大変大きな窯焚きエナメルのジュエリーボックス/キャスケットです。
通常のボックスはもっと小さく、こちらは私たちがこれまで集めてきたボックスの中で2番目に大きなものとなります。
鍵穴がついていますが、まだ鍵を見つけることができていません。
この商品は大変珍しいので、鍵を見つける努力をしており、見つかり次第リストに追加する予定です。
これはまさに19世紀フラン製のエナメルボックスが大変人気だった理由を表す一品です。
このようなボックスは大抵タハンであると言われますが、内側の鍵穴プレートに「TAHAN Paris」の署名があるのはごくわずかです。
こちらにはサインがありませんが、世界的な家具メーカーを通して19世紀の偉大な王に取引されていたことは確かです。
フランスの専門家によると、それはフランスのセーヴルまたはブレッセのエナメル職人によって作られた高級品メーカー/セラーであるパリのタハンのための窯焚きエナメルとのことです。
19世紀タハンはその品質と贅沢さでアメリカのティファニーと肩を並べました。
セーヴルのエナメル産業は、磁器産業と聞いて思い浮かべるRMSやRoyal Manufactory de Sevresとは違いますが、エナメルを扱う装飾職人としてのスキルと才能は、2つの産業をまたいでいるのです。
この箱は署名されていませんが、間違いなく最高品質のエナメル作品であり、パリのタハンに署名された他の作品と同じと言えます。
このボックスに用いられている技法は、長年の経験を積まなければ為せるものではありません。
エナメルパウダーは、泥っぽい藤色、トープ、ブルーなど繊細な色合いであり、窯がグラシンや磁器に溶けて完成品のようになって初めて色合いがわかります。
そのため職人は、理想的な色合いになるまで重ね塗りを繰り返します。
この技法が大変難しいということが、これらの古い窯で焼かれた作品が高く評価され続ける理由でもあるのです。
サイズ
幅20cm、 奥行き10cm、 高さ10cm
状態
目立つ大きな欠け、割れ、傷なく基本的良好な状態です。