ロイヤルウースターの前身・ウースター(Worcester)の歴史と素晴らしき作品のご紹介
ウースターの始まり
イギリスを代表する高級陶磁器ブランドのロイヤルウースターは有名ですがそのロイヤルの
称号を与えられる前は普通のウースターと言う名前で展開されていたのはあまり知られていない
事実ではないでしょうか。
今日はそのロイヤルウースターが出来上がる前のウースター社の歴史について
解説していきます。
1751年、イギリス、ウースターのセヴァーン河川敷で、その歴史的な出来事が起こります。
Dr.ジョン・ウォールの素晴らしい助言により、地元のビジネスマングループが陶器工場を立ち上げました。
始まりから、そこは素晴らしい職人精神の元に運営されていました。
ウースターの成長と発展
その成り立ちから、ウースター・ポーセリン・マニュファクトリーは、Dr.ジョン・ウォールの、「容易に違いが分かるくらい正確な陶器を製作する」という、就任の際の言葉通り、30年掛けてウースター磁器の比類ない品質を確立しました。
ウースター・ポーセリンの最も初期の作品は、光沢の上に青でペイントされたもので、工房の歴史の中で、10年にも渡り人気を誇った作品です。
光沢の上にエナメルカラーで描かれたアートは技術の極みで、この初期の作品は現在まで残っているものなどは、あまりありませんがとてもハイクオリティで作られています。
当時のウースターは、新しいアイディアに敏感に反応し、工房は陶器のデコレーションにおいて、大きなプリントの転写を成功させた初めての企業でした。
1764年に発行されたウースターのローカル誌の記事では、そのプロセスを公開し、「陶器に転写するという興味深く価値の高いアートは、この工場では最高の完成系である。
この作品は、多くの雇用と、彼らの生活によるものである。」と述べています。
この技術プロセスのオリジナルの出どころについては、論議が交わされており、複数の人物が発見したと言われています。
しかし、この陶器の装飾を始めに提案したのは、彫刻家のロバート・ハンコックでした。
1756年には、ハンコックはウースターで働いており、このプロセスはすぐに極められました。
これらのとても温かみのある、個性的な初期のウースターの作品は、現在ではコレクター達が熱心に探し求めており、なかなか探し出すことが出来ません。
ウースターの初めての王室の仕事は、この時代の終盤の1770年、グロスター公爵のためのものでした。
その豪華な一式の一つ一つは、独特のスタイルでそれぞれ違った果物が描かれています。
Dr.ジョン・ウォールの引退後は、彼のパートナーが工房を経営していましたが、ロンドンの仲介業者、トーマス・フライトがそれを買い取りました。
この有名なトーマスとバーの時代には、様々な点で工場を盛り上げ、ヨーロッパの陶器企業におけるリーディング企業の一つとなりました。
1789年、彼らの質の高い技術は高く評価されており、キング・ジョージ3世が、工房を視察に訪れます。そして、彼らの製品が、王のための商品として、王室御用達に相応しいと見なしました。
そして、名前に"Royal"の称号が付くこととなります。
この時代のウースターのライバルであった、バウ・アンド・チェルシーの姿が消えてしまって久しい中、ウースター・ロイヤル・ポーセリン・マニュファクチャーは世界的に有名となり、今もなおイギリスにおけるもっとも大きな陶器製作企業です。
この記録は、実に250年に渡ってウースターで製作される質の良さに起因するもので、ファッションやテクノロジーがどんどん変化していく中で、一貫したクオリティを維持し続けています。
ある歴史家は、「ウースターは、18世紀から生き残り、かつ伝統的な職人精神の残る、数少ない企業の一つだ」と述べています。
ウースターの代表作 飾り穴デザインの聖体拝壺 飾り用水差し
こちらのアイテムは、今まで取り扱ってきた中でも、最も希少な商品です。
美術館が所有していてもおかしくないお品だと思います。
こちらの、美しい飾りようの水差しは、チェンバレン・ウースター(現在のRoyal Worcester ロイヤル・ウースター)の作品で、壁付き、本体部分にハチの巣状の飾り穴デザイン、二つの楕円に手書きのキリストと十字架、キリストが天国から降臨される姿が施された、大きな聖体拝壺でございます。
土台のヘリにはゴシック体で、This is my blood shed for the remission of sins.私の罪の赦しのために流された血と書かれています。
また、同じ筆記体で、蓋と下部にイニシャルが書かれています。
ドーム状のカバーには金メッキが施され、土台と蓋の中には、暗い赤色のマークが入っています。また、智天使や他のキャラクターの周りにはブルーで装飾が施されています。
蓋の部分にも似たような装飾があり、恐らくオーナーの国のためだと思われる旗と花の装飾もなされています。
1851年の大英博覧会で展示されました。
こちらのお品物のクオリティは素晴らしい物で、ジョージ・オーウェンの作品と瓜二つですが、ジョージにも不可能だった域にこの作品はあります。
