ドーム兄弟(ドームナンシー)のデザイナー アンリベルジュって凄い人?
動画でアンリベルジュについて知りたい方はこちらから↓
アンリ・ベルジュ(Henri BERGÉ)
この記事はですね、ドームナンシーの最高傑作と言われる作品を見ながら作品のデザイナーであるアンリ・ベルジュにフォーカスして解説して参ります。
今回のこの商品なんですが、私が勝手に名前をつけてるのですが、森林の生命が描かれた幻想的な花瓶になります。
2015年にパナソニック 汐留ミュージアムで開催された「アール・ヌーヴォーのガラス展」でドイツのデュッセルドルフにあるクンストパラスト美術館の収蔵物が展示してありました。
こんな感じですね。
オダマキ
※汐留パナソニック ミュージアム 2015年 アールヌーボーのガラス展示商品 ドームナンシーオダマキ
※ドイツ デュッセルドルフにあるクンストバラスト美術館の展示品 ドームナンシーオダマキ
カッコウ
※汐留パナソニック ミュージアム 2015年 アールヌーボーのガラス展示商品 エミールガレ カッコウ
※ドイツ デュッセルドルフにあるクンストバラスト美術館の展示品 エミールガレ カッコウ
他にもたくさんあったんですが、これらはドイツの美術館のものを借りて来て、展示してあったんですね。
上記がクンストパラスト美術館になります。
そんな美術館にも飾ってあるこれらの素晴らしい作品なのですが、もちろん森林の生命が描かれた幻想的な花瓶も展示してあります。
ここからはその作品のデザイナーであるアンリ・ベルジュについて解説して参ります。
アンリ・ベルジュってどんな人?
アンリベルジュは日本では多分知ってる人は、1000人にも満たないと思うのですが、アール・ヌーヴォーを代表するデザイナーであり本国フランスではマジョレル並みの知名度を誇ります。
1870年フランスで生まれ、1924年に54歳でお亡くなりになります。
この人は、フランスのナンシーにある『エコール・デ・ボザール』という美術学校で芸術やデザインについて学んだのちに、1895年に装飾家兼デザイナーとしてドームに入社します。
ドームナンシーのことをあまり知らない、という方のために補足説明なのですがアールヌーボーのガラス工芸といえば、ドーム兄弟とともにエミールガレも必ず出てきます。
エミールガレは基本的に自分がデザインして、自分が作ることができたマンパワーが強い人だったんですね。(ガレにも、ポールニコラというデザイナーがいましたが)
ドーム兄弟にもアントニンドームがいたので、芸術部門はしっかりしてたのですがデザインの幅を広げるために、いろんなデザイナーがドームという会社の中に入ってデザインを担当してたのです。
ちなみにアマルリックワルターもドーム工房出身です。
話を戻して、ベルジェはそんなドームの生産を本質的に見直し、当時新しい芸術で人々が求めていた、花と風景のスタイルに注力していくべきだと提言します。
ベルジェも、植物や自然や風景や、動物をモチーフにしたドローイングや習作(習作ってのは、本番と同じくらいに力を入れて描いたものですね)、やオブジェを作っており、それらは実に繊細で精密に描かれており、その実力は誰もが認めるものだったんですね。
このような背景を持つベルジュなので、ドームの工房で高い地位に上り詰め、彼がデザインした作品というのは、ドームの作品の中でも結構な割合を占めるのです。
特にベルジェがデザインした作品というのは、ドーム兄弟の中でも高級ライン、アート作品とかって言ったりするんですが、そのデザインを担当してることが多いように感じられます。
デュッセルドルフのサイトには、そんなクンストパラスト美術館に展示されている、ベルジュの作品をたくさん見ることが出来るので、興味のある方はこちらからご覧ください。