オールドノリタケの複製品、偽造品(偽物)を見分けるにはサイン・マークを理解しよう
オールドノリタケの素晴らしき作品を見てみる
こちらではオールドノリタケの真贋の見分け方について解説しております↓
偽物を掴まない!正しいサイン・バックスタンプの知識を身につけよう
有名オークションサイト、アンティークショーやショップ、骨董品屋さん等どこを見てもオールドノリタケの偽物があります。
偽物には”Nippon”文字のバックスタンプ(裏印)がされているものもあれば、そのようなバックスタンプが無いものもあります。
偽物のほとんどは中国で生産されたもので、日本から輸出されたものはごく一部です。
1890年、米国でマッキンレー関税法が通り1891年3月1日に施行されます。
この法律は外国で製造された全ての製品は、原産国を明記しなければならないというものです。
さらに原産国表示は簡単には消えずに、製品にずっと残るものでなければならなかったのです。
これによりオールドノリタケは下の写真のようなNipponと表記されたバックスタンプをつけるようになりました。
1917年2月8日、米国財務省は輸入時に原産国を示すマークが無い陶磁器はたとえラベルが貼ってあったりゴム印が押してあったとしても廃棄すると決定します。
このためオールドノリタケの偽物も下の写真のようなバックスタンプがつきます。
こちらもNipponという文字が明記されていますね。
間違えないよう再度お伝えしますが、下記の3つは全て偽物のマーク・サイン・バックスタンプです。
バックスタンプがNipponからJapanへ変わった歴史
ところが財務省は1921年10月1日に(英語のJapanに相当する)”Nippon”というバックスタンプは日本語の国名なので使ってはならないとします。
その日以降すべての製品には”Japan”と表示しなければならなくなったのです。
しかし当面の処置として原産国を示す紙ラベルを貼ることになりました。
釉薬の下のバックスタンプが偽物であろうがNipponと書かれたバックスタンプの上にJapanと表記した紙ラベルが貼られました。
そのため中国で製造された偽物でも、Japanと書いたラベルさえ貼ってあれば米国への輸入が許可されました。
輸入ルールの変更により、もはやバックスタンプにNipponと表記することはなくなりました。
今日では当時の紙ラベルは誰かが購入した時にとっくに取り除いているので、この時代のオールドノリタケには"Nippon"マークだけが付いているのです。
オールドノリタケの基本的な偽物の見分け方
オールドノリタケが偽物かどうかはどうやって見分けるのでしょうか?
1つの手掛かりとして言えるのは、偽物ならばアンティークショップなどで商品に付いている価格が市場価格をはるかに下回っているということです。
注意してください。
もちろん本物であるのに、売り手が現在の価値を知らないで出した可能性もありますが、製品が偽物であるかどうかの手掛かりにはなるでしょう。
もしブースやオークションで、同じ模様の複数の製品を偶然見かけた場合も注意が必要です。
特にオールドノリタケを探している時に、何度も何度も全く同じ製品を目にする場合は要注意です。
熟練のコレクターならこれはあり得ないことだと知っています。
Nipponとバックスタンプされた時代の本物は手塗りだったので全く同じものは無いはずです。
偽物はより手触りが粗く、金色部分がやたらと光沢がある傾向があります。
中国製の偽物の一部は内側まで釉薬を塗ってないものもあります。
オールドノリタケを購入する場合は必ず評判の良い販売者から購入するようにしましょう。
疑わしい場合は購入しないでください。
偽物にも3つのタイプがある
ところで一口に偽物と言っても複製品、偽造品、ファンタジーピースと3種類あるのはご存知ですか?いったいどこがどのように違うのでしょうか?
まず複製品というものがあります。
これは正確な模様や型を再現したもので、かなり精巧に作られています。
フェイクと呼ばれる偽造品もあります。
これは型がオリジナルと同じでも、オリジナルには存在しない模様がついていたり、そもそも型自体が異なっていたりするものです。
そしてファンタジーピースと呼ばれる偽物もあります。
これはNipponとバックスタンプをしていた時代には存在しなかったはずの製品です。
牡蠣皿や灯油ランプ、ワインクーラーなどがそうです。
本物と偽物のバックスタンプ
偽物に付いているバックスタンプは100種類近く見つかっています。
本物と偽物、よく見かけるバックスタンプをいくつか紹介しましょう。
まずは本物に付いているバックスタンプからです。
オールドノリタケの本物のバックスタンプ・サイン・マーク
ここからは全て偽物のバックスタンプです。
いかがでしたか?
オールドノリタケの複製品や偽造品を見分けるには、まず価格や見た目のチェックも必要ですがバックスタンプも重要なポイントとなります。