この時代の物で、壊れやすいお品にも関わらず、全くダメージはなく完璧に近い状態です。
注ぎ口辺りが主ですが、一部の部分に少し金箔のはげが見られます。
本体部分のサイズ
高さ 33.66cm
幅 22.86cm(持ち手から注ぎ口まで)
あなたの普通のアンティークでは満足出来ないというわがままな気持ちを
満たしてくれる最高傑作です。
フライト・バー&バー・ウースター・ポーセリン(Flight, Barr&Barr Worcester Porcelain)の花瓶とウォリック(Warwick)の花瓶型のカバー
こちらのペアの花瓶は、ウースター・ポーセリンの商品で、カバーはウォリックの花瓶のフォームでございます。
グリーンがベースでゴールドでボーダーが描かれています。
サインは、Flight, Barr & Barr Royal porcelain works Worcester London House N1 Coyentry Street UK, Circa 1820 と記されています。
(フライト・バール&バール ロイヤル ポーセリン ワークス ウースター ロンドン ハウス N1 コエントリー・ストリート UK サーカ 1820)
サイズ
高さ:33cm
幅:33cm
奥行:24.13cm
状態としましては、1つの花瓶の持ち手の一つが完全に修理されています。
ですので、ゴールドの色合いが他の物と違っています。
その他に関しては素晴らしいコンディションです。
ウースター・ポーセリンとジョージ・オーウェンのサインが入った希少な網目状のデザインと金箔の貼られた花瓶
1906年に作成されたと見られる、ウースターの網目状になった花瓶です。
皆さまご存知のジョージ・オーウェンによって作成され、彼のサインが入った特別な商品です。
彼の網目デザインの作品は他に類を見ない程素晴らしいです。
彼の作品に穴を施していく技術は素晴らしく、金箔が貼られ豪華な造りになっています。
陶器は透ける様に薄く、網目の素晴らしいデザインと素敵な手書きの金箔部分が合わさり、まさに彼の技術の高さを表す好例とも言える作品です。
そして、コンディションも経歴の割にとても素晴らしいです。
こちらの花瓶は彼の生前に作成されており、彼のスタンダードに沿って作られていますので、彼の死後販売された、一部のハイスタンダードには届かない商品とは一線を画しています。
底部に赤色で、王冠のマークとそれのサイドに6つのドットが入ったロイヤル・ウースターのマークと、下部に円状のマーク、そしてとても重要なジョージ・オーウェンのサインが入っています。
多くの作品は彼に起因した作品だろうと考えられて売られているのに対し、こちらの商品は疑いようもなく、彼が作った商品だとわかる最高のお品です。
サイズ
高さ 直径約7.6cm
ロイヤル・ウースターのジェイムス・ハドリーによる希少な手描きが施された植木鉢(A シャックのサイン)
とても個性的、かつ希少なジェイムス・ハドリーによるロイヤルウースターの球形足の花瓶です。
土台の上に置かれたようになったデザインで、山羊の頭のような持ち手とひづめのような足の部分のデザインが特徴です。サインは、A Shuck & Incised E.W が記されています。
(incised E.W=E.Wによって彫刻されたというサイン)
サイズ
高さ 20cm
状態は素晴らしいコンディションで、欠けや割れ、修理の跡はございません。
ロイヤルウースターのコウノトリが手描きで描かれたウィリアム・ポウェルのサインが入った花瓶
息を飲むほど美しい、ロイヤルウースターのハンドペイントが施された花瓶です。
惜しみなく金箔が貼られた持ち手が二つのこちらの花瓶は、青をバックにコウノトリが砂漠のオアシスに佇む姿、逆サイドは砂漠の絵が施されています。
ウィリアム・ポウェルのファクトリー・サインが入っております。
サイズ
高さ 20.5cm
直径 14cm
状態は素晴らしく、欠けや割れ、修理の跡はございません。
金箔部分に少々の擦り切れがございます。
アンティーク・ロイヤル・ウースターのパテ・スー・パテで作成された満月状のフラスコ型花瓶・ハンドペイント
1877年に製作されたアンティークのロイヤルウースターの花瓶ペアでございます。
満月状のフラスコ型花瓶はとても美しく、その希少価値は美術館レベルです。
パテ・シュール・パテの製法で生け花が描写されておりとても似ていますが、それぞれのサイドで違ったデザインが描かれています。パテ・シュール・パテの背景となるお色味はまた違い片方はブラウンもう片方はグリーンです。
手描きで智天使、人魚が描かれています。
金箔部分は99%完全な状態です。
バックサイドは似たようなデザインの、きらびやかなグリーンの花が描かれています。
ブラックライトに当てて検品しても、ペアのどちらにも欠けや割れ、貫入の跡は見られません。
ブラウンの花瓶は完璧なコンディションです。
グリーンの花瓶には両足部分に修理の跡が見られます。
どちらにも、1877年のロイヤルウースターの判が押されてあります。
サイズ
高さ 約21.6cm
幅 約17.8cm
奥行 約7.6cm
重さは約989グラムでございます。