ポルコロッソ

ブライトリング ナビタイマーコスモノート ポルコロッソ「紅の豚」の腕時計
ブライトリング ナビタイマーコスモノート ポルコロッソ「紅の豚」の腕時計の裏面
ブライトリング ナビタイマーコスモノート ポルコロッソ「紅の豚」の腕時計の証明書
 

ブライトリング ナビタイマー コスモノート 紅の豚 ポルコロッソ ジブリ映画「紅の豚」限定モデルです。

三鷹の森ジブリ美術館のオープンを記念して、300本限定で製作されました。

インデックスの「24」の下には赤い翼の愛機「サボイア S-21」の飛行する姿が描かれており、 裏蓋にはポルコ・ロッソの顔と、4機の飛行艇と、シリアルナンバーが刻印されております。

また3つのインダイヤルの針も赤に塗られており、映画ファンだけでなく、 ブライトリングファンも押さえておきたい1本ですね。    

さらに、世界中が人類初の月面着陸に沸き返った1969年、スイスの時計界にも衝撃的な出来事が起こりました。

ブライトリング、ホイヤー=レオニダス、ビューレンの共同開発によって、世界初の自動巻きクロノグラフムーブメントが完成したのです。 これから半年後にゼニスが毎時3万6000振動の「エル・プリメロ」を発表しました。

この「キャリバー11」はナビタイマーにも搭載され、「ナビタイマー・クロノマチック」として発表されました。 また、1970年代には、LEDやLCDの技術を取り入れたナビタイマーをはじめ、時代の流れを反映したユニークなデザインのものも数多く登場しました。

しかし、その頃すでに世界の時計業界はクォーツ一色へと染まりつつありました。

伝統時なスイス時計の名門は大打撃を受けたが、ブライトリングも例外ではなく、1979年、ついに工場閉鎖へと追い込まれます。

しかし、ウィリー・ブライトリングの意思を受け、ブランドの存続の危機を救ったのがアーネスト・シュナイダーでした。

こうしてパイロット・ウォッチの名門は、ぎりぎりのところで受け継がれることになったのです。 再びナビタイマーが姿を現すのは1985年のことです。

事業を引き継いだアーネストは、1984年に新生クロノマットを発表すると、翌年には歴史的名作であるナビタイマーを復活させました。

「オールド・ナビタイマー」と名付けられたこのモデルは、新しいスタートをきったブライトリングの象徴であり、まさしく過去から未来へとつなぐ橋渡し的モデルでもありました。

その後はコスモノート、モンブリランなど数々の派生モデルが誕生し、現在ではナビタイマー・ラインとして、ブライトリングの中心的コレクションとなっています。

航空界と時計史に偉大な足跡を残したナビタイマーの誕生から50年。 人類の夢を乗せたナビタイマーの挑戦は、まだ終わらないのです。