ドイツの高級刃物ブランド ゾーリンゲンの歴史
ドイツ・ゾーリンゲンナイフ
ゾーリンゲンナイフで世界的に知られるゾーリンゲン市ほど、何世代も渡って最高級刃物の製造で知られた町はありません。
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ドイツ・ゾーリンゲンについては、引き続きお読みください
1374年の創立から、ゾーリンゲン市は長く高級刃物製造における活動の中心地でした。
幾度もの経営者交代を経て、今も存在する製造者の中には百年以上の歴史を持つものもあります。
例えばヘルマンとロベルトのベッカー社は、1829年にレムシールドでサーベルの製造を始めました。既に1830年には週に2000丁を生産し、100人以上の刀鍛冶や研師、作業員を擁する規模になっていました。
ヘルマンは後にアメリカに移住し、ニューヨークにH.ベッカー&Co.を創立することとなります。ロベルトは1865年に、カナダとメキシコにベッカー社を設けました
1869年、ハインリッヒ・ベッカーは製造工具の生産が盛んであった、ゾーリンゲンに程近い場所に移転します。その地でハインリッヒ・ベッカー&Co. を設立し、ひげそり刃、ハサミ、ポケットナイフの製造を開始しました。海外での需要の高まりに、ハインリッヒ・ベッカー&Co.は、ハサミやひげそり刃の製造からポケットナイフに製造の比重を移しました。
世紀が改まるのと時を同じくして、ベッカーナイフの大部分はアメリカに輸出され、ニューヨークのH.ベーカー&Co.で販売されました。
もう一社、優れた高級ナイフや刃物の製造で知られるJ.A.ヘンケル社があります。同社もまた、ゾーリンゲン市に長い歴史を持つ企業の一つです。
1731年: ゾーリンゲンを拠点にする刃物メーカー、ヨハン・ペーター・ヘンケルが、有名な双子の商標の、初期のデザインを登録しました。以来260年の間に何度かのデザイン変更を経ることとなります。
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今では最古の商標となりました。では、ツヴィリングJ.A.ヘンケル社自身による同社の沿革を、主要な出来事で簡単に紹介します
1731年: ペーター・ヘンケルが双子の商標をゾーリンゲン刃物ギルドに登録
1818年: ヨハン・アブラハム・ヘンケルが最初の支店をベルリンに開設
1851年: ロンドン世界博覧会への製品の出展で国際的に認知され、メダルを授賞する
1883年: 販売事務所をニューヨークに開設、続けてその数年のうちにコロン、ウイーン、ハンブルク、ドレスデン、ミュンヘン、パリにも開設
1893年: シカゴ万博でツヴィリングJ.A.ヘンケルが、唯一メダルを授与される
1905年: アフリカ探検家のレオ・フローベニスが、当時のコンゴの山脈に「ツヴィリング」「ヘンケル山」と命名する栄誉に浴す
1915年: サンフランシスコ世界博覧会で4つの一位を獲得
1938年: 多目的ハサミの発売によってデザインおよび品質の新基準を打ち立て、会社の新時代を開く
1939年: 深冷処理製法によるステンレススチールの「フリオドゥール」を発明
特許出願を経て、J.A.ヘンケルは本特殊製法を使用した製品の全てに品質証票を付与する
1971年: 新しいコンセプトで刃物市場を活性化する―J.A.ヘンケルスのナイフによって、良いナイフはあらゆる目的に対応できるという信頼を得て、それを確実にした
1976年: ドイツの有名シェフ達との共同で、高度な品質基準に適合する****フォースターナイフ製品群を世界に向けて発売
1981年: 創立250周年記念
1992年: 多年にわたる研究の末に、ツヴィリング・J.A.ヘンケルによって刃物製造のための新製法、焼結組成技術(SCT)を導入
1995年: 恒常的に研ぎ直しを要しない特殊コート刃、マグナ・ドゥールを目玉に、画期的切れ味の新基準を打ち立てた製品シリーズ、ツインスターを市場に発表
ゾーリンゲン本社に加え、今日ではツヴィリングJ.A.ヘンケル100%子会社をアメリカ、日本等の主要先進諸国に設立
ツヴィリングJ.A. ヘンケルスの製品は100カ国以上で販売中
リンダーナイフ社は100年以上、ドイツでナイフの製作に携わる1870年創業の会社です。
ゾーリンゲン市歴史文書館の資料によると、カール・ヴィルヘルム・リンダーは、ベックと呼ばれた小さな村で工房を始めた、とあります。
1869年に生まれた末の息子のカールが高級ナイフ製造の伝統を受け継ぎました。1903年に、カール・リンターは手狭になった工房を移転します。
1918年、リンダーはナイフの輸出を始めます。1937年には、カール・リンダーの死を受け、同社は長くゾーリンゲンの歴史と共に歩んだパウル・ローゼンカイマーに売却されました。
ローゼンカイマーは、社名を「カール・ライナー・ナッハフォルガー」と改めました
ドイツ語で、ナッハフォルガーは「継承者」を意味し、同社の公式名もまたカール・リンダー ナッハフォルガーです
1985年の3月、パウル・ローゼンカイマーが亡くなり、息子のジークフリートが後継者に就きました。リンダー社にメールや電話をすると、今でもジークフリートや息子のステファンが気さくな対応をしてくれます。
プーマナイフは、世界中の愛用者やコレクターに長く愛されています。
プーマ・ヴェルク社は、1769年にドイツ、ゾーリンゲンに設立しました。当時、同社はナイフ研磨に使用する大型回転砥石の駆動に自然水力を利用していました。
蒸気機関の利用はプーマにとっての転換期となり、これによって生産性が大幅に上昇しました。蒸気エンジンの発明は1698年ですが、1700年代終わりから1800年代初頭までは、工業に広く用いられることはありませんでした。
第二次世界大戦のあと、オズワルド・フランケベルクが加わりました。彼が経験豊富な狩猟家であったことから、プーマの新機軸製品となる狩猟、フィッシングなどの屋外活動用のナイフの製造が始まりました。
以来、同社はキッチン刃物の製造をやめ、世界中の狩猟のエキスパートの意見を取り入れた、アウトドア用の機能的で実用的な刃物を開発することとなります。
プーマ社製のナイフで最も有名なものは、ユニバーサル・ジャグタッシェンメッサーと、よく知られた1956年製のグレート・ホワイトハンターの二丁です。
ゾーリンゲンを拠点に操業している製造者には、以上の他にも、キッシングクレーン、リヒャルツ、ヘン&ルースター、ブルドッグブランド、ジャーマンアイ、ウベルトゥス、ハーバーツがあります。その他にも現れ、消えていった多くのものがあります。
ワールドナイフは、高品質の刃物製品を世界中から幅広く紹介することを目指しています。ドイツ製ナイフが現代の刃物にとっての重要な転換点を占めることから、私たちはドイツの刃物業界を、広く認知されるべき重要な一群として位置づけています。
私たちはゾーリンゲンナイフの幅広い製品から商品を提案します