232 マイセン フランスの医者 ポーセリン人形 ケンドラー作
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この作品は1765年にデザインされました。
デザインしたのはマイセン造形物の基礎を築いたと言われるヨハン・ヨアヒム・ケンドラー Johann Joachim Kändler (June 15, 1706年 ~ May 18, 1775年)です。
マイセンの中でも非常に人気の高い彫刻師です。
彼は15歳でドレスデン宮殿の宮廷彫刻師の弟子となりました。
1730年に宮廷彫刻師となった翌年、マイセン工房の型師に、そして1733年には主任型師に昇格されました。
ケンドラーは皇帝に委託された動物の彫像や日本宮の礼拝堂用の使徒像のための型づくりを、前任の型師キルヒナーとともに作りましたが、キルヒナー亡き後はひとりでその仕事にいどみました。
ケンドラーによって躍動感ある動物やロココ様式の優雅な人形、食器などまでがデザインされ、今も世に残り多くの人たちから愛されています。
彼の製作した名作シリーズ作品 “羊飼いたち” “コメディアンの子供” “ガーデナーの子供達(アシエとの協同作品)” などは、とても有名で、多くのコレクターから人気のある作品です。
この作品の原材料には白のポーセリンが使用され、すばらしい光沢仕上げ、そして最古の塗装技術を取り入れながら丁寧に塗装仕上げされた、とても優れた手作り陶器人形です。
こちらの作品には四体のフィギュアがいます。
正面から見て、左に位置する男性は、地面に膝を付き、隣に立っている女性の右手を握り、とても心配そうな表情を浮かべています。
その男性の隣に立っている女性は、不安そうな表情で左手をまくり、医者に見てもらっています。
女性の後ろにたっているもう一人の女性は、立っている女性を励ますかのようなしぐさや表情で、女性に手をかけ、寄り添っています。
椅子に座っているのは、神父の服を身にまとったフランスの医者です。
彼は真剣なまなざしで女性の手を触りながら診療しています。
医者の目の前には、本や薬ビンなどが並べられています。
フィギュアが固定されている土台は薄く平べったい茶色をしています。
表情や指の一本一本までの細部までとても丁寧に作られたこの作品は、マイセンならではの細やかな職人技が見受けられる、とても素晴らしい作品と言えます。
こちらのフィギュアには19世紀のマイセンの双剣マーク(贋作防止のため、マイセンの陶磁器には交差した2本の剣のトレードマークが1723年から用いられており、これは現在まで使われているトレードマークの中ではもっとも古くからあるものの一つ。なお、刃や鍔の傾きなどは年代によって変化している)が記載されています。
その他に、モデル番号 2452 / 形成番号 46/35 と言う記載もあります。
画家番号も記載されているのですが、とても見にくく読み取ることがとても困難です。
全体的に非常に良好な状態で、修復などの痕もなく、欠けやひび割れ、細かな線もありません。
デザイン者: ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー Johann Joachim Kändler (June 15, 1706年 ~ May 18, 1775年)
初期デザイン: 1765年
製造窯: マイセン製作工場
寸法: 高さ 18.0cm 横幅 21.5cm
製造年: 1860年~1870年