ロイヤルコペンハーゲン フローラダニカ

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ロイヤルコペンハーゲン(Royal Copenhagen)のフローラダニカの歴史と魅力

ロイヤルコペンハーゲン フローラダニカ


磁器の上に描かれる、まるで標本のように正確なボタニカルデザイン。

ヨーロッパにおいて、このデザインには深い歴史があります。

そもそも、『フローラダニカ』とはなんでしょうか?

これは、『デンマークの植物』という意味になります。

そして、これは元々は図鑑でした。

ですので、下記のような分厚い『本』と言うことですね↓

フローラダニカの本1
フローラダニカの本2

この図鑑は、54巻あり、図案は3420点存在するらしいです。

ではなぜ、私たちはフローラダニカを連想するときに『磁器』をイメージしてしまうのでしょうか。

1790年当時は、フレデリック皇太子の時代でありこの頃のデンマークは、北欧圏での派遣争いのために、スウェーデンと政治面、軍事面、経済面、そしてそこに植物学までもが競争の対象にありました。

だから、フローラダニカのような分厚い本が完成し、それを本だけに納めずに立体型バージョンも作ろうとなり、当時ブームになっていた磁器を使ってフローラダニカを再現するプロジェクトが開始されるのでした。


また、その頃のロシアの女帝エカテリーナ2世という方がいたんですね。

このエカテリーナ2世は、熱心な芸術の擁護者でもあり、植物学をはじめとする自然科学にも深い造形を持っていた人物でした。

この人は、当時のロシア帝国を最強にした人物でもあり、この頃のロシアとデンマークは共通の敵であったスウェーデンに対抗するために協力関係があり、信仰を深めるために『フローラダニカ』を、エカテリーナ2世に送る目的で製作されたと言われています。

その他にも、イギリスブランドのウェッジウッドが生み出した『フロッグセット』に対抗して作られたものであるという話もあります。

 

 

フローラダニカセットの製作は、1790年から生産が停止される1802年まで行われ、その製作数は1800点と言われています。

また、驚くべきことにこれらの作品というのは、1人の絵付け師『ヨハン・クリストフ・バイアー』という人物が描いたものであり、全てを1人で行っているという点です。


工房の停止はあまりに突然であったため、薬味瓶のうち4点はふた無しの状態でしたが、このセットはそののちすぐに、デンマークのロイヤルコレクションに追加されました。


食器の蓋と、受け皿にはそれぞれ別種の植物が描かれているのですが、デザインは百科事典に載せられている絵柄をそのまま使用しているため、根の部分まで忠実に再現されています。

フローラダニカの本の挿絵

食器の裏面には、描かれた植物のラテン名のほか、『フローラダニカ』に掲載されている巻番号と挿絵の注釈が黒の下絵具で必ず書き込まれています。

1884年に起きた、クリスチャンボー城の火災により紛失してしまったものもありますが、もともとあった1,802点のうち1,530点は現在もデンマークのロイヤルコレクションとして残されています。
 

現代のフローラダニカ

ロイヤルコペンハーゲン フローラダニカ

1862年の終わり、デンマークのアレクサンドラ王女とウェールズのアルバート・エドワード皇太子(のちにエドワード7世・1841-1910)の婚約発表をうけて、デンマーク女性委員会はデンマーク王国から、王女に対するご成婚祝いとしてフローラダニカセットを再現することがふさわしいと考えました。

そこで、ロイヤルコペンハーゲン陶磁器工房は当時から60年前を最後に製作されなくなっていた、この金彩装飾で縁取られたフローラダニカのテーブルウェアを再生産することにしたのです。

デンマークやノルウェー原産の植物の中でも、最も美しく魅力的な草花がデザインとして選び抜かれ、1864年2月に王女に贈られた食器セットは、60人分、全725点にも及びました。

これらのうちのほとんどが現在でもロイヤルコレクションに残されているほか、1947年にはエリザベス王女と、フィリップ王子のご成婚の際にデンマーク王と王妃からの御祝いとして新たに作り上げられたものもあります。

1964年にもデンマークのアンナ・マリア王女とギリシャのコンスタンティノス2世のご成婚祝いとして、さらに60人分のフローラダニカセットが作られており、当時のデザインは現在でも母国デンマークで生産されています。