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動画で『パシャ』の歴史と魅力をご覧になる方はこちらから↓
この記事では、カルティエ唯一のスポーツモデルである『パシャ』について解説して参ります。
『パシャ』という名前は聞いたこともあるし、実際にどんな時計なのかってのもある程度イメージできると思うのですが、実はパシャってのはよ〜く見ていったら微妙に違ったモデルが展開されています。
そんな知ってるようで、深いところまで知らない『パシャ』についてどんなモデルなのか、どんな魅力があるのか、どんな歴史を辿ってきたのか、など詳しく解説して参ります。
記事を最後まで見終わった頃には、私はこの時計を選ぶことがベストだろう!
という判断基準が出来るようになってると思いますので、どうか最後までご覧ください。
『パシャ』誕生の歴史
元々カルティエ社は、1931年にジャガーによって設計された防水時計である『タンク エタンシュ』というモデルがありました。
しかし、現在でも実現されていませんが長方形や正方形の形をした腕時計というのは、それぞれの角が防水面で問題を引き起こす為に、防水時計には向いてないスタイルになっています。
その後、1930年代半ばに当時のモロッコ・マラケシュの太守(パシャ)であったエル・シャヴィ公が、カルティエの3代目であるルイ・カルティエに「自宅のプールで泳ぐ際に使える時計が欲しい」と防水時計の製作を依頼したということがその始まりになります。
ですが実際にこの時には、まだエタンシュしか防水時計がなく初めて『パシャ』が誕生したのは1943年の事であり、これはラウンド型の形をしていました。
よってカルティエ社は、不完全な角形時計の防水を諦め年月をかけて現実的なラウンド型の防水時計を作り、そのマラケシュのパシャに敬意を表してこの名前が名付けられました。
最初に完成したこのパシャは、少数で生産されたものであり、一般的に販売されていませんでした。
その後しばらく、このモデルはカルティエから姿を消していましたが、約40年後の1985年に正式にカルティエの腕時計のラインナップに追加されることになりました。
こういった背景から、どちらかというとメンズ色の強いモデルであって金無垢やクロノグラフなどの展開もある、高級モデルに分類されていました。
というのも元々あったパシャのデザインに、腕時計界のピカソと言われる『ジェラルド・ジェンタ』氏が関わっており、結構気合いを入れて作られたモデルだったからなんですね。
しかし、流れが変わるのが1995年のことです。
もっとカジュアルな時計としてやっていこうということで、素材をステンレスだけに統一した『パシャC』が新しく投入されました。
このことによって、それまではメンズ向けの時計として展開されていたパシャが、レディースメインの時計に生まれ変わったんですね。
ここら辺から、パシャはレディース色が強い時計というイメージが作り上げられたのだと思います。
その後しばらく生産は続けられていたのですが、2016年に一度姿を消すこととなり2020年に再度復活することになりました。
そして、この復活したパシャシリーズですが再度、ピンクやイエローの金無垢モデルやダイヤモンドモデル、クロノグラフモデルもラインナップされることになったのです。
一度生産終了したとはいえ、パシャというモデルの歴史は長く、その間にたくさんのモデルが誕生し、今も継続して販売されているんですね。
防水を実現してくれるリューズを見てみよう
ではそんなパシャなのですが、どのように防水を実現出来ているのかを見てみましょう。
腕時計は、裏蓋の部分やリューズのところから水が浸透してきますが、パシャではその水が侵入してくるところにキャップを取り付けることで、防水性を向上させています。
また、リューズキャップも取り外した際に紛失しないように、プロテクターを介してチェーンで繋がれています。
防水性の向上のために、取り付けられているキャップですがやはりカルティエの手にかかると、非常に美しいデザインになっていますよね。
カルティエのアイコンにもなってる、カボションがあることでエレガントな時計に見えているのかもしれませんね。
ではそのキャップの先端についている、石のバリエーションを見てみましょう。
リューズキャップを見ていくと、微妙に異なる素材が使われています。
