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ドーム兄弟(ドームナンシー)の歴史を動画でご覧になる方はこちらから↓
弊社が取り扱うフランス製 ドーム兄弟について
弊社で取り扱うルネラリックの作品は、全て現地で調達してきた商品になります。
こちらの画像は、お店で販売しているドーム兄弟の一部の商品でございます。
このように、美しい花瓶をご自宅のインテリアとしてお出迎えされると、とても充実した日々を過ごすことができるのではないでしょうか。
ドーム兄弟の歴史
ドーム兄弟は、アールヌーボー時代にエミールガレと共に、工芸品とも言えるガラス細工作品を世の中に残してきた、芸術界の偉人であることはすでに皆様もご存知かと思われます。
しかし、日本ではエミールガレが先行して評価されており、ドーム兄弟は『ガレの次』という感じなのかなぁと思っております。
ドーム兄弟は、エミールガレと同等の技術力も持っていますし、実際に1900年に開催されたパリ万博ではエミールガレと同じ金賞を受賞しております。
今日は、そんなあまり語られることのない、ドーム兄弟の歴史とそれらの作品についてしっかり解説して参ります。
ドーム兄弟の生い立ち
パリやロンドンに負けない、芸術性の高いロレーヌ地方にあるアール・ヌーヴォーの街ナンシー。
この街では数多くの芸術家や陶工が生まれ、大都市に匹敵する地方都市として栄えるようになりました。
1番有名なのはエミール・ガレというガラス工芸の職人です。
彼は生まれも育ちもナンシーで、生涯をそこで過ごしつつ発展に尽力していきました。
生まれこそ違えど、彼と同じようにナンシーで育った職人で有名な人物が、ドーム兄弟の2人です。
ガレとは違った作風でありながらも、後にナンシー派という一大グループに所属することになるほど、ナンシー派の芸術を愛していました。
ここでは2人の簡単な生い立ちから、彼らの作品を中心に紹介していきます。
ドーム兄弟の生い立ち
『兄オーギュスト』
※左が兄アントニン・右が弟オーギュスト
兄であるオーギュスト・ドームは1853年に、弟であるアントナン・ドームは1864年に、ガラス工芸経営者のジャン・ドームの子供として生まれました。
元々はロレーヌ地方のビチュに住んでいましたが、1872年にナンシーへと移住することになります。
戦争の影響で住処を移すことになったのです。
ドーム兄弟はそれぞれ1878年、1887年から父のナンシーのガラス工場を手伝うようになり、ガラス作品の製作に務めました。
そんなドーム家ですが、その後のナンシーにおいて『ドームナンシー』の名を轟かせることになります。
輝かしい功績と活躍
ガレがその名を世界に知らしめた1889年のパリ万博において、ドームナンシーも出品していました。
この時はテーブルウェアを出品していましたが、1891年に新しく装飾工芸ガラスにも取り掛かるようになります。
そして1897年にはブリュッセル万国博覧会で金賞を取り、ガレに負けず劣らずの活躍を見せていきます。
1899年にアンテルカレールという、ガラスにガラスをかぶせ、立体的な表現技法の特許を取得すると、1900年のパリ万国博覧会では大賞を受賞します。
また、その10年後にはヴィトリフィカシオンという異なる色のガラスを混ぜ合わせ、鮮やかで美しいマーブル模様を生み出す技法を生み出しました。
これらの技法がドームナンシーの作品の、特徴的な技法にもなっています。
ドーム兄弟はその後も新しい技法を生み出したり、優秀な芸術家をナンシーに呼んだりと幅広い活躍を魅せます。
ガレ亡き後もドーム兄弟は第一線で活躍し、アール・デコ・スタイルの時代にもその名を知らしめています。
ドーム兄弟とは言うけれどデザイナーによって作品が違う?
ガレは個人の才能を存分に発揮した作品が多いのに対し、ドーム兄弟はいろいろなデザイナー、画家を集結させて工房を運営していた、マルチプレイヤーでした。
そのため、ドーム兄弟の作品にはいろんなジャンルの商品が存在しており、たくさんのサインがあります。
また、この様にいろいろなデザイナーが工房で作品を作っていたので、自然といろいろな技法が生まれて行った事も特徴です。
下記のは全てドーム兄弟の本物のサインです↓
そんな数々の名作を世に生み出してきたドーム兄弟ですが、初期に始まり最高潮の時にも製作された花瓶があります。
それは題材『アザミ』です。
ドーム兄弟、エミールガレ共にアザミを描いた作品をたくさん残しています。
なぜかと言いますと、アザミはナンシーの州の代表する州花だったからなんです。
お互いに切磋琢磨しあい、成長してきたエミールガレとドーム兄弟ですがどちらも、地元のナンシーを愛する気持ちに変わりはなかったのでしょう。
真贋の目を身につける
ドーム兄弟の歴史、どんな作品を作って来たかが分かった事によって、ドーム兄弟の作品を手にしたくなってきませんか。
魅力的な作品がたくさんあって、ついつい飾りたくなっちゃいますよね。
『ちょっと待って下さい!』
daum nancyとサインが入っていれば、それでいい訳ではないんです。
こんな経験ありませんか。
・ドーム兄弟の偽物の作品って、たくさんあってどれが本物でどれが偽物か分からない。
・ドームナンシーの花瓶が欲しいけど、偽物掴ませれたら嫌だな。
こんな悩みってあなたにもあると思います。
と言う訳で今度は、ドーム兄弟のサインの見極め方について、お伝えしていきたいと思います。
・ドーム兄弟の偽物の作品の特徴紹介
まずは下記の花瓶をご覧ください↓
ドーム兄弟のことに、あまり詳しくない方であれば、木も生えており風景が描かれている為、もしかしたら本物と判断してしまうかもしれませんが、この作品は残念ながら偽物です。
それはなぜかと言いますと、このような作風がないからです。
ドーム兄弟は確かに、風景を題材にした作品を多く残していますがそれらは全て、テーマがあります。
風景を描いてるのは、理解できるのですがこれは何の風景なのかを判別できないのです。
周知の事実ではありますが、四季は春夏秋冬です。
では、上の作品はどの季節に分類されると思いますか?
