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今見ても色褪せないオールドノリタケのカップ製品の魅力
食器メーカーノリタケの歴史は古く、その起源は1870年代にさかのぼります。
1876年、森村市左衛門氏(注1)が、福沢諭吉らの助言を受けて、海外における商売に潜在的な需要を見出し、日本ではなく海外において磁器の販売を始めました。
これが、後にノリタケとなるブランドの始まりです。
森村市左衛門
1878年になると、ニューヨークで製品の販売を開始、その後、独自の陶磁器のデザインなどを行うようになり、それがビジネスの大部分を占めるようになります。
1899年には、陶磁器の製造工場を名古屋に移し、西洋式の白式陶磁器の制作に乗り出しました。
これが、現在まで続くオールドノリタケのティーカップの始まりです。
1904年になると、会社名を日本陶器合名会社に変更。
1914年には、西洋スタイルのディナーセットを製造するようになり、本場ヨーロッパの陶磁器と競い合うようになります。
洋食器は、基本的に西洋を起源とし、西洋での制作が中心である製品なのですが、そのような中で、日本から本場の洋食器に対抗しようと挑んだのがノリタケです。
日本人の美意識で西洋の洋食器に挑戦するノリタケの製品は、やがてその質の高さを認められ、世界規模で幅広く事業展開していき、海外でも認められるブランドになりました。
特に、オールドノリタケは、ノリタケの製品の中でも、限られた製作期間に製造された製品を指している優れたコレクションです。
しかし、その定義については諸説あり、1899年から第二次世界大戦までの製品、または、1921年までの製品をオールドノリタケとする意見があります。
いずれにせよ、数十年に渡って制作されてきたオールドノリタケのコレクションは、多くの人を魅了する高い完成度を誇っており、根強い愛好家がいる優れたコレクションとなっています。
オールドノリタケのシリーズは、花瓶や置物の他にも、装飾品なども知られており、青地に金細工が施された文様や、金を基調とする豪華なデザインは、圧巻の一言です。
しかし、その中でも特に完成度の高さを示しているのが、ティーカップです。
オールドノリタケのティーカップの素晴らしさ
オールドノリタケのティーカップは、優雅で、気品あふれる製品となっており、そこにある文様は、細部まで美しく描かれています。
このように、細部に魅力が宿る反面、全体で見ても統一感のある優れたデザインが施されており、様々な楽しみ方ができる製品だといえるでしょう。
オールドノリタケは、花瓶やボウルなどは、華やかで豪華なデザインが多いのですが、ティーカップは、シンプルなデザインの品も多くあります。
しかし、そのシンプルさも単純なものではなく、元となる白地とそこに描かれる模様の割合が計算され尽くしており、単に豪華にすればいい、というだけでなく、白地を活かしながら模様の効果を最大限にする工夫がなされており、とても優れた出来栄えとなっています。
このように、オールドノリタケのティーカップは、洗練されてバランスの取れた仕上がりとなっている点が特徴です。
一度、オールドノリタケのティーカップを見たら、単に豪華なだけではない、そこに宿る洗練された品質の高さを体感する事ができるでしょう。
飾っておくだけでも見栄えがしますし、使ってみても満足の行く仕上がりであり、同ラインナップのティーカップは、長い年月をかけて研鑽されてきたオールドノリタケの伝統や精神を味わい、楽しむ事ができる一品です。
デミタスカップの魅力
(注1)森村市左衛門:1839~1919年。武具や陶磁器の御用商人だった人物で、森村財閥を組織。陶磁器の販売を精力的に行う一方で、大学に多額の寄付を行うなど、様々な活動を行う。1915年には、男爵の爵位を授与されている。1919年、正五位勲三等瑞宝章が送られた。