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ヨーロッパ磁器の時代背景
イギリス磁器を理解するには、当時のヨーロッパの磁器の背景を少しだけ理解しておかないといけません。
ヨーロッパで初めて、硬質磁器を生み出したのが現在のドイツに当たる『ザクセン』です。
その白い金と言われた、硬質磁器をザクセンで作られたことによって、当時のヨーロッパはどうにかしてでも、自国で硬質磁器を作ることが国家的な課題でした。
硬質磁器のメイン材料は、カオリンであるのに対してイギリスではそのカオリンを産出することができず、磁器の製造は他国と比較してかなり遅くなってしまいます。
また、窯を作るのには莫大な資金がかかり一般的には国が民間の会社の後ろ盾(パトロン)となり、大量の資金を投入して磁器を作ることが正攻法でした。
しかし、当時のイギリスでは君主制が取られており、国王が存在せず全てを民間でしないといけなかったために余計に遅れたとも言えます。
イギリス磁器の歴史
そこで、イギリスでは独自に硬質磁器の様なものを作り出します。
カオリンの代わりになるものを、研究し実験していった結果、カオリンの代わりに『牛骨』を混ぜると硬質磁器のような硬くて、それでいて透光性もある磁器が完成したのです。
それがボーンチャイナです。
元々、イギリスにあった『ボウ窯』と言う窯が初めてボーンチャイナを編み出したのですが、これは量産ができる作品ではなく、1つの作品を作るのに莫大なお金がかかっていました。
そんな中、量産体制を築き上げたのが『スポード社』だったのです。
このスポード社が、ボーンチャイナを生み出したことによって、当時切磋琢磨して磁器を作っていた『ウェッジウッド』や『エインズレイ』にもボーンチャイナが採用されていくことになるのです。
イギリス磁器の特徴
このような歴史背景があるので、基本的にイギリスから生まれた磁器はボーンチャイナで作られていることが多いです。
またイギリスは世界で初めて、産業革命が起きた国であり1751年のパリ万博では各国から様々な文化が取り入れられました。
もちろん、日本からもたくさんの展示物が持ち込まれ、イギリスを初めヨーロッパの国々に、大きな影響を与えました。
一般的にジャポニスムブームは1762年のパリ万博がスタートとされていますが、1751年にはイギリスに大きな影響を与え、日本様式を取り入れた作品というのが各ブランドからたくさん作られました。
このように、イギリス磁器はボーンチャイナで作られてるものや、ジャポニズム様式のデザインのものがたくさんあるという特徴があります。