ドイツの高級陶磁器 マイセン(MEISSEN)磁器の本物・偽物の見分け方と収集
ドイツのマイセン(MEISSEN)磁器の見方(見分け方)と収集
18世紀初頭から、マイセン(MEISSEN)と言えばドイツを代表する高級磁器の代名詞です。
人形や群像、ティーセットやディナーセット、花瓶、置時計、水差し、ミラーフレームをはじめ、幅広い商品を取りそろえています。
マイセンはマイセン(MEISSEN)の中でも代表的なベドガー期や、ケンドラー期、一目でマイセン(MEISSEN)とわかる多色エナメルや金彩を施した磁器人形を作り出しました。
マイセン(MEISSEN)の文様の多くは、一見して明らかにそれとわかるもので、
定番のブルーオニオンをご存知の方も多いことでしょう。
2014年4月5日、ボストンでの「ヨーロピアンファニチュアー&デコラティブアーツオークション」には見事なブルーオニオンのディナーセットが出品されました。
「マイセンブルーオニオン豪華ディナーセット、19世紀ドイツ製、2014年4月5日出品」
(Lot378、見積もり価格7000-9000米ドル,約64~82万円)
18世紀に製造されたマイセン(MEISSEN)の品が市場に出回ることはほとんどありませんが、出たとしても、その希少性や収取化の間での人気の高さゆえ、高値がつけられます。
19世紀や20世紀に製造された品、特に人形はその数もかなり多く、オークションやアンティークショップでもよく目にします。
こうした品々は、見事なまで優美かつ精巧で収集家の目をとらえて離しません。
動物から雅宴画、サルの楽隊、神話と、あらゆるコレクターの好みに合うモチーフがそろっています。
それでは、どうやって良い品を見極めればよいのでしょう?
それから、マイセン(MEISSEN)磁器のお手入れ方法は?
以下の5つのポイントを押さえて、良いマイセン(MEISSEN)磁器を見極めて下さい。
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1.マイセン(MEISSEN)の商品の硬さと重量感を確かめる
マイセン(MEISSEN)を手にする時、初めに目が行くのは、形や装飾でしょうが、
硬くずっしりと重たいことが肝心であり、
職人の技術や素材の質の高さを物語っています。
この重厚感は、特にディナーセットにおいて重要となってきます。
(勿論、人形においても言えることですが)
王族をはじめ上流階級は、200年以上にもわたり、
マイセン(MEISSEN)の皿、大皿などで、客人をもてなしてきました。
売買価格、44,437米ドル(約404万円)
マイセン(MEISSEN)磁器、水差しペア、火と水、1880年製
2.マイセン(MEISSEN)の双剣の窯印を確認する
双剣の窯印はマイセン(MEISSEN)の証です。
ですが、時代とともに剣の描き方は微妙に変化しています。
また、ドイツの他の小規模(格下の)工房がマイセン(MEISSEN)のマークを真似たため、
マイセン(MEISSEN)に似た窯印を持つ磁器工房もあり、
目利きの収集家でさえ判別が難しく、
マイセン(MEISSEN)と間違えてしまうこともあります。
偽の窯印が描かれているばかりでなく、磁器の品質も劣り、
本物のマイセンではないという決定的な証拠になります。
3.作品の状態と修復箇所を見る
磁器の状態はどんな陶磁器を収集する際にも重要な要素です。
というのも、多くの場合、同じ品が数多く製造されているからです。
欠け、割れ、明らかに使い古した感がある場合、
新品同様の同じ製品に比べて価値が下がります。
概ね、装飾品はガラスケースや扉付きの食器棚に保管されていて、
手に触れられることが少ないものです。
ですが、マイセン(MEISSEN)人形の収集家なら指や、足先、小花は
修復されている可能性が高いことを念頭に置いておくべきです。
4、手入れは慎重かつ控え目に!
マイセン(MEISSEN)人形や群像のほこりを払ったり、水で洗うことは、
その入り組んだ形状を考えると骨の折れることです。
人形を密閉された飾り棚に保管することで
お手入れの手間を省くことができます。
修復箇所のある品を手入れする場合は細心の注意が必要です。
手入れをすることで、つやが失われたり、
修復箇所が剥げ、取れてしまうことがあります。
売買価格 22050米ドル(約200万円)マイセン磁器、ヴィーナスの勝利、台座付き 19世紀ドイツ製
5、マイセン(MEISSEN)の製品についてよく学ぶこと
マイセン(MEISSEN)磁器の文様や、様式、窯印について記した本は数多くあります。
ですが、オークションの下見会やアンティーク店、アンティークショーで
実物を見るに勝るものはありません。
さらに、多くの美術館には多くの素晴らしい品々が展示されています。
ここ最近ではマイセン(MEISSEN)磁器は、他社の陶磁器の需要が減っている中
その価値は堅調に推移しています。
思うに、マイセン(MEISSEN)の市場における魅力があせないのは、
世界中の幅広い収集家のおかげとも言えるでしょう。
また、19世紀や20世紀の品が継続的に市場に出回ることで
収集意欲を掻き立てられ、収集品の増加にもつながっています。
ですが、以前にも申し上げましたように、若い世代は
陶磁器や他のアンティーク商品にあまり関心がないことが
気がかりです。
良質な物がおのずと語ってくれることを願うばかりです。
マイセン(MEISSEN)は高品質の代名詞ですから。
売買価格34,365米ドル(約312万円)マイセン磁器陶板、19世紀ドイツ