歴代ジョージジェンセンのホールマーク『刻印・サイン』を見てみよう
ジョージジェンセンのホールマーク『刻印・サイン』
いかにして、ジョージジェンセン作品の年代測定がなされるか、ご興味がありますか?
有難い事にアンティークテーブルウェアでは、かつてのジョージジェンセンの銀工職房にて使われておりました、ホールマークを盛り込んだ幾点かの古いカタログや内部文書を入手しております。
また、様々な時期に施されたホールマークや銀含有量に関する私共の専門知識、加えてその時代に活躍したデザイナーなど、全てが年代測定の手掛かりとなっております。
下記は詳細リストでございます。
銀成分(銀の含有量について)
1893年のデンマークのホールマーク 法に基づき、銀の含有量基準は1, 000の内、スターリング基準である純度925よりも、若干低めである純度826に設定されました。
残りの成分は通常、銅と少量の鉄、鉛や他の金属の痕跡などとなっております。
デンマーク基準である純度826S は、銀職人が純度を830に、最終的には925までに引き上げた、1915年代辺りまで使われておりました。
かなり以前から米国市場向けに時折受けていた925Sの特注を除いては、ジェンセン自身は1927年までスターリング基準に切り替えませんでした。
デンマークシルバーは1961年まで三塔のスタンプで識別されておりました。
その後は830S、若しくは925Sのインプリントがなされています。(二塔マークは は銀食器を意味します)。
他のホールマークには、特定アイテムの年代測定に役立つ、スウェーデンの年代マークとデザイナーのイニシャルなども含まれております。
最後に一つですが、ジョージジェンセン のホールマーク入りのアイテムが全てオリジナル作品とは限りません。
再販のアイテムは一部、ジョージジェンセンとオリジナルのシルバー作品、又は他社の融合作品であるケースがあります。
他のケースではアイテム自体はオリジナルかもしれませんが、石や他のアクセントなどで変更されている可能性もあります。
気になった作品の真偽鑑定については、こちらの『ジョージジェンセン これは本物!?偽物の見分け方を解説します』か古いカタログをご参考されるのがベストでしょう。
古いカタログのおすすめはこちらです。
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値段が高額ですが、本自体が2キロくらいあるのでかなり見応えがありますよ👍
私はいつもこれを見ながら勉強しております😄
また、当サイトの変更されたジョージジェンセン アイテムのページより、変更品の詳細内容もうかがえます。
様々なバリエーションのジョージジェンセンホールマークと、ホールマーク使用時の詳細リストです。
1915年-1930年のマークと1945年のマークには、着目すべき類似性が見られます。
このマークが付いている作品は殆ど後年のものですが、他のマークでは、場合によっては銀の含有量や、作品がデザインされたであろう年、若しくは製造中止になった時期などの情報により、年代を明らかすることができます。
銀含有率のマーキングです。
幾点かの作品、特にスターリングシルバー基準への移行期間では、別の銀含有率の可能性があります。
デンマーク製を意味する、様々なホールマークの資料なのですが年代によって少しずつ形が変わっています。
アイテムの年代を察するもう1つの方法です。
資料ではちょっと分かりにくいと思いますので、後半の方で実際の現物の商品を載せておりますので、そちらも一緒にご覧ください。
ジョージジェンセンホールマークの例
下記の資料からは今では、なかなかお目にかかることができない古いホールマークが存在することが分かると思います。
スクロールしていくと、実際の商品の刻印されているホールマーク 例が見られます。
初期のGJホールマーク の例の一つ
このホールマーク 自体の年代は1904-1908辺りを示す様ですが、スターリングのマーキングが見られる事から、実際はもっと後年のものです。
同マーキングが後年、別の小さな作品にも1945年まで使われていた事から、これもまたジョージジェンセンの作品と言えます。
初期のスタジオシルバーの作品
純度826の銀成分と「コペンハーゲン」は1907-1914間の物である事を意味します。
この特定のGIマークはかなり珍しいもので、これは1904-1908年辺りと推定されます。
830 & 830S GIマーク
こちらは、ビーズ(ドット)にふちどられた円の内側にあるクラシックなGIマーキングです。(1915-1930年間に使用されてたもの)
及び1927年以前に使われた、銀含有量が83%であることを示す、スターリング基準移行前の.830マークの一例です。
GI830Sマークもうかがえます。
初期の作品は、しばし複数のスタンプがされてある場合があります。
ホールマークのサイン
マーク自体は小さなブローチの上に見られますが、これもまた、1945年以降の作品です。
写真からも、裏のはんだ付け後、マークが作品ピースにパンチれているのが印象的です。
サークルGIマークとのジョージジェンセンマーク
このマークセットは、サークルGIマークとのジョージジェンセンマークを組みあせた、1915-1930年間のものです。
今日、似たようなマークが使われております。
スターリングのスタンプから、これは恐らくスターリングシルバー基準移行後の、1927-1930年間の作品だと思われます。
シンプルなGJの刻印
これはシンプルなGJの刻印 および純度830とデンマーク製を記した、古いマークです。
COPENHAGENのマークが入ったもの
このホールマーク のセットは、830シルバーマークとGIを組み合わせたものと、珍しい「COPENHAGEN」のマークが添えられております。
