ミューラー兄弟 リュネヴィル 1920-30年代
希少な錬鉄銅と彫刻された「パート・ド・ヴェール」製シャンデリア
「ハシバミ」シリーズ アール・ヌーヴォー
錬鉄銅と彫刻された「パート・ド・ヴェール」と呼ばれるガラス製の希少なシャンデリアで、リュネヴィルのミューラー兄弟による「ハシバミ」のモデルです。
アール・ヌーヴォータイプの骨組みは錬鉄の平たん部と円形部に槌打ち細工が施されており、褐色のつやと光沢部分は高く盛り上がっていて、ブロンズ製の上部透かし彫りの大きな装飾に描かれているのはハシバミ(ヘーゼルナッツ)の長くほっそりして動きのある巻き付いた茎、楕円形でギザギザの葉、生まれたての芽と尾状花序の花々です。
丸く張り出した環状吊り金具の覆いは基礎の部分に細工があり、2段に分かれている3つの長い支柱は上部の中央と下部から吊り下げられるようになっています。
大きくはみ出した3つのガラスの支えは照明のアームであり、丸いソケットの覆いを飾っています。
締められるビスと電灯線用の穴、コード、そしてソケットカバーと4つのソケットがあります
(一つは中央に、その周りを3つが囲んでいます)。
鉢の縁とチューリップ型ほやの上部に描かれた下線と共に、慎重に酸によるカメオ技法で3層に渡って彫刻されています(底も含む)。
大きな飾り鉢には大きく膨らんだ張り出し部分と縁の円形部分に元々の穴が開いています。
チューリップ型のシェード上部が開いており、膨らんだ円錐型は軽く張り出していて、縁は4つの角があり少し口広がりになっています。
色彩は秋色で不透明です。大きな鉢は地の部分に上下にぼかしが入った粉吹きマーブル加工(大理石調)で無色から半透明の粉吹き綿状ガラスと二重になっています。白からライトイエローの地色の上部にはキャンディピンクとピスタチオグリーンが少々使われています。チューリップ型のシェードは地が上下にぼかしが入った粉吹き引き延ばし加工で、無色から半透明の粉吹きマーブル加工ガラスと二重になっています。白地の底にはライトイエロー、キャンディピンク、ピスタチオグリーンが使用されています。描かれているハシバミにはぼかしと濃淡が入っていて、非常に濃いマロンブラウンかたライトブラウンが使用されています。
サインは通常使われる、無地の部分に酸によるカメオ技法で彫刻されたもので、鉢のふくらみの上部とチューリップ型のシェード中央部に「Muller Fres Luneville」と一本下線が付けられて書かれています。骨組み部分にサインはありません。
サイズ
全体の寸法:高さ108㎝、直径70㎝
骨組み部分:吊り金具の覆いの直径20㎝
中央の鉢:高さ11.5㎝、縁の直径40㎝、縁の円周126㎝
チューリップ型電灯ほや:高さ14.5㎝、縁の横幅と長さ9.5x9.5㎝
総重量:7.4㎏
使用状況は非常に良好で、通常使用による染みや摩耗、ひっかき傷や衝突痕が錬鉄と骨組みの古色加工部分にあり(それほど見えません、写真参照)、また使用による小さな欠けや傷がガラスの接触や取り付け部分にあります(骨組みの下なので見えません。写真参照)。電灯・電線はついていません。
シャンデリアを設置する際には電気工事士にお願いします。