マイセン人形 ヴォルガの河神「カタリーナ2世」に向けたヴォルガ川の寓意像でございます😊
広大なロシア帝国の二大大河川のひとつ、経済と交通に重要な天然の水路ヴォルガとドニエペルを擬人化し、帝国の繁栄と富を約束するものとして、ケンドラーは1772年、大型注文品の制作が始まった直後にこのグループを制作しました。
「ヴォルガの寓意としての河神」:貝殻や硬貨、シダや葦の植物で覆われた重厚な彫刻が施された岩の上に横向きに座り、髭を生やして月桂樹の冠を戴き、花模様の紫色の腰布に包まれた川の神の姿をしたヴォルガ。
彼は物思いにふけり、右腕をひっくり返ったバルスター花瓶の上に置いています。
この花瓶からは、貝や魚とともに水が流れ出ており、花瓶の壁には王冠を戴き、ロカイユで縁取られたポーランド・リトアニア王家の紋章とザクセン選帝侯国の紋章が描かれています。
同時に彼は、金色の装飾と交差した赤い剣を持つオールに手で触れ、左手には豊穣と富の象徴である塑像の花、穀物の穂、硬貨の入ったコルヌコピア(古代ギリシア・ローマの世界において、食べ物と豊かさの象徴として用いられた角のイメージ)を手にしています。
ストーリー性と芸術性はマイセン人形の中でもトップクラスと言えるでしょう。
最高傑作の人形ですので、芸術作品をコレクションされている方にこそ手にして頂きたい逸品です✨
製造:ドイツ
年代:1850年頃
素材: 陶磁器/光沢仕上げ
技法: 手作りと手描きの磁器
デザイナー:ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー JOHANN JOACHIM KÄNDLER (1706 - 1775) 1742年から1775年までマイセン工房の主任彫刻家。
羊飼いのフィギュリン、コメディアンの子供たち、庭師の子供たち(アシェルとの共作)、パリの町運び(ライニッケ、マイヤーとの共作)、ギャラントのフィギュリンなど、有名なシリーズを生みだしました。
ケンドラーは1772年にこのモデルをデザインしました。
この作品群のデザインは、「大ロシア勲章」のモデルに属するものです。
合計40体の小彫刻は、1772年に皇后エカタリーナ2世のためにケンドラーに依頼されたもので、ケンドラーはすべての図面を提供しました。
これらの像は、サンクトペテルブルク近郊のオラニエンバウム宮殿の庭にある東屋の飾り棚を飾るためのものでした。
デザイン画の中には、必ずしもロシア女帝との直接的な関係を明らかにしないものもありますが、少なくともいくつかの作品については、ケンドラーが作品の内容をどのように理解してほしかったかについて、作品報告書にヒントを与えています。
マーク:
19世紀のマイセン十字剣マーク、一級品
モデル NR 235 (注文番号40)
参考文献
- Thomas & Sabine Bergmann, Meissen Figures / Erlangen (Germany) 2017, Model Numbers Series and Animals, 154ページのカタログ番号3409。
- Ulrich Pietsch, Meissen für die Zaren (Meissen for the Tsars), Hirmer Verlag Munich 2004, page 103, fig. 23.
サイズ
高さ: 33,0 cm
幅: 34,0 cm
奥行: 22,0 cm
状態
目立つ大きな欠け、割れ、傷なく基本的良好な状態です。