ミューラー兄弟 フランス製アールデコ マッシュルームランプ 1920年代
こんにちは、アンティークテーブルウェアの妹尾です😊
本日の動画では、ミューラー兄弟 フランス製アールデコ マッシュルームランプ 1920年代の魅力解説になります。
ミューラー兄弟をご存知の方は少ないかもしれませんが、フランスの有名なガラス工芸家にエミールガレとドーム兄弟がいますよね。
そのエミールガレのもとでガラス製作を学び、作品を作り上げて行ったのがミューラー兄弟です。
よって、ガレの一世代下になりますので、作品は花瓶ではなく当時大きく庶民に普及し始めた電気を使った作品を多く残しています。
そんなミューラー兄弟ですが、安価なラインと高級ラインを作っており、エミールガレやドーム兄弟と比較して高級ラインが少ないのが特徴です。
と言いますのも、時代の流れはアール・ヌーヴォーからアールデコに変わっており、この時の価値観は1つの商品に対して高額で製作するよりも、ある程度の品質で安価に作って多くの人に芸術を楽しんでもらおう。
といった感じでした。
第一次世界大戦が終わった後だったので、人々はそこまでお金を持っておらず、持ってない中でも芸術を楽しみたい・・・
ということで、アールデコの作品はアール・ヌーヴォーと比較すると安価に作られる傾向にありました。
よって、アールデコ時代に活躍したミューラー兄弟は、比較的普及ラインの製造の作品を多く残し、高級ラインはかなり少ないのが現状です。
ブランドのネームバリューはエミールガレやドーム兄弟の方が上ですが、高級ラインの希少性で言えば、ガレやドームが残してきた作品数より少なく希少性は上だと言えます。
では作品の解説に移りまして、今回の作品はエンボス加工によって土台の上部、シェードの下部に花模様が描かれていることです。
スタイルはアールデコなのですが、デザインは花模様が中心でアール・ヌーヴォーの芸術も感じられます。
そして、この花模様の部分なのですがパチネの技法が使われています。
ガラスや金属の表面に古びた風合いやアンティーク調の仕上げを与える技法で、特にルネ・ラリックの作品で多用されました。
このエンボス加工の部分の装飾をみたら、なんとなくルネラリックの作品が彷彿されるのではないでしょうか。
この技法は、ガラス表面に薬剤や顔料を使用して、色味や質感を変化させることで、光沢を抑えたマットな仕上がりを生み出します。
これにより、彫刻部分が際立ち、作品に深みと立体感を与えることができます。
透明性と光の反射を活かしたガラス作品において、パチネは彫刻部分を引き立たせるための重要な技法であり、その繊細な仕上げによって、装飾性と実用性を兼ね備えた美しいデザインを実現出来ます。
青や緑、琥珀色などの柔らかな色調が多く使用されますが、今回のは紫が使用されており、光と影が調和することで、独特のニュアンスが生み出されます。
パチネの制作プロセスでは、まずガラスの表面に彫刻や模様が施されます。
その後、彫刻部分や全体に酸化物や顔料を塗布し、焼成や磨きの工程を経て、耐久性と美しさを兼ね備えた仕上がりが完成します。
この技法によって、ガラスの透明性と彫刻のコントラストが際立ち、作品全体がより魅力的に見えるのです。
そして、その他の部分ですが、下地ガラスはマーブル模様が美しいヴィトリフィカシオンが使用されており、シェードの上部には透明なエナメルガラスでアールデコの様式で使われいた幾何学模様が描かれています。
土台の部分にも、全体にエナメルガラスが使用されており、エンボス加工部分とのメリハリがあって芸術性はかなり高いですね。
このような芸術的なランプを飾って頂ければ、きっととても素敵なインテリアを実現してくれると思いますね😊
作品についてですが、お客様の商品ですので出来るだけ撮影時間を短くしたかったので、私自身が点灯させた写真を撮影させることが出来ませんでしたが、そのままの状態でもとても美しい最高傑作でしたね。
サイズですが、高さが52 cmでシェード直径は26.5 cmとかなり大型ですので、このようなランプを飾っていれば、その部屋の明るさというか高級感は大きく飛躍すると思いますね。
普段からこんな感じで、アンティーランプを扱っております。
他にも花瓶や食器なども扱っておりますので、こんな商品欲しいんだよなぁ・・・って方がいらっしゃいましたら、お気軽にお申し付けくださいませ。