ドームナンシー・ドーム兄弟　スミレのボンボニエール　エミールガレ　ミューラー兄弟時代

この作品に関しまして、多くの説明は必要無いかと思います。

ガレと並び、フランス・アールヌーヴォー・アールデコ期のアートグラス製作の代表格であるドームが彼らのガラス装飾技術が円熟を迎えた１９１０年頃に製作した高名なシリーズであるエナメル彩による花文様作品群の、その中でも特に代表的文様とされ繊細さが極まり世界中の美術市場で人気が高いスミレ文の比較的大きい花器作品です。

美術品市場に於いて、このシリーズの作品群はゴブレットやタンブラーの様な小型の作品でも、出来栄えの見事さ故に高額取引されております。

ドームが得意とした色をまぶしつけて色合いの変化を付けるヴィトリフィカシオン彩の下地にさらにヴィトリフィカシオンの層を被せ、その上に誠に丁寧にカメオ彫り（酸化腐食彫り）とグラビュール（円盤刀手彫り）で花々の輪郭を浮かび上がらせ、エナメルの彩色を行うという、非常に手間がかかった工程が実施された作品です。

特にこの作品のエナメル彩は繊細さと鮮烈さを極め、午後の光に包まれるスミレの可憐さと情景の空気感が眼前に現れる存在感を有します。

状態は綺麗で、表面上の経年による軽いスレや小キズなどは有りますが、作品価値に関わるようなチップやクラックなどの損傷は有りません。

土台と蓋の部分は地震で揺れた時に、干渉するので普段はノリで接着しています。

写真でノリが見えると思いますがこちらは手で取れるノリになっております。

サインは、１９１０年頃のアシッドサイン（酸化腐食サイン）が確認出来ます。

商品は本物であり純正です。

作

　ドーム

年代

　約１９１０年頃（サインや仕上げより推定）

サイズ

　高さ 　　９cm

　直径 　１５cm

サイン

　１９１０年頃のアシッドサイン、DAUM NANCY, ロレーヌ十時