古さの中に懐かしさを感じるレトロなインテリアの魅力

レトロなものは、どこか哀愁が漂い温かみが感じられます。

そもそもレトロとは、英語でretrospective(回顧)を意味しており、文字通り人々を古き良き時代へといざなってくれるのが魅力です。

しかし、レトロと言っても具体的にいつ製造されたものがレトロなものなのかは決まっておらず、日本でいうならば明治から大正時代、そして昭和初期の頃のものがレトロなものとしてよく知られています。

明治から大正、そして昭和初期と言えば、新しい文化が次々と日本の文化の中に吸収されていった時代です。

日本の古い伝統の良さと、異文化の新しい芸術が融合した文化は、今の日本の土台となっていきました。


レトロなイメージとは?


もしかするとレトロな雰囲気と言われても抽象的であまりイメージできないかもしれません。例えば、レトロな雰囲気を楽しめる観光地がありますので、そこを思い出してみると少しでもイメージがつきやすいかもしれません。

神戸市にある神戸外国人居留地は、現在は観光地としても有名ですが明治から大正、そして昭和初期にかけて建てられた建造物がそのまま残されておりレトロな雰囲気で溢れています。

レンガ造りの重厚な建造物や純和風ではなく海外から取り入れられた数々のインテリアは当時の日本人の目には、洗練され斬新に映ったに違いありません。

 

ポップなデザインが粋な海外のレロトなインテリア


海外のインテリアを見てみると、日本人では思いつかないようなポップな色彩を大胆に取り入れたデザインのインテリアが目にとまります。
持って生まれた元々の世界観の違いからなのか、たどってきた文化や歴史の違いからなのか、インテリアの色使いは自由で明るく、侘び寂びを重んじていた控えめな日本の文化とはまったく異なります。

ぱっと見、1点1点に個性ががあり統一感がなさそうな配色やインテリアのデザインも、ひとつの部屋の中では見事な調和を生み出しています。海外のインテリアには、学べることがたくさんありそうです。

※ドーナツレコードのあるレトロなインテリア
ドーナツレコードのあるレトロなインテリア


当時、音楽はドーナツレコードで聞いていました。ドーナツレコードをインテリアの一部としてアート作品のように飾る発想が海外ならではです。
印象的な深みのある赤いソファーが、幾何学模様の壁紙とマッチしています。さらに壁に飾られた黒いドーナツレコードが洗礼されたセンスを感じさせその場を引き締めています。



※イエローでコーディネートされたレトロなリビングルーム
イエローでコーディネートされたレトロなリビングルーム

丸くデザインされた天井から、部屋の真ん中に置かれたイエローがとても鮮やかです。部屋の造りもひと手間加えられ、レトロな雰囲気をさらに強調しています。映画のセットかと思えるようなデザインにこだわったリビングルームです。



※ポップな色調のリビングルーム
ポップな色調のリビングルーム

原色のクッションやソファ、壁にかけたアート作品までそれぞれが自己主張をしているはずなのに集合した空間は鮮やかな色彩で溢れ、パワーがもらえそうなビタミンカラーが心地よいリビングルームです。

※レトロなソファ
レトロなソファ

こちらのソファもレトロ感たっぷりで個性的です。デザインもカラーもバラバラの布をパズルのようにあわせてまるでパッチワークの作品のようです。大胆な色合わせは、チャレンジが難しく他のインテリアとうまく合わせるには、ソファに使われている色を他のインテリアにも使用することです。
鮮やかなレッドのソファと壁紙が目を引きます。



※レトロなキッズルーム
レトロなキッズルーム

色彩豊かなキッズルームは子どもの頃から、自然と色彩感覚を磨くのにぴったりです。海外ではインテリアをDIYで手直しするのが珍しくなく、子供っぽいキッズルームでは大人になってから好みにあわないとインテリアをはじめからシックなものにするという考えはありません。
斬新なようで、レトロ感が残るインテリアはとてもお洒落です。

※ピンクでコーディネートされたダイニングルーム
ピンクでコーディネートされたダイニングルーム

パステルカラーでもレトロな雰囲気を出すことができます。ちょっとくすんだ感じのパステルカラーは使用している人がほっと落ち着く配色です。
壁やキッチンの小物までカラーをそろえるとより一層、統一感が出て自慢のキッチンになります。


※レトロなキッチン
レトロなキッチン

床のモノトーン柄が印象的です。海外の映画でもレトロなシーンではよくこういったモノトーンテイストのインテリアが登場します。モノトーンには、どんなカラーもなぜか合います。ポイントとなる一色が映えて個性が輝きます。

※レトロなダイニングテーブル
 ?レトロなダイニングテーブル

室内なのに、リゾート地にいるかのような雰囲気があります。当時はごく普通だったのかもしれませんが、今ではこのレトロな感じが逆に特別感を出しています。
センターのテーブルと椅子はお揃いではないのに見事に馴染んでいます。

※レトロなジャパニーズ風リビング
レトロなジャパニーズ風リビング

日本人なら抵抗なく、むしろカッコイイ!と思えるのがジャパニーズテイストのインテリアです。浮世絵のデザインが、洋風のインテリアと素晴らしい調和を奏でています。レトロなデザインが、お互いの文化を尊重しあっているお手本にしたい空間です。

※レトロな日本の部屋
?レトロな日本の部屋

海外のレトロなインテリアは、羨ましいほどの存在感がありますが、日本のレトロなインテリアも捨てたものではありません。どっしりとした趣のあるインテリアは、ポップな色こそないものの落ち着いた重厚感溢れるテイストがとても落ち着きます。


※床の間のある和室
床の間のある和室

オーソドックスで馴染みのある純和風の床の間のある和室です。海外の人にはとても趣がある空間が人気です。文化の違いは、インテリアに色濃く現れともに憧れの対象になります。
畳や屏風などが高級感をもたせてくれています。


※日本のレトロなキッチン
日本のレトロなキッチン

キッチンは、その国の風土が一目でわかる場所であります。台所用品の1つ1つの使用感もまるでアートのようでレトロな感じが田舎の風景を思い出させてくれます。
 

味わい深さを楽しめるレトロなインテリア


新しいインテリアは手にした人をわくわくとさせてくれます。デザインは常に新しいものが生み出され、流行はどんどん移り変わっていきます。
それとは逆に、レトロなものは古くから人々と生活を共にしてきた時間が刻み込まれた味わい深いもので自然と落ち着き、愛着が沸いてきます。味わい深さを存分に楽しめるレトロなものは、世代を選ぶことなく好まれます。
インテリアによってライフスタイルもかわってきますし、培われる感覚も違ってきます。レトロなインテリアでこだわりの空間をいかに演出できるか、腕の見せ所です。