ルネラリックの作品にはなぜ様々な色がある?ガラスと製造工程を見てみよう


ラリックの作品の中には様々なカラーバリエーションが見られます。

これはよく比較されるエミールガレや、ドーム兄弟にはあまり見られなかった傾向です。

ここではそんなルネラリックの、ガラスの素材と加工技術について少し説明していきますね。


ガラス加工の歴史と技術

ガラスの歴史は、紀元前3000年に遡ります。

ガラスは、古代メソポタミアで発見されました。
ガラスの技術は古代に発達し、中世の終わりまでほとんど変化していませんでした。近代になってクリスタルガラスが誕生し、19世紀の産業革命につながりました。

窯に入れたガラス


素材

シリカ(二酸化ケイ素)は、ガラスとクリスタルガラスの主要な材料です。

シリカは砂の中に存在し、ガラス技術者が求める製品の質に応じて注意深く選ばれます。

ルネ・ラリックは、としてはベルギーから砂を輸入しているのに対して、フォンテーヌブローの森の砂を使用していました。

砂自体は1800度から溶解します。

ガラスを作るのに必要なエネルギーを取り出すために、溶剤を入れて融解物の温度を1400~1500度に下げます。

溶剤としてガラス職人は特に炭酸カリウムを使用します。

炭酸カリウムはシダ植物の灰を蒸留することで簡単に手に入るからです。

酸化鉛は同様に溶剤になります。

成分が少なくとも24%以上になればクリスタルガラスが出来上がり、クリスタルガラス特有の密度と輝きがあります。

ガラスはまた簡単にリサイクルできる素材です。

細かく砕いたガラスの破片は生産ラインに再び戻すことが出来ます。

 

色彩

ガラスやクリスタルガラスの着色には、金属の酸化物を加える必要があります。

例えばコバルトを加えれば青に、クロムを入れれば黄色に、といった具合です。

ラリックはそれに加えて、希土類を入れてパステル調にしたり、金を加えてルビーレッドを作ったりして、たくさんの色彩パレットを発達させました。

この最後の工程はとても複雑です。

というのも、色彩は500度で再度焼かないと見えてこないのです。
 

色付けしたガラス ルネ・ラリック


クリスタルガラスの加工技術

窯の周りの仕事はきちんと組織されていて、そこでガラス職人たちは自分の吹き竿の端にある溶融物からクリスタルガラスを取り出します。

それぞれが正確に役割分担をして、ミリ単位で作品を作り上げます。

ラリックは大量生産方式での製造を選び、様々な鋳造の手法を発達させることで自分の作品を具現化しました。

ガラス作品の制作 ルネ・ラリック

型吹き成型

ガラス職人が溶融したクリスタルガラスの球を竿で巻き取り、型の中で吹き上げます。

 

プレス成型

クリスタルガラスを鋳型に入れ、圧縮機をかけた金属の核を押し当てて鋳型の内壁面にクリスタルガラスを貼り付けます。

 

型吹きプレス成型

ラリックはこの技術を1910年代に開発しました。

これはつまり前の2つの技術を組み合わせたものです。

ガラス職人が吹き上げている間に、鋳型のふくらみが作品の中央に模様を刻印します。

 

ドゥーブル・アンジェクシオン(二重空気送入)

この技術はまず1つ目の鋳型で成型した後、2つ目の鋳型に入れます。

クリスタルガラスに高い圧力をかけて空気を挿入するので、多くの場合装飾品に使用されます。

 

ガラスの瓶 ルネ・ラリック


仕上げ工程

急速に冷却した後、作品は冷たい状態で仕上げや装飾を施されます。

まず修正の段階で、鋳型の継ぎ目など小さな傷や欠点を取り去ります。

仕事は装飾に移ります。

ラリックの工房に特徴的な艶出しや艶消しは、酸の浸し掛けをすることによって得られます。

ラリックはまたエナメル加工を使用し、ごくたまにグラヴュール(彫刻)を施しました。

作業は仕上げをして終了します。

研磨と艶出しをしてクリスタルガラスの輝きを与えます。

ガラス作り仕上げ ルネ・ラリック