まず、スタンダードなモデルではステンレスやブルーのスピネルがついてますが、これらはよく見るカルティエのデザインの特徴です。
その他にも、ピンクやダイヤモンドがあるのですがこれは文字盤と統一させて、ピンクの文字盤であればピンク、ダイヤモンドがあしらってあるものであればダイヤモンドと、統一性を持たせるために、リューズキャップの石も変更されているんですね。
こういったところに、カルティエの美しさやデザインへのこだわりってのを感じることが出来ます。
現行品のパシャのサイズを見てみよう
パシャは前述の通り、歴史がかなり長いのでいろんなモデルが誕生しては廃盤になっていったので、様々なバリエーションがあります。
まずは、現行品のサイズ展開を見ていきましょう。
30mm,35mm,41mmがあり、カルティエが一般的に使うSM,MM,LMの表記はありません。
とは言っても、別のモデル通りに分類するのであれば
SMが30mmでレディースモデル
MMが35mmでユニセックスモデル
LMが41mmでメンズモデル
となるでしょう。
では一緒にムーブメントも見てみましょう。
30mmモデルは、クオーツが入ってるので明確に女性に向けて作られているのが分かります。
35mmモデルは、自動巻ムーブメントが入っています。
女性からすれば35mmは結構でかいかなぁという印象です。
しかし、クオーツよりは手巻きや自動巻のムーブメントが好みの大人の女性であれば、この35mmサイズも候補に入ってくると思いますね。
その反面、男性からすれば35mmはちょっと物足りないかなぁという印象になりますよね。
よって、女性向けによっているのがこの35mmモデルかなぁと思います。
41mmモデルは、自動巻ムーブメントが入っていることと、大きさがありますのでこちらは明確に男性に向けて作られているのが分かります。
とはいっても、特に女性の方は自分のお気に入りのサイズがここにはない、と言う方もいらっしゃると思いますので、ここからは廃盤になったモデル(サイズ)も全て一通り見てみましょう。
廃盤品になったパシャのサイズ展開
廃盤になってしまっていますが、中古市場では探せばすぐに見つかりますので、気になるものがれば探してみてください。
現行のカルティエの他のモデルを見ていくと、ケースの直径が20mmに満たないものや20mm前半のものが複数存在します。
そんな中で、現行モデルのパシャは一番下で30mmになるのでこれはちょっと大きいかなぁ、と感じる人も少なくないはずです。
そんな中で、実はパシャには小さいモデルも昔はありました。
2009年に誕生して、2010年代半ばに廃盤になってしまった『ミス パシャ』と言うモデルがそうなのですがケース径は27mmで他のモデルと比較しても、大きさはありませんし華奢な日本人女性にマッチしているサイズと思われます。
そして、その次が『パシャ32』であり、このモデルはケース径が32mmですのでこちらも女性用の時計としては、選びやすいサイズだったと思います。
そこから1mmケース径が大きくなった、よりカジュアルでスポーティさが際立つパシャ シータイマーがあり、現行モデルに残る35mmと続きます。
個人的な考えですが、レディースウォッチであれば27mm,30mm,32mmで展開していく方が選びやすいのではないかなぁ、と思うのですがサイズが多くありすぎるのもカルティエの考え的にはよろしくないのかもしれませんね。
では、メンズの方を見てみましょう。
メンズの方は、『パシャ38』があり38mmのケース径、その次にパシャシータイマー40.5mm、その次に『パシャ42』のケース径42mmモデルが存在していました。
よって、メンズモデルは38mmと42mmを統一して41mmを作ったって感じでしょうね。
ミスパシャと現行のパシャの違い
左側がミスパシャで、右側がパシャになります。
この2つのモデルなのですが、プロテクターの位置が違います。
ミスパシャはプロテクターが2時位置についており、その他のモデルは4時位置についています。
ミスパシャをお探しの方は、このプロテクターの場所で特定することもできますね。
文字盤のバリエーションを見てみよう
パシャというモデルの文字盤を見てみると、カルティエの時計の特徴である、角形のケースとローマ数字とは対照的に、ふくよかで丸みを帯びたケースと、スタイリッシュなアラビア数字が採用されているという珍しさがあります。
