イタリアのベネチアングラス(ムラノガラス)の美術館
イタリアのベネチアングラス(ムラノガラス)美術館の案内
ムラーノ・ガラス美術館は、
ヴェネツィアのムラーノ島にある人気観光スポットであり、
小さなヴェネチアの島での豊かなガラス工芸の歴史を、独自に表しています。
この美術館に行きたいと思いを寄せる観光客は大勢いますし、
広い会場には、ムラーノ島特有の歴史的遺物や美しい展示品が飾られています。
ここでは、いつも観光客に開放されている常設展と、
特別展示や季節展といいたチケットを購入することで入場できる企画展と、
両方あります。
最近改装されました。ただし建物自体は、美術館内に収蔵されている宝飾品ほど
美しいわけではありません。
それでは、見事な展覧会の中でも際立っている
ムラーノ・ガラス美術館を一部ご紹介します。
美術館内の案内ビデオ
ムラーノ美術館でまず注目すべきもののひとつは、
メインホールの入り口にある小さな部屋で上映されるビデオです。
このビデオは、ガラス製造技術の概要、その複雑な製造過程と緻密な性質を、
訪問者に分かりやすく説明してくれます。
この10分の映像は、昔の職人技術と、
今日の職人たちも同じように使っている製造過程を明瞭にしてくれます。
この映像では、宝飾品から照明器具まで、
何でも作るテクニックについて簡単に解説しており、
伝統的なものと現代的なものを熟知している人たちが
見逃すことのできない貴重なものです。
ムラーノガラスの変遷
ガラス製造業は進化し続ける職業であり、
今日知られるまでには、ガラス職人たちが傑出した熟練と技能があってこそ、
何世紀にも渡って伝えられてきました。
これはムラノ島の地元のガラス職人たちが意図的に独自のものとし、
家庭向きのものだったために可能になったことです。
ガラス製作の伝統は、13世紀以降、
職人である父親から息子へとバトンを渡すことによって
継承されてきました。
このため、ムラーノガラス博物館の常設展には
歴史的なものも多くありますが、
家族で営んでいる企業は今日もまだ存在しており、
美しい芸術家のガラスを作り続けています。
ヴェネチアガラスでは、これらの職人たちと協力し、
彼らの仕事場を訪れるたびに素晴らしい技能を目の当たりにしています。
15世紀を皮切りに、装飾ガラス製品は
様々な新しい技術が爆発的に開発され、
より強化されたムラーノガラスアートの新しい時代を迎えました。
時代ごとに仕切られた部屋はそれぞれ、
ムラーノ・ガラスの歴史の中での一定の期間を示し、
その時代に使われていたより一層複雑で精巧なテクニックと方法ついて説明します。
各コレクションを順番に周り、発展する過程を見ていくことで、
何年もの間、特定の習慣や伝統が
どのように引き継がれていくのかを確認することはとても魅力的です。
現代のガラス工芸
ベネチアは歴史豊かな街で、ムラーノを訪れた人は
ガラス店や、ガラス工房で職人技に触れることで
ムラーノ島に深く根付いた豊かな伝統に接することができます。
一方、現代のモダンな作品に関心がある方でも、
常設展の現代のガラス工芸品にご満足いただけるでしょう。
昔の職人の精神を受け継ぎつつ、「今」のモチーフを作り上げる
現代の職人の見事な作品を堪能する、またとない機会です。
西洋社会において、ガラス工芸は、どちらかというとアンチーク好みの傾向があり、
今もなお、古いスタイルのまま作られる傾向にあります。
ですから、古くからの定番の品を現代アートの流行や趣向を取り入れながら
モダンに仕上げられた作品を鑑賞するのは、実に新鮮です。
収蔵品は、積年の品々、まさにムラーノガラス美術館の目玉です。
現代作品は一番最後の展示室にあます。
すべての展示品は常設で、ムラーノ島のガラス工芸の歴史を代表する年代ごとに
収集公開されています。
ガラス照明
ムラーノガラス美術館の中で、最も印象に残る品は照明器具です。
ランプやシャンデリア、いずれも細心の注意をもって吊るされ、
また大切にガラスケースに収蔵されており、
ムラーノガラス、装飾芸術いずれの愛好家にとっても、圧巻かつ必見の品です。
照明器具はどれも優美で、豪華絢爛です。
訪れた人々は他のの小さな作品に目をとらわれがちですが、
息をのむほどの素晴らしさで、しかも大きさでは圧倒されてしまいます。
ムラーノガラス美術館建物
美術館は中世の貴族の館にあり、その昔トルチェッロ島の司教の邸宅でした。
何年にもわたって改修が行われましたが、館内には今なお伝統的なベネチアゴシックの
特徴が垣間見られます。
入ってすぐの階に中央大広間があり、その天井にはフランチェスコ・ズグーノ作
見事なフレスコ画が描かれています。フレスコ画は18世紀に描かれ、それ自体が
歴史的芸術品とされています。
これは美術館に花を添える多くの装飾の一つにすぎず、
収蔵されているガラス工芸品と並んで見る価値のあるものです。
美術館には写真の展示もあり、ライブラリーとしての機能も果たしています。
訪問者は、前もって許可を得て予約すれば、詳細なカタログを閲覧することができます。
さらに事前に予約票を記入すれば、公文書に記された内容をコピーすることもできます。
映画や写真の撮影などで美術館を使用したいなら、
ムラーノガラス美術館をロケ地として予約することもできます。
映像関係者にはとっては魅力的な話で、この美術館の売りといって良いでしょう。
というのも、訪れた人々にとっては、広告や映画のワンシーンで見た部屋が
目の前に広がっているわけですから。
このように、ムラーノガラス美術館は他の美術館にはない魅力を持つ観光スポットです。
ベネチア観光パスを持っていれば、入場料はパスの代金に含まれているので
気軽に立ち寄れます。