２２３　マイセン　東洋の衣装を着た女性と黒人男性　（ペア作品）　シューリッヒ作

この作品をデザインしたのは　ポール　シューリッヒ　（Paul Scheurich　１８８３年～１９４５年）です。
彼は２０世紀初頭の最も優れた磁器の彫刻家と言われています。
シューリッヒはすぐれた彫刻家であり、さらに画家、グラフィックアーティストやステージデザイナーなど、いろいろな作品を手がけた、とても才能のある人物です。
彼はベルリンにある、アート学院で学び、１９００年～１９０２年はドイツに在籍していました。
そののち、１９１３年～１９３６年の２３年間と言う間、マイセン製作工場に勤めました。
彼の生み出した作品の数々はとても高圧的で胸をうたれる作品ばかりであり、とても活気のある、時にはみだらな、シューリッヒ独特の作品は永続的な価値があると言われています。
彼の有名な作品　“ロシアのバレエ団”（Russian Ballet）は、ケンドラーの作品と同様の価値があるとされ、展示会などでは、ケンドラーの作品と並んで設置されています。

この作品の原材料には白のポーセリンが使用され、すばらしい光沢仕上げ、そして最古の塗装技術を取り入れながら塗装仕上げされた、優れた手作り陶器人形です。

こちらのフィギュアは二体のペアの作品となっています。
写真の右側に置かれているのは、ひげの生えた黒人の男性です。
彼は、羽を大きく広げたバタン（Cockatoo　オウムの種類）を手に乗せています。
もう片方のフィギュアは、胸のはだけた女性です。女性は両手でフルートをもち、演奏しているかのような表情をしています。
二人とも、くるぶしほどまである、長く白い東洋の衣装を身に着けています。
フィギュアの後ろには、ヤシの木があり、二人ともこのヤシの木にサポートされています。
二体とも楕円形の土台に固定されています。
細部までとても丁寧に作られたこの作品は、マイセンならではの細やかな職人技が見受けられる、とても素晴らしい作品と言えます。

こちらのフィギュアにはマイセンの双剣マーク（贋作防止のため、マイセンの陶磁器には交差した２本の剣のトレードマークが１７２３年から用いられており、これは現在まで使われているトレードマークの中ではもっとも古くからあるものの一つ。なお、刃や鍔の傾きなどは年代によって変化している）が記載されています。
１９８７年　/　１９８９年と年号も記載されています。
その他に、モデル番号　６７０７２　/　６７０７３　と言う記載もあります。

全体的に非常に良好な状態で、修復もなく、欠けやひび割れ、細かな線もありません。

デザイン者：　 　ポール　シューリッヒ（Paul Scheurich　１８８３年～１９４５年）
初期デザイン：　１９２６年
製造窯：　　　　マイセン製作工場
寸法：　　　　　女性　高さ　２２．０ｃｍ　横幅　１９．０ｃｍ
　　　　　　　　男性　高さ　２１．０ｃｍ　横幅　２２．０ｃｍ
製造年：　　　　２０世紀