素晴らしきアンティークシルバーブランド(カトラリー・食器)のご紹介

8.イースターリング(Easterling)アンティークシルバー(silver)銀器

1944年にアメリカのイリノイ州シカゴで創立した『イースターリング(Easterling)』は、
カトラリー食器のデザインメーカーで、初期の製品ラインは前述の『ゴーハム(Gorham)』から
製造販売されていました。

社名にも”sterling(スターリング)”の文字が入っているように、
製造しているカトラリーはすべてスターリングシルバー(sterling Silver)です。

製造ラインは『1.アメリカンクラシック 2.ヘレン 3.ホライゾン 4.ローズスプレイ 
5.ローズマリー 6.サザングランダー』という6つで生産していていました。

どれも今でも人気がある製品で、他にも陶器や磁気のシリーズもたくさん市場に出ています。
そして、どの製品もシンプルで美しい「これぞアンティーク!」と呼べる品々です。

写真のラインは、創立年である1944年から生産されているカトラリーで、
一番人気の「アメリカンクラシック」シリーズ。どの年代の人にも親しまれていますので、
アンティーク好きのご両親へのお祝いや、新婚カップルへの結婚祝いなど、
飽きのこない長く使えるデザインで、ギフトには最適ですね。

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9.ゲンセ(GENSE)アンティークシルバー(silver)銀器

1856年創業のスウェーデン王室御用達老舗工房『ゲンセ(GENSE)』はスウェーデンのカトラリーメーカーです。
GENSEの名前の由来は「創業者Gustav Eriksson(グスタフ エリクソン)が
NySilverfabrik(銀メッキ工場)をスウェーデンのEskilstuna(エスキルストゥーナ)ではじめたことから」
つまり、頭文字が名前になったわけですね。

今でも存在する、スウェーデン最古の株式会社だそうです。
スウェーデンといえば、ノーベル賞ですが、その晩餐会でもゲンセのカトラリーが使われています。

写真のカトラリーは、基本的にステンレス製ですので、アンティークとはいえお手入れはとても楽。
普段使いのアンティーク好きさんに、ぜひ試していただきたいブランドです。

デンマーク風という意味の『ダンスク』のところでも紹介しましたが、
北欧のデザインはシンプルで美しく、すっきりとした装飾は、
とても日本食向き(日本人好み)ではないかと思っています。

日本食好きな外国の方や、普段使いのアンティークを探している方へのプレゼントにもぴったりです。
微妙な顔をされてしまったら、ノーベル賞や王室御用達という言葉を出しましょう。
『えっー!ノーベル賞で使っているカトラリーなの!?』っと喜ばれることまちがいなしですよ。

 

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10. インターナショナルシルバーカンパニー(International Silver Company)アンティークシルバー(silver)銀器

1898年にニュージャージーにできた、アンティーク市場では史上最大規模のシルバーメーカーでした。
なぜなら、現代のアメリカ企業では当たり前になっている、何十回もの合併と買収を繰り返して
大きくなってきたからです。

現在は『ライフタイム・ブランズ(Lifetime Brands)』の一部門に縮小され、
アンティークシルバー(silver)市場ではずすことのできない会社の一つです。

そして、この『インターナショナルシルバーカンパニー(International Silver Company)』を語る時、
特に注目すべきはその多様性です。
たくさんの買収と合併を経たため、デザインや製造方法にも様々な手法が取り入れられて、
一般家庭向けのものから、政府機関であるアメリカ海軍の納入品まで手広く顧客をつかんでいました。

また、当時この会社の製品への自信を表す証としてカトラリー類には
20年間の無償交換保証がついていました。

写真のカトラリーは、柄がシルバープレート、本部がステンレスのタイプでハンドルに
掘られた美しい植物の装飾は、20世紀初頭に人気のあったモデルです。
100年たった今でも、普段使いのカトラリーとしても充分役に立ちそうですね。

 

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11.カーク・シュタイフ(Kirk Stieff)アンティークシルバー(silver)銀器

1979年にクローズした『カーク・シュタイフ(Kirk Stieff)』ですが、
現在でも彼らの製品は引く手あまた。『The Stieff Co.』の経営者だったチャールズ・シュタイフが、
同じボルチモアにあった 『カーク・アンド・サン(Kirk and Son)』を買収して誕生しました。

同業他社としてライバルだったにもかかわらず、チャールズ・シュタイフが
『カーク・アンド・サン(Kirk and Son)』の製品の素晴らしさに惚れこみ、当時経営難だった
カークを救いました。

シュタイフが自社の生産ラインを変えてまで、カークの製品を残して、
とうとう社名まで『カーク・シュタイフ(Kirk Stieff)』にしてしまったのです。

カーク・シュタイフのローズをモチーフとしたパターンは特に人気があります。

発売当時からその美しい装飾は、アメリカの富豪や高級ホテルでも愛用されていたそうです。
このローズの装飾は買収前のシュタイフ時代からあったもので、カーク・アンド・サンにも似たような
装飾があるため、合併後はこの会社のアイコンともいえるパターンになりました。

