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アンジェラス　伝説の時計！世界遺産の町で生まれたマニュファクチュール

アンジェラス　知る人ぞ知る複雑機構時計の歴史

時計の聖地、スイスにある高い山脈に囲まれた都市、「ル・ロックル」。

整然と区画された家々が並んでいるこのエリアの北西部には、フランスとの国境であるジュラ山脈がそびえ、その麓に発展したこの街は、時計を造るためにデザインされた街なのです。

ル・ロックルは18世紀から時計産業で栄え、2009年に、「ラ・ショード・フォン/ル・ロックル　時計製造の町」としてユネスコ世界遺産にも登録されました。

多くの時計職人がこの街に移り住み、数多くの時計製造会社ができ、街全体が時計の工場都市となっています。

https://www.ohselection.com/en/

ラ・ショード・フォン/ル・ロックル　時計製造の町https://www.myswitzerland.com/ja/experiences/br-2/

ル・ロックルでは、家の高層階がアトリエとして使用されたため、それぞれの建物に太陽の陽が最大限に入るよう設計されています。

また、日中は頻繁に街中を行き来する時計職人たちの交通の便を良くするために、広い道路が設けられ、雪の除雪や防災にも効果のある都市計画が行われました。

https://www.myswitzerland.com/ja/experiences/br-2/

そんな職人のこだわりの詰まった街で生まれたのが、今回ご紹介する時計製造会社「ANGELUS(アンジェラス)」です。

https://angelus-watches.com/

1891年、アルバート兄弟とグスタフ・シュトルツ兄弟によって、アンジェラス時計製造会社が設立されました。

アトリエの一室でささやかに始まったこの会社は、1900年に開催されたパリ万博で金メダルを受賞します。

https://angelus-watches.com/history

この万博は、19世紀最後の万博、そして20世紀へ向けての展望を示すパリ最大規模の万博でした。

この頃のアメリカやドイツでは、重工業が発展し始めていました。

そんな中、フランスは、洗練された優美な装飾芸術や、職人の手工業による繊細な技術に価値を置いていました。

そこで、万博の開催国となることで、その価値を大いに推進することに成功し、後にアール・ヌーヴォー様式を流行させる先駆けとなりました。

ちなみに、1970年代には、クオーツショックが起き、機械での大量生産による低価格で精密な電池式時計が一気に世に普及しました。

それによって、スイスの機械式時計の生産は大きくダメージを受けますが、職人の作る時計の繊細なデザインや技術は、現在も特別で高価なものとして、その価値が受け継がれています。

Chrono-Datoluxe　https://angelus-watches.com/history

設立50周年を記念して作られたNaveo

https://angelus-watches.com/history

アンジェラスの時計は、パワーリザーブ（最長稼働時間）や、正確なクロノグラフなどの複雑な技術が認められ、ベルギー、イタリア、アメリカ、スイスなどで開催された万博や展覧会など、権威ある賞で数々のグランプリを受賞しています。

https://angelus-watches.com/history

1940年には、アンジェラスのクロノグラフがハンガリー空軍に正式採用されていました。

すでに製産していたモデルに、ハンガリー語で「エアフォース」を意味する「L.E. ( Legi Ero)のロゴを刻印し、軍用に供給されています。

https://angelus-watches.com/history

また、アンジェラスは世界で初めて日付と月が表示された時計、クロノデイトを製造した会社でもあります。約10年の製造期間で、スイスで一番の売上を占めた時期もありました。

https://curatedclassics.medium.com/a-closer-look-at-vintage-angelus-chronographs-99e278280d17

現在も設立時のアトリエのすぐ近くの製造工場でムーヴメントを一貫生産しています。最新鋭の高度な技術や伝統をブレンドし、着け心地などの快適さにもこだわったコレクションが展開されています。

https://angelus-watches.com/collections

出典：

スイス政府観光局「ラ・ショー・ド・フォン／ル・ロックル
時計産業都市計画」https://www.myswitzerland.com/ja/experiences/br-2/

国立国会図書館「博覧会近代技術の展示場」https://www.ndl.go.jp/exposition/s1/1900.html