コレクターをも魅了するバカラグラスのペーパーウェイト・置物
バカラと聞くと誰もが高級なイメージを頭に思い浮かべるほど、ブランドとしての評価を不動のものとしています。
ルイ18世のフランス王室にはじまり、イギリスやロシアなどヨーロッパ諸国の王室、そして日本の皇室でもバカラを使用しています。
製造した商品のうち流通されるのはその6~7割程度で、残りはあまりにも品質基準が高すぎて世に出ることなく破棄されています。
それゆえに高い品質を守りぬく歴史あるバカラはクリスタルガラス製品を扱うブランドとして世界中の人に愛されています。
ここでは、そんな素晴らしいバカラのペーパーウェイトについてご紹介して参ります。
バカラのペーパーウェイト
バカラのペーパーウェイトの中に、花を咲かせているように見せているのがミルフィオリという技法です。
ミルフィオリは溶けたガラスの棒を花の形に見立てていますが、その製法は花の形に整形したガラスの棒の表面に別の色のガラスを巻き、また花の形に整形するという工程を繰り返し行って作られます。
金太郎飴のように作られたガラスの棒を切断すると、ミルフィオリの花の模様が現れるのです。
ガラスの色や配色によってまったく違う花が咲きます。イタリア語のMillefioriとは「千の花」と直訳されます。
※アンティークバカラペーパーウェイト1850年
バカラのペーパーウェイトに散りばめられたミルフィオリは、くすみのない透明感あふれるクリスタルガラスの中で長い時を経ても美しいまま咲き続けています。
ペーパーウェイトを文房具としてではなく、芸術性の高いオブジェとして制作販売したバカラのペーパーウェイトはミルフィオリの特徴を最大限にいかし、万華鏡を再現したかのようなデザインにミルフィオリを配置しています。
150年以上も前に作られたとは思えないほどのデザインは、数種類のミルフィオリが全体で1つの花の形を作りながらも、それぞれのミルフィオリも小さな花を咲かせているようです。
※アンティークペーパーウェイト1847年
サンゴ礁のようなミルフィオリのペーパーウェイト
ミルフィオリがぎっしりと詰め込まれたペーパーウェイトは、手にすっぽりと収まり上からだけではなく、左右からもぐるりとペーパーウェイトを回しながら見ても飽きることがありません。
いくつものミルフィオリが寄り添って詰め込まれた様子は、澄んだ海の底のサンゴ礁のようにとても瑞々しく感じます。
夏の窓辺にもぴったりとマッチしてインテリアとてしてもおかしくないデザインです。
1つ1つのミルフィオリのデザインが個性を発揮しながらも、全体ではうまくまとまっていてとても涼しげです。
手の平に海をすくい上げたようなペーパーウェイトはとてもアンティークとは思えない美しさを私に見せてくれています。
当時の職人が、試行錯誤をしながら詰め込んだだろうミルフィオリは、とても自然に配置され私のお気に入りのうちのひとつです。
1つでもその存在感は大きく美しいペーパーウェイトですが、もしこれがいくつもコレクションできたら、どんなに窓辺がきらびやかになるだろうと想像するだけで楽しくなります。
※バラのアンティークバカラ1850年
※トンボと赤い花のペーパーウェイト
バカラのペーパーウェイトの中にはモチーフがはっきりとしたものも数多くあります。
ミルフィオリが散りばめられたペーパーウェイトは抽象的な美しさがありますが、バラやトンボなど動植物をモチーフにしたペーパーウェイトは、具体的なデザインですが職人の技術が凝縮された一品になっています。
はっきりとした対象があるものは当然ながら職人の技がそのままバカラの評価へとつながるためクオリティの高さが求められます。
ペーパーウェイトの中に造り上げられた世界はとても芸術的です。手作業のため2度、まったく同じものを作ることはできません。
たった1つのペーパーウェイトであることの価値と、バカラであることのブランド力が融合した芸術作品です。
シンプルだからこそ際立つ美しさ
※ハートのバカラペーパーウェイト
バカラと聞いて真っ先に思い浮かぶのはバカラのグラスです。
そのグラスの輝きを思い起こさせるようなシンプルなペーパーウェイトは、表面のなめらかさは勿論のこと、ペーパーウェイトの底をも見通せるほどの透明感には一点の曇もありません。
ペーパーウェイトの本来の役割は、こういったなんの飾りもないものだったのかもしれません。
しかし、バカラの手にかかれば飾りすらないデザインのものでも、そのクオリティの高さは一目瞭然です。
※アンティーククリスタルラビットペーパーウェイト
また、なんの装飾も取り入れず細工したものは動物をかたどったタイプのペーパーウェイトもあり、一筆書きで描かれたかのような曲線がとても滑らかです。
豪華さと上品さを感じさせるペーパーウェイトは、高価なインテリアのひとつとして立派な役目を果たしてくれます。
指で表面をなぞるとひっかかりのないスベスベとしたガラスが、ひんやりとした触り心地を伝えてくれます。
かわいらしさと美しさの両面をもったペーパーウェイトです。
※バカラバタフライペーパーウェイト
くすみのない透明のペーパーウェイトだけではなく、色がついたガラスのペーパーウェイトも一切、濁ることなくどこまでも澄み切った色合いには愛着を持たずにはいられません。
動植物の形を、そのまま模写したペーパーウェイトは、芸術に疎い人にもその良さを伝えてくれます。
ミルフィオリのペーパーウェイトとは違った、デザイン性の高さはどらひも引けを取ることはありません。
ミルフィオリのペーパーウェイトを並べて飾ると、草花や海を背景にしたイメージで並べることができオブジェとしてさらに飾りがいがありインテリアが一層映えます。
※1969年アンティークバカラペーパーウェイト
ペーパーウェイトの魅力
手軽にそして身近に置くことができる芸術品として、ペーパーウェイトは古くから人々を魅了してきました。
絵画のように高額過ぎたり、大きすぎたりする芸術品は購入したくても手が届かず、飾りたくてもそのスペースがないため好きだからと言って誰もがコレクションできるものではありません。
富裕層でしか持つことができなかった芸術品が、バカラのようなブランドがペーパーウェイトを手がけたことによって一般のコレクターにインテリアとして広まったのも納得できます。
ミルフィオリのように、色にこだわってコレクションできるペーパーウェイトは1つだけでは満足することができず、違ったテイストのものがつい欲しくなってしまいます。
すでにペーパーウェイトという役目のために購入するのではなく、飾るためのものとして認知されているバカラのペーパーウェイトは手、にした人の目を奪ってやみません。
手の平に閉じ込められる芸術品として、いつ眺めても飽き足りない魅力は、一言で説明するのは難しくうまく言葉にできないまま、窓辺に飾ったペーパーウェイトを大切に持ち上げて眺めるばかりです。
ペーパーウェイトを覗き込むと、当時の職人が懸命にガラスと向き合ってきた姿と重なります。
当時の職人にそしてそれを手にした人々が、覗き込み続けてきたペーパーウェイトのガラスの奥底に歴史を感じずにはいられません。
何年たっても色褪せないのは他の芸術品となんらかわりません。
ペーパーウェイトの表面を優しく拭き取っていると、ますます美しく光を反射して返してくれます。
素晴らしいデザインのペーパーウェイトを、インテリアとして飾って楽しむという贅沢をバカラのペーパーウェイトは手にした人に味あわせてくれるのです。