これはサークルGIマークから、1915―1930間の代物である事が伺えます。
この場合の.830シルバーマークは1927年以前の年代で、 シティマークは1907年から1915年の間に使われたものと判断できます。
四角のGJホールマーク
珍しい830Sと四角型のGJホールマーク入りの、カフリンクセットです。
現在のジョージジェンセンのホールマーク は、古いマークの一つと不思議なほど似通っています。
見分け方の一つは、純度830Sのマークです。
銀含率が83%しかないコンチネンタルシルバーは、職人がスターリングに切り替えた時点の、1927年以前の古い基準である事を意味します。
珍しいホールマークを見てみよう
1933-1944年間の素晴らしいホールマーク の二例。
このホールマーク セットは1945-51年間のもので、ジョージジェンセンコペンハーゲンショップのみで使われたもの。
これもGIホールマークと830Sマークですが、「輸入先デンマーク」とスタンプをされていることから、この作品はフランス向けに輸出され、初期のパリショップで売られていた事が伺えます。
これもまた珍しいホールマークの例です。
1925から1932年に使用された、冠付きの「ジョージジェンセン」 ホールマークがはっきりと目につきます。
また、GI .925マークとデザイナーのイニシャル(この場合はハラルドニールセン)も見られます。
このマークは、後年に幾点かの小さなアイテムにも使用されましたが、もっと今に近いホールマークと非常に似ております。
この為、年代測定にはデザイン時期と製造期間を知っておく事が不可欠です。
スペースの制限のため、様々なホールマークがあらゆる作品によく使われています。
二番目のモデルナンバーの2は若干消えており、1945年以降のこの作品例では、通常のジョージジェンセン のホールマークは健在なものの、GⅠマークは小さな作品により一般的に見られます。
これは前述のGIイニシャル入りの鉄製の小さなピン。
他のマークがメーカーのホールマークのと並列して時折見られます。
その場合、単に関税と輸入スタンプマークある事がよくあります。
ホールマークのバリエーションの素晴らしい例です。
通常、こういった作品のスタンプは手でなされます。
この2セットのホールマークは同一デザインのブレスレットに施されたものですが、並びや位置はバラバラです。
古い留め金の例。
上の、古い留め金いく点かにご注目ください。
年代や、それぞれ独自の美意識及び機能を添えたデザインと共に、留め金にも色々なバリエーションがあります。
針を固定するための専用のカバー(ケース)があり、細部に渡り注意が払われている非常にユニークな一点ですね。
ヒンジ接続部分は、スターリングシルバーではなく、真鍮で形成されていることにご注目下さい。
クラスプのこの特定部分は、最も圧力とダメージを受けやすい傾向の為、より柔らかいスターリングシルバー合金より、圧力や変形に耐久性のある真鍮を使用しているのです。
クラスプ全体はハンドメイドで、しっかりとフィットした、スライド式のピンの止め口や、クラスプベースのエレガントにカットアウトされたカーブなど、細部にわたる注意がに払われております。
ピンの止め口のデザインは、針を刺すなどのアクシデント防止の為、シャープなチップをカバーし、使用者に配慮の行き届いたチューブ状のデザインになっております。
シンプルなアイフックを使った上のクラスプとは対照的に、これらの古いクラスプをユニークにする様々な仕様がにあり、それもまた作品年代測定の手掛かりともなっております。
イヤーマーク
下は特定の作品の製造年を具体的に示すため、時折使われた、年代マークの時期の例。
ジョージジェンセンスモールカップ#371A、下はスモールカップのホールマーク。
小さなカップ#371Aの面白いいマーキング、3つのタワーは830S、925S はスターリングシルバーを意味します。
製造年(1926年)を示す、三つの塔のマークの模範例。
GJ830Sのマークも見られます。
CFH スタンプは保護スタンプであり、これは1904年と1932年間に使われました。
このナナ.ディッツェルの作品にあるマークは、実際には年代マークです。
(三つの塔の下にうっすら見える26の数字の部分です)
ジョージジェンセンがマイケルソン銀細工職を購入後、いくつかの作品にスウェーデンの年代を導入し始めました。
ホールマークがライオンの鼻先のデコレーションの一部
この風変りブローチは、ジョージジェンセンのホールマークがライオンの鼻先のデコレーションの一部になっております。
意図的か、若しくはスタンピングプロセス上のミスの一例かもしれませんが、どにらにせよ、とてもユニークです。
こちらは同じライオンブローチの裏面で、実際のホールマークが正しい位置にあるものです。
こちらは1952-32年のホールマークの例で、この場合は小さめなアクセサリー幾点かの典型パターン同様、後年の作品に使われたかと思われます。
デザイナーイニシャルとマーク
デザイナー名、イニシャル又はパーソナルマークも追加されております。
こういったマークは折々の時代の、著名で影響力のあるデザイナーが手掛けた作品を認知する為によく使われております。
デザイナー判別の一覧表は下記の画像をご覧下さい。
まとめ
さまざまなジョージジェンセンの歴代サイン・ホールマークをご覧頂いたのですが、やはりこれまでの歴史を遡って見てみることは楽しいことですよね😄
いろんなサインがあって、全てを覚えることは出来ないと思われますが弊社のサイトに戻って、どんなサインがあったかなぁ。
というような感じで、活用して頂けたら幸いです。
今後とも『アンティークテーブルウェア』をよろしくお願い致します。