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オールドノリタケの歴史を動画で見る方はこちら↓
弊社が取り扱うオールドノリタケについて
気品溢れるそのデザインで、長く世界の人たちから愛されてきたオールド・ノリタケ。
オールド・ノリタケの製品は、どれも新しさを取り入れながらも、伝統的な美しさも大切にする感性と高い工業的技術力が合わさった芸術品として、骨董品専門家や多くのコレクターたちから高い評価を得ています。
洋食器を集めている人であるなら、オールド・ノリタケの名前を知らない人はいないだろうというほど、有名で人気の高い製品なのです。
オールド・ノリタケが設立されて長い年月が経ちますが、常に時代の先を読み、そのときそのときにマッチした製品やデザインを生み出しているからこそ、長くその作品は愛されているのではないでしょうか。
その緻密な金彩加工は、間近で目にすると、思わず息を飲んでしまうほどの迫力を感じることができます。
そもそもオールド・ノリタケは1884年から1945年までの製品を「オールド」と呼んでいるのです。
そんなノリタケの製品は、花瓶や食器、置物などの装飾品といった、いわゆるテーブルウェアと呼ばれるものが中心となっています。
その繊細で緻密なデザインにファンは多く、現在に至っても収集するコレクターたちは多くいます。
現在でもノリタケの本社は名古屋にノリタケカンパニーリミテドとして、世界最大で最高級の陶磁器メーカーとして経営を続けています。
ノリタケは戦後、日本にいたアメリカ兵がお土産にとして買い求めていくことが多かったと言われています。
その製品は、プレミアノリタケとして、現在でも一部の愛好家たちからは、愛されているのです。
どの製品も凝ったデザインで、圧倒的な人気を博したノリタケ製品は、国内の業者がそのデザインを模倣し、偽物までもが出回ってしまうほどだったと言われています。
日本の製品の海外輸出の歴史について語るとき、欠かすことができないと言われるほどのノリタケ製品。
それほどまでに日本の輸出の歴史と深くかかわり合い、日本の輸出産業の発展に寄与しているのです。
第二次世界大戦により、ノリタケは以前のような高い品質の製品を作ることができなくなってしまい、ノリタケブランドを封印してしまった時代もありました。
しかし、時間が立つことにより、再びもとの高い品質の製品を作ることができるようになり、ノリタケブランドは復活することができました。
このように、日本の歴史と深く結びつき、世界の人たちを常に驚きと感動で沸かせていたノリタケ製品。
だからこそ、今なお、変わらぬ人気で多くの人の目を楽しませているのかもしれません。
オールドノリタケの歴史とマーク(刻印・バックスタンプ)を徹底解説します!
1858 日本、アメリカ・オランダ・ロシア・イギリス・フランス各国との修好通商条約(安政五カ国条約)に調印。
1868 幕府の終焉、明治時代の幕開け。
1876 海外輸出を志し、東京で森村組を設立(森村と大倉が入社)。ニューヨークで日の出商会を設立。
1879 日の出商会閉業。ニューヨークで日の出商会森村ブラザーズを設立。
1880 広瀬が東京の森村組に入社。
1882 森村組、卸売業への転換を決断。
1884 森村組、東京・名古屋・京都に専属契約の画付け工場を設置。
1904 日本陶器合名会社、愛知県愛知郡鷹場村大字則武向510に設立。(現・名古屋市西区則武新町3-1-36)(1963年、英語表記をNoritake Co., limitedに変更)
1916 国内市場向けに名古屋で合名会社日東商会を設立。(現・株式会社ノリタケテーブルウェア)
1917 陶器、磁器、衛生陶器製造のため小倉に東洋陶器株式会社を設立。(現・TOTO株式会社)
1918 森村組、森村商事株式会社として再編成。
1919 名古屋で日本碍子株式会社を設立。(現・日本ガイシ株式会社)
東京で大倉陶園を設立。(現・株式会社大倉陶園)
1921 ニューヨークの森村ブラザーズ、東京の森村商事株式会社と合併。常滑で伊奈製陶株式会社を設立。(現・株式会社INAX)
1936 共立原料株式会社を名古屋に設立。(現・共立マテリアル株式会社)
日東石膏株式会社を名古屋に設立。(現・日東石膏ボード株式会社)
日本特殊陶業株式会社を名古屋に設立。(現・日本特殊陶業株式会社)
1939 砥石の製造を開始。
1947 ニューヨークでNoritake Co., Inc.を設立。
1956 ステンレススチール食器の製造を開始。
1958 シドニーでNoritake (Australia) Pty. limitedを設立。
1961 クリスタルガラス食器の製造を開始。
メラニン食器の製造を開始。
1962 セラミック