写真の大きなスプーンには受ける部分にも装飾がついていますが、
これは基本的に観賞用のジャムスプーンで、特別なお祝いの席や
結婚式後のティーパティーなどの時にだけ使われたようです。

日本では、アンティーク好きでさえも知らない人が多い『カーク・シュタイフ』。
現在でも高額で取引される製品の数々を、このブログでももっとご紹介していきたいと思っています。

 

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12.ラントシルバースミス(Lunt Silversmiths)アンティークシルバー(silver)銀器

20世紀に入ってから設立された(1902年)『ラント・シルバースミス(Lunt Silversmiths)』は、
シルバースミスの名が示す通り、職人技が光るような加工が得意なメーカーでした。

残念ながら、2009年にライバル会社の『リード&バートン(Reed and Barton)』に経営権が移り、
2015年にはその会社もレノックスに買収されました。

今残っているメーカーの生産ラインでは、分割買収のせいで、
施設や工場もあちこちの企業に散らばってしまい、あまり見ることはできなくなりました。
(レノックス傘下のブランドが一つ残るだけ…)

だからといって、彼らの製品の質が悪くなった訳ではありません。

なぜなら、過去にラント・シルバースミスはアメリカ政府公認のメーカーだったので、
世界各地のアメリカ領事館の調度品を広く供給していました。

またカトラリー以外にもテーブルウェアやギフト製品も作っていました。
フォトスタンドやキャンドルホルダーなどは、今でもアンティーク店やオークションサイトでも
たくさん扱われています。

さて、ご覧の写真ではカトラリーの細かな加工には目を奪われますね。
特に一番上のケーキサーバーの持ち手に施された細いラインは、
まるでアクセサリーの加工のようです。

主な素材はスターリングシルバー(starling silver)やシルバープレート(silver plate)。

こんな素敵な製品を作る会社も経営難には勝てなかったのです。
でも、まだまだアンティーク市場では『ラント・シルバースミス(Lunt Silversmiths)』の名前の
入ったものを見つけることができますので、探してみてくだいね。

 

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13.リード&バードン(Reed & Barton)アンティークシルバー(silver)銀器

では、ラントを買収した『リード&バートン(Reed & Barton)』の歴史もおさらいしておきましょう。
歴史をさかのぼること1824年。

設立は南北戦争が始まる約40年前!当時は武器メーカーとして高品質な銃器を製造して、
北軍の勝利に大いに貢献しました。

そして、リード&バートンの名はアメリカ国内で知られるところとなったのです。
近年では1996年のアトランタオリンピックのメダルデザインを担当しました。

ホワイトハウスの調度品にも彼らの製品が使われていて、アメリカの老舗メーカーとして
君臨していましたが、前述したように2015年にレノックスの傘下に入りました。
しかし、リード&バートンの名前は、現在でも強い知名度でレノックスの半独立部門として活躍中です!

歴史が長いということは、様々な種類のカトラリーがあるということ。
写真のシリーズもハンドルと本体部分で素材を別のものにしたりと、いろいろな工夫が見られます。

特に、シルバーと木の相性は抜群だと思いませんか?

また、シルバーの装飾スプーンとフォークの重厚感あるデザインは、
特別な日のテーブルを彩るカトラリーになってくれることでしょう。
レノクッスの傘下にあるとはいえ『リード&バートン』は、南北戦争以後の古きよき
アンティークデザインから、21世紀の最先端のトレンドまでとらえている、
アメリカを代表するブランドですね。

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14.オナイダ・リミテッド(Oneida Limited)アンティークシルバー(silver)銀器

次のご紹介は、アメリカの食器メーカーを代表する『オナイダ・リミテッド』。
ニューヨーク州オナイダ郡にある世界最大規模の食器メーカーですが、
この会社は設立の経緯がとても珍しい会社なのです。

1848年にオナイダ郡に住むジョン・ハンフリー・ノイズによって創設されたキリスト教系の
「コミュニティ(宗教共同体)」だったので、当時300人を超える人員が参加していました。

また、彼らの思想は大勢の人々に影響を与えたといわれています。

銀食器は、そのコミュニティ時代の1881年から生産が始まり、戦時中は丈夫な食器や、
ガス缶、戦闘用のナイフなどを軍隊向けに製造。

その功績はアメリカ全土で知られるようになったのです。

高品質のものは値段も高額になりがちですが、オナイダの製品はファミリーレストランや
普段使いの食器として広く一般家庭でも使われていることからもわかるように、
価格も良心的なんです!
だからといって、チープなつくりなわけではありません。

デザインはヨーロッパの装飾の流れを受けて、しかも、現代の生活にマッチしている製品が
多く市場にも出ています。

そして、こちらのパートではちょっと脱線して、シルバーポットのセットをご紹介しましょう。
アンティーク市場でシルバー・プレート付きのセットは特に価値があります。
プレートの直径が約30cmで、ティーポットの高さが27cmですから、
おもてなしのテーブルでも存在感は充分に発揮してくれそうですね。

 

 

アンティークシルバーセット(ティーポット、クリーマー、シュガーポット、プレート)

   