ドーム兄弟の作品をまだ、あまりご覧になったことがない方は、すぐにイメージできないと思われますが、上の作品はどれにも分類されません。
下記の商品は、弊社が揃えた四季の花瓶になります。
全部の作品が、下記に当てはまることはありませんが、偽物と比較すると四季が明確に分かり作りも繊細で丁寧なのがわかって頂けると思います。
このように、ドーム兄弟(エミールガレも含め)の真贋を見分けるためには、本物の作品のモデルをしっかりと理解しておかなければならないのです。
こちらは2つ目の偽物になります。
朝顔のような花が描かれていますし、色調もドーム兄弟らしいですがこれも偽物です。
典型的な偽物のサインであることと、花の作りですね。
基本的にドーム兄弟の花の部分というのは、下地ガラスの上から別のガラスを溶融することで、花を描きます。
その溶融する技法をエミーユというのですが、これはテカリがあるんですよね。
下記の写真をご覧ください↓
下地のガラスは、光に当てても反射してませんが花と葉の部分はテカリがあるのがわかって頂けると思います。
その反面偽物はと言いますと、こういったテカリはなくどっちかっていうとのっぺりとした色調で、上から絵を書いてるように見えます。
下地はガラスでも、その上はどうかは分からないということですね。
3つめの偽物なのですが、下記の商品は一見すると本物の商品に見える作品ですが、こちらの商品も偽物です。
見るべきポイントはサインです。
サインが見えづらいですが、この作品のサインはNANCYの下にある横の2本線がありません。
本物のサインには、このように2本のサインが入っています。
この立体的に見える、偽物の花瓶なのですが『アプリカシオン』という技法をを使っており、本物の様に見えますがガラスの色味に深みが無く葉っぱも花も雑に作られています。
以上偽物の作品の紹介でした。
本物をどれだけ見るかが大切です
偽物を見分けることと、本物をしっかり自分の目で見ることは、裏表の関係にあると言えます。
要するに、本物を何度も何度も様々な種類を見ていれば、本物の特徴が分かり偽物だとすぐに判断できるからです。
しかし、じゃあ本物をちゃんと見るようにしましょう!
と言っても、みんながみんな近くに美術館があるわけではありませんし、常設展示してあるところは、ほとんどが東京なので難しいというのも理解しております。
ですので、ここからは私が実際に本場、フランスのナンシー美術館に行って撮影してきた作品をご覧頂きたいと思います。
ドーム兄弟の初期の作品であり、アザミが描かれています。
私が一般的に知るような、色ガラスではなく初期の頃はこのように透明のエナメルガラスに金彩で装飾をする簡素なものでした。
アイリスの花が描かれていますが、これはアイリスを絵柄の1つのパターンとして描いたのではなく、花瓶ごとその花を表現してるのです。
『雨』という題材の作品です。
奥行きのある森林の中に、うっすらと小雨が降っているのがわかると思います。
そして、下にある黄色とオレンジのガラスが森に潜む昆虫を表しています。
これらの3つのランプは、全て同じアールヌーボー時代に活躍したルイ・マジョレルとの合作作品です。
マジョレルは、このように金属や木材での芸術を得意とする工芸家であり、今回の作品は金属の土台部分をマジョレル、ガラスシェード部分をドーム兄弟が作成してるものになります。
水色の紫陽花の花の中央に、赤いガラスが見えると思います。
これは赤いガラスをカボションという技法で、下地ガラスに埋め込んで立体的にすることで、昆虫を表現しています。
元々の下地ガラスを削って、溶かして、そこに埋め込むので非常に技術力と根気の必要な技法なのです。
日本ではあまり馴染みはありませんが、こちらは作品名『シャンピニオン』になります。
シャンピニオンとは、キノコのことでドーム兄弟が作った作品の中でも芸術性が高く、世界的に見ても人気であり高額で取引されております。
まとめ
弊社で扱っているドーム兄弟の作品は全て、当時作られた本物の作品だけを取り扱っております。
ドーム兄弟のことは、時々テレビで特集が組まれますがやはりこの芸術や美術の本質というのは、実際に自分が触って、それを愉しむことにあると考えています。
本日ここまで、記事をご覧になられてる方はすでにドーム兄弟の魅力が分かり欲しくなったのではないでしょうか。
そんなドーム兄弟の作品のコレクションを、弊社がお手伝いさせて頂ければ私も嬉しく思います。