1940年代に原型が誕生したパシャですが、今の私たちが見てもデザインは美しく現代的な雰囲気にあふれ、スポーティーでありながらも高級感のある腕時計に仕上がっていると言えますね。
歴史の長いパシャなので、文字盤のバリエーションはたくさんあります。
全てを紹介することは出来ませんが、一般的に販売されていた文字盤のバリエーションをご紹介させて頂きます。
一般的なオフホワイトのシルバーの文字盤ですが、これが一般的に見るスタンダードモデルになります。
シンプルでありながらも、ブルースチールの針とブルーのカボションがアクセントになったデザインで、パシャの原点を感じることができるモデルになります。
そして、水色とピンクの文字盤ですがこちらはレディース用のミス パシャのものになります。
やはり、こういったカラーバリエーションを準備してくれてるのは、1つあればファッションの幅も広がりますし、これだけでコーデが決まりますよね。
ここからは限定盤になるのですが、どちらも可愛らしいデザインになっております。
まず最初に2005年クリスマス限定モデルですが、こちらは通常のピンクと比べて濃いピンクの文字盤になっています。
光沢があり発色の強いピンクなので、鮮やかさがあって腕元を華やかにしてくれるデザインです。
その次が、2007年のクリスマスに限定で発売された、ウィンターフラワーですが桜のような花が描かれており、アジアンテイストなイラストは私たち日本人にも馴染み深いデザインで、すんなり馴染んでくれそうですね。
メンズラインには、ネイビー、グレー、ブラックと男性が好みの文字盤のカラーが展開されています。
そして、こちらは他のモデルではあまりない高級ラインになるのですが『スケルトン』と『ダイヤモンド』があります。
スケルトンの時計の魅力はやはり、その機械的な造形の美しさを愉しめるところにあるでしょう。
時計はやはりムーブメントも含めての美しさだと思いますので、このように表からも裏からもそれらのパーツ1つ1つを見れるのとは、素晴らしいことですよね。
しかし、このような気持ちになるのは男性の方が強いみたいでサイズ展開から見るに、スケルトンモデルはレディースにはありません。
その反面、そこを穴埋めしてくれているのがダイヤモンドモデルになります。
ベゼルにあしらってあるもの、文字盤にあしらってあるもの、文字盤全てがダイヤモンドのモデルなど非常に華やかなラインナップがあります。
やはり女性の方がこういったダイヤモンドの輝きは相性がいいと思いますし、より女性的な魅力を引き立ててくれますよね。
最後に紹介するのが『グリッド』になります。
これは、はめ込み式で取り付けられているのですが、元々このグリッドというのは軍用時計に付けられていたもので、風防(ガラス面)を守るためのカバー的な役割を持っていました。
それは実際には、戦時中にしか活用方法がないために腕時計からなくなりました。
パシャにこのグリッドが取り付けられているのは、もちろん風防を保護するためではなく、装飾の一部としての役割があるんですね。
昔のパシャと新しいパシャは何が違うの!?
一見すると大きな違いのない、2020年以前のパシャとそれ以降のパシャですが実はプロテクターの部分が変更されています。
それではこちらの画像をご覧ください↓
旧型のプロテクターはケースの外に、新しいパーツのような感じで取り付けられています。
その反面、新型になるとプロテクターはケースの中に収まり、ケースの流線型を邪魔することなく一体感があります。
この2つを比較すると、旧型は無骨さやスポーティさがあり新型はよりシャープに、よりラグジュアリー感がアップしており、モダンな印象を与えてくれますね。
カルティエはあまりごちゃごちゃしてるブランドイメージはないので、私は新型の方がカルティエらしいかなぁと思います。
まとめ
元々メンズラインで誕生したモデルなので、過去のモデルも見ていくと様々なモデルがあり面白さがあります。
また、デザインもジェラルド・ジェンタがデザインしているということもあり、美しくありつつもスポーティで別のモデルにはない魅力があります。
カルティエの公式サイトをご覧頂ければわかる通り、かなりの数のモデルが展開されているので、自分のお気に入りのモデルを見つけ出すことが出来ると思います。
歴史を知り、どのように誕生したのかを理解することで、よりその時計に愛着が湧きまうし、ずっと大切にしようと思えるのでしょう。