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アンティークシルバーセット(ティーポット、クリーマー、シュガーポット、プレート)
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アンティークシルバーセット(ティーポット、クリーマー、シュガーポット、プレート)
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アンティークシルバーセット(ティーポット、クリーマー、シュガーポット、プレート)


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15.ローヤル・クレスト(Royal Crest)アンティークシルバー(silver)銀器

アンティーク市場ではかなり名の知れた『ローヤル・クレスト(Royal Crest)』ですが、
正確には製造メーカーではないんです。

アメリカのデザインメーカーで『キャッスルローズ(Castle Rose ;1942)・ワイルドフラワー
(Wildflower ;1942)・プロミス(Promise ;1948)』という三つのカトラリーパターンを作りました。

実はこの三つのブランドは、あの『オナイダ』で製造され『エンパイアクラフトカンパニー』という
販売会社から市場に出されていたのですね。

ではなぜオナイダが製造していたかというと、オナイダのデザイナーだった
Grosvenor N. Allenが仲間と独立して作ったのがローヤル・クレストでしたので、
オナイダと深い繋がりがあることもうなずけます。

『エンパイアクラフトカンパニー』に関する資料があまりない為、
アンティーク市場では謎の多い会社なんですが、製造元の『オナイダ』は当時から、
いろいろな企業のために委託製造をしていました。

そして、アンティーク市場で今でも人気なのは写真の『キャッスルローズ』。
花をモチーフにしたヨーロッパ・ゴシックは、アンティーク市場の定番商品です。

普段使いのアンティークとしても、もってこいです。
柄の先端部と接合部の二か所にのみローズパターンが施された機能的なデザインで、
よく見ると全体がくぼみを帯びて取り扱いやすいのが特徴です。

 

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16.ステートハウス(State House)アンティークシルバー(silver)銀器

もう一社、ローヤル・クレストと同様にアメリカのデザインメーカーだった
『ステートハウス(State House)』もご紹介しましょう。

残念ながら、この会社の詳しい資料も残されていないのですが、
いくつかのカトラリーのブランドを、別会社に製造・販売委託していたようです。

今でもアンティーク・マニアの人気を博しているのが
『・ステイトリー(Stately)・フォーマリティー(Formality)・イノーガラル(Inaugural)』の3つ。
モダンな機能的デザインが特徴です。

写真のカトラリーは『ステイトリー』モデル。「パシフィック・シルバー・クロス」と
印字された立派な箱入りで、銀の変色を防いでいます。

名は体を表すとはよく言ったもので、ステイトリー(厳粛、荘厳)という意味が
この製品のデザインにも表れていますね。

当時のアメリカはこういった、イギリスの貴族が使っていたようなデザインが多いんです。
ステートハウスに限らず、なぜ19世紀から20世紀にかけてのアメリカで、こんなに多くの
カトラリーのブランドがあったのかご存知ですか?

歴史をさかのぼれば、アメリカ合衆国は18世紀にイギリスからの独立を果たして
成立した新しい国です。

未開拓の荒野を前にしたアメリカン・フロンティアーたちは、元はといえば、
ヨーロッパからの移民でした。
だからこそ、ヨーロッパの発展した文化への強いあこがれと、コンプレックスがあったのですね。

そして、19世紀に入って国政が落ち着き、人々も贅沢な生活ができるようになってきた頃、
文化面でのヨーロッパ回帰がおこります。
それが、イギリスの絶対王政や黄金期の頃の復刻版が多く作られた理由です。

ヨーロッパテイストのカトラリーは、当時アメリカ人の食卓で、
それを感じられる代表的なものだったといえるでしょう。

 

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17.フランス製純銀カトラリーとカップ&ソーサー

最後は、フランス製のアンティークシルバー(silver)をまとめてご紹介しましょう。
日本のアンティーク市場では、たくさんあるフランスの純銀メーカー。
それぞれの製品に刻印が打たれているので、アンティークシルバー(silver)のくくりで分けられます。

その中から選りすぐりの1点をご紹介します。

『ビクトール(Victor)』
1881 年から 1897 年の短い期間フランスで製作活動をしていた会社ですが、
フランス製の上位中流階級の御用達メーカーでした。

写真の観賞用アイスクリーム11点セットは、サーバーを含む全面にヴァーメイル
(上質な18 金)が施されています。
羽根を広げた白鳥が、スパチュラに描かれているのがおわかりいただけるでしょうか。
また、ロココ調の先端部分にもつや消しされた葉の飾りがついています。
一点づつ刻印が打たれていて、ミネルヴァ 1st と工房 Victor BOIVIN のマークがあります。

 

フランスアンティークシルバーを見てみる

金メッキが美しいフランス製スターリングシルバーアイスクリームセット 11 点銀器

11 点の重さ合計:398g

サーバーの長さ:22.8 cm

ナイフの長さ:27.4cm

スプーンの長さ:13.6cm

 

 

いかがでしたでしょうか?
これまでの歴史の中でたくさんのシルバーカトラリーメーカーが創設されて
素晴らしいシルバー製品が残っています。
これらのカトラリーを上手く使うことによって素敵なテーブルコーディネートを
作ってください。