1963 研磨布紙の製造を開始。
1969 電子機器の製造を開始。
1971
1972 スリランカ
1973 ダイヤモンドツールの製造を開始。
1974 フィリピンでPorcelana Mariwasa Inc.を設立。
1976 ベルギーでNoritake (Benelux) S.A.を設立。
1979 ノリタケモデル工場を操業開始。
1981 日本語社名を株式会社ノリタケカンパニーリミテドに変更。
1985 日東石膏ボード株式会社、ノリタケカンパニーリミテドに合併。
ノリタケの刻印の歴史
商品に刻印されている商標は、商品の品質に責任を持っている会社の顔とも言えます。
陶磁器の刻印は、時代の先駆者の高い志を示しています。
同時に、世界中に広まった日本の陶磁器の力強さも表現しています。
ノリタケの中でも一番有名なのは、マルキ印ではないでしょうか。
こちらですね。
1904 日本陶器合名会社設立(現在のノリタケカンパニーリミテッド)
創業の地は愛知県愛知郡鷹羽村大字則武字向510です。
ノリタケとは創業の地名に由来しています。
当時のアメリカでは日本製の陶磁器の人気が非常に高く、将来的に陶磁器産業が拡大するのを感じた森村組は 自社で製品を作り販売するということに舵をきる決断をします。
当時輸出していた商品はほとんどが花瓶、置物等の装飾系の作品がほとんどでした。
さらにそれらの絵付けは、アメリカの市場をターゲットにしたものではなく日本で人気のデザイン(侘び寂びの芸術館で質素な色合い)を、そのままアメリカに持って出て行ったような形だったのでそもそものデザインから再考する必要がありました。
また、そういった装飾系の作品だけでは販売数に限界を感じた森村組は、日常でも使用できる食器を輸出しようと考えていました。
そして、アメリカでは白生地ではなく純白のものでないと食器として認められていませんでしたのでまず初めに純白の生地作りからスタートさせました。
1908 最初の刻印が登録されます。
国内市場のための刻印で日本で登録されました。
RCは瀬戸物を意味するRoyal Crockeryの頭文字です。
デザインはヤジロベエと呼ばれていて、バランスのとれた経営を意味します。
イギリス市場のためにロンドンで登録された刻印です。
1911 さらに多くの刻印が日本で登録されました。
上記の刻印はアメリカ市場のための刻印です。
飾り環は森村家の家紋に由来します。
Mも森村家からとっています。
下の2つはイギリス市場のための刻印です。
下のデザインは漢字の「困」に由来します。
輸出事業はそれまでとは違い、考え方や文化が異なる外国人が相手であった為です。
そのような困難を乗り越えなくてはいけないという想いを込めてデザインされました。
明治の人々の前向きな姿勢が表現されています。
1914 ノリタケ初のディナーセットに使用された刻印です。
「セダン」という名前がつけられました。
1918年それまで”Nippon”と刻印されていた生産国名を英語表記の”Japan”に変更されました。
1890年のマッキンリー関税によって生産国の英語表記を義務づけられたはずだが、なぜか1891年から1921年の間”Nippon”と刻印されました。
1926 インドと東南アジア市場のための刻印がインドで登録されました。
Royal Crockeryと月桂樹が初めて用いられます。
1933 月桂樹の下にリボンがあるデザインへと変更されます。
今日使われている刻印の基となっています。
1946 「ローズチャイナ」
大戦直後から磁器の生産を再開したが、様々な理由で以前ほど高品質の磁器を生産、輸出出来ませんでした。
ノリタケは最高級の製品にのみ使用したかったので、一時的にロースチャイナを用いました。
1947 “Made in occupied Japan”
占領下の日本で作られたことを示す刻印が用いられました。
1948 1946年以降様々な試行錯誤を経て製品の品質を向上させた結果1948年から再びノリタケを用いるようになりました。
1950 ノリタケがついにアメリカで登録されました。
ノリタケとは場所の名前なので商品名としては正式に登録出来ませんでした。
しかし、製品が常に高品質であったことと、信頼により登録の許可が下りました。
製品番号D175は1912年以来現在でも世界中で人気の製品です。
製品番号と刻印の両方が日本とアメリカで登録されました。
1953 この刻印は日本とアメリカ両方で登録されました。
Nはかつての社名日本陶器に由来します。
現在の製品にはこの刻印が用いられています。
オールドノリタケの代表的な輸出向けのデザイン
・オールドノリタケのアールヌーボー様式
アールヌーボーのデザインは、1870年代のロマン主義からの流れを受け継いでいます。
風景画のデザインはアールヌーボー期によく描かれたデザインで木、川、湖等の自然の風景を中心に制作されていました。
その中でも、大小サイズがさまざまある花生け、壺、鉢、花瓶、水差し、置物、などは、高さ、大きさなどに合った曲線や膨らみで表現されています。
そしてこれらの作品の摘み、取っ手、蓋の摘みなどもとてもバランスのとれた曲線や丸みで表現されているのです。
作品の中に描かれているものは空は朝焼け、日中、夕焼けの景色で水辺の風景には湖や川、沼地が描かれています。
さらに絵付けはもちろんではありますが、多くの絵の具、高品質な金彩で仕上げられています。
織物、漆器、染物、七宝焼などの、とても難しい技法が磁器の絵付けに使われているのです。
その中には、とても人間業とは思えないものまであります。
それほど繊細で、綿密な技法で作られている作品もあるのです。
そして、デザインのモチーフもとても優れています。
品格においても、品質においても、上室のものばかりなのです。
これらのようなオールドノリタケの作品は、収集家や骨董の専門家たちの間でも、大変評価が高く芸術作品として賞賛されているのです。
特徴でもある、アール・ヌーヴォー調の絵付けというのは、おおまかにわけると、次のようにわけられます。
1.繰り上げ
2.金盛り
3.レリーフを施して模様上の絵付け
4.金腐らし
5.つづら織布目地の絵付け
6.色点盛り
7.エナメル盛り
8.レリーフの貼り付け盛り上げ
9.転写絵付け
というようなものなどがあります。
※オールドノリタケのき金盛の技法を使ったカップ&ソーサー
この中でも、金盛り、色点盛り、エナメル盛り、エナメル盛り、レリーフの貼り付け盛り上げのほとんどは、一陳を使っての盛り上げとなっているのです。
そしてオールド・ノリタケは、これらの絵付けの方法を単体で施しているわけではないのです。
多くの作品において、他の方法も併用して絵付けされているのです。
・オールドノリタケのアールデコ様式
明治期の日本の輸出陶磁器に描かれた西洋美人画はヨーロッパの陶板画(KPM)等などの影響を強く受けており、ヨーロッパから購入した転写紙を窓絵に貼り付けてその周りをジェエルで囲んだものなど、その華やかなデザインはヨーロッパからの影響を強く受けていました。
この様式のルーツとなったのは、世界のあちこちにあるさまざまな装飾なのです。
時には、異なる装飾の様式での表現もありましたが、それらの統合体と言えるのです。
具体的に言うのであれば、当時のヨーロッパの立体派、ロシアの構成主義、ドイツのバウハウス、イタリアの未来派(抽象、ゆがみ、単純化)、そして古代エジプトの様式、アフリカの種族の様式、東洋の様式(東南アジアのサラサ様式、日本の着物様式)、ロシアバレーの色彩といったさまざまなポイントが含まれています。
こういったさまざなものをベースとして取り入れ、モチーフを作り出したのです。
そして衣服、布地、家具、金属機器、ガラス製品、陶磁器、宝石、壁紙、建物といったものに使用されています。
それらは、ヨーロッパの都市文化や風俗、習慣といった一般市民の中にまで取り入れられ、そこから色々な分野に広がっていくことになりました。
しかし、この時代というのは、第一次世界大戦により、肉体的にも精神的にも多くの人たちはダメージを負っていました。
そんな人たちの気持ちを救う、楽しみ、快楽、拘束からの解放、そしてそれだけでなく、風変わりで斬新、そして奇抜なものを求め続けていた時代でもあるのです。
★基本編:様々な年代で繰り返し使用された バックマーク/バックスタンプ
次は「ノリタケ」の珍しい刻印をご紹介します。
皆さん、食器の裏側ってみたことありますか?そうです、バックスタンプあるいはバックマーク
と呼ばれているシロモノです。
実は、このバックマーク、その年代毎に異なっており、時代の背景に沿っていろいろな色や形に変化しているので
マークを見ただけで歴史がわかってしまうのです。今回は、ノリタケのバックマークの基本的なものから、特別に作られたマークまで、ここだけの情報をたっぷりお届けします。
(※下記に掲載されているバックマーク/バックスタンプは、ノリタケオーストラリアとノリタケ株式会社が提供する「バックマークのノリタケ年表」その他を参照したものです)
ノリタケオーストラリアによりますと、ノリタケバックマーク/バックスタンプの内のいくつかは、特別イベント用のものであったり、様々な製品と年代で何度も使用されているとのことです。
しかしながら、こういったアイテムには、製造年月日や製造番号といった個体認識ができる情報がないのも特徴のひとつなのです。
そこで、ノリタケの製造時期を特定するにあたっては、バックマーク/バックスタンプだけを参考にするのではなく、製品のデザイン・フォルムをしっかりと吟味しながら見定めて行くことをお勧めします!
それでは、早速マークの詳細を見て行きましょう♪
ノリタケの歴史の中で長く使用された3つの共通マーク。それが、「ノリタケ マルキ印」「M-Japan/M-Nippon印」「RC印」です。
(1905)青色が特徴のバックマークで、1939年まで使用されました。 (1920年代)緑色が特徴のバックマークで、1920年代に使用されました。 (1949)バーミリオンの赤色が特徴のバックマークです。 (1949) 緑色が特徴のバックマークです。 |
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ブルーのマルキ印は1939年まで、グリーンのマルキ印は1952年までの使用です。 |
M-Japan/M-Nippon印のグリーン・レッドは共に、1937/8年まで使用されました。
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RC印(RC Made in Japan/RC JAPAN)は1950年代後半まで使用されました。 オリジナルのRC印は、1908年にまで、さかのぼります。 【登録詳細】 No.0033949 適用対象日: 22/08/1908 10/10/1908 *RCとは、Royal Crockery(高級磁器)を指します。 RC印には、30種類ものバラエティがあります。(戦後に作られたROSE CHINAを除いたもの) |
★中級編:マルキ印について
囲いの中に「木」の字がデザインされたマルキ印は、森村組のシンボルマークとしてデザインされたものです。
マルキ印がどのようにして作られたのか、その変化を見てみましょう。
1、元になった文字は、「困難の困」
意外なことに、マルキ印は「木に丸」ではなく「困」という一文字を元にして作られました。(写真左端参照)
2、四角囲いが円形に変化
最初は「困」そのものであったマークですが、その周囲の四角形が、ほぼ円形に変更されました。また、中心に描かれた「木」の文字自体も、茎が槍のようなフォルムに変更されています。
「木」という文字の先端が、難しい状況を打ち破るというコンセプトです。(写真左から2番目参照)
3、全体的に、なめらかで穏やかな雰囲気のマークへ
いびつであった円形が、さらに滑らかな美しい円に変化しました。こちらは、ほぼ完成に近いもので、全体的に調和がとれた雰囲気になっていることが見て取れます。(写真左から3番目参照)
4、マルキ印が様々なバリエーションへと進化
「○の中に木」として描かれるようになった、マルキ印。写真左から4番目のマークは、多くのバリエーションを持つマルキ印の中でも、特にシンプルなものです。
上部に「Noritake」の文字が描かれ、下部には「Made in Japan」とデザインがされています。
1902年頃から使用されるようになりました。(写真左から4番目参照)
【マルキ印のバリエーション】
マルキ印は、森村組のバックマーク/バックスタンプのみにとどまらず、ノリタケバックマーク/バックスタンプ、東洋陶器会社 (現在のTOTO株)、KOKURA CHINA (マルキ・コクラ印と呼ばれています。)、森村ブラザーズ社のロゴ、レターヘッドや封筒、木箱のステンシルマーク、輸出用品、国内用品、社内グッズ、社旗、従業員バッジなどに使用されています。
ちなみに、このマークに対する「コマル」という呼び名は、本来ふさわしいものではなく、「マルキ」こそが正式な名称であるとされています。
「困難の困」などというマイナスイメージが浮かぶ文字が、製品を代表するシンボルマークとなることは、最近では考えられませんよね。
しかし、このマークには、「海外で成功を収めるには、考え方や習慣の違いという困難を乗り越えることが不可欠だ。」という森村ブラザーズ創立者の強い思いが込められているのです。
海を渡って大きな成功をおさめた製品の目印となった、「マルキ印」。その背景を思うと、とても感慨深いですね。
★上級編:その他、特別なバックマークについて
NORITAKE ノリタケ 日本陶器会社 (1937) 帝国ホテル東京で使用されたマーク。 帝国ホテル東京及び、その家具・食器はFrank Lloyd Wrightがデザインを行いました。 1922年開業、1968年解体が行われました。 |
PORCELAIN SK TOKYO NIPPON とRC グリーンマーク(1912登録)の組み合わせ。 ティーセットのトレイから発見された物です。
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月桂樹-M印が刻まれた、森村ブラザーズ贈呈品。 スプーンホルダー底面に貼付けられたラベルに印刷がされていました。 マゼンダのRCマークは1911年5月30日に登録された、輸出市場向けのものです。 |
NORITAKE NIPPON
(1908-1910)
L. BARTH & Son, New Yorkは、陶器・銀食器の有力代理店でした。 Lehigh Valley Railroadや、Shenango Co.といった、他企業が製造するホテル・レストラン向け製品を、幅広く販売していました。 |
月桂樹-マルキ印 ゴールド(1933年頃)日本陶器会社特製月桂樹-マルキ印バーミリオン(1935年頃)日本陶器会社特製 |
第16師団 満州派遣記念・昭和11年6月・日本陶器会社 (1936年頃) |
月桂樹-M印 レッド (1922年頃) 意匠登録番号19322 |
マルキ印 出願中(年代不明) |
月桂樹ーマルキ印 レッド HANDPAINTED MADE IN JAPAN 意匠登録出願中 |