この作品はフランス人の造形家、ミッシェル・ヴィクター・アシエ(Michel-Victor Acier 1736 ~ 1799) によって1778年に製造されたモデルのフィギアです。
ミッシェル・ヴィクター・アシエはヴェルサイユ宮殿で1736年に生まれ、彫刻家としてパリで修行を積み、その後に1762年からマイセン工場で働くことになりました。
1777年、ケンドラーが死去した後、アシエは最も重要なモデラーとしてマイセン製作所のモデルを作成しました。
さらに、彼は ワッテアウ スタイル“Watteau Style”の沢山のすばらしい作品を世に送り出し、その実力が認められ、彼は1780年に ロイヤル サクソン モデルマスター として招かれました。
こちらの上流階級のロココスタイルのカップルは、とても色鮮やかに色づけされており、表情や指、衣服の細かいところを見ておわかりいただける通り、細部までとても丁寧に作られたこの作品は、マイセンならではの細やかな職人技が見受けられる、とても素晴らしい作品です。
正面から見て左側にいる勇ましい男性は、エレガントなロココの衣服を身に着けており、岩の上に腰を落としています。
そして左手で隣に立っている女性の手をとっています。
フィギュアの右側に位置する女性もまたエレガントなロココドレスを身に着けており、また、ロココのかつらも着用しています。
手を握られた女性の表情は、少しためらいがあるように見えます。
女性の左手は彼女の額の位置にあり、その手には一輪のバラの花が握られています。
バラの花は愛のシンボルとされています。
女性は蓋が付いたゴブレット(金属、またはガラスで出来た台、または足つきの取ってのないグラス)が置かれた大理石の円柱によってサポートされています。
これらの二体のフィギュアは長円形のフリーズ(Frieze 装飾された横壁)によって固定されています。
原材料には白のポーセリンが使用され、すばらしい光沢仕上げ、そして最古の塗装技術を取り入れながら塗装仕上げされた、優れた手作り陶器人形です。
こちらのフィギュアには19世紀のマイセンの双剣マーク(贋作防止のため、マイセンの陶磁器には交差した2本の剣のトレードマークが1723年から用いられており、これは現在まで使われているトレードマークの中ではもっとも古くからあるものの一つ。なお、刃や鍔の傾きなどは年代によって変化している。)が記載されています。
その他に、モデル番号 F 98 / 形成番号 52 / 画家番号 71 と言う記載がされています。
全体的に非常に綺麗な状態の品物です。
修復もなく、欠けやひび割れ、細かな線もありません。
こちらの製品は新品ではなく骨董品(アンティーク)であることをご了承ください。
デザイン者: ミッシェル・ヴィクター・アシエ(Michel-Victor Acier 1736 ~ 1799)
初期デザイン: 1778年
製造窯: マイセン製作工場
寸法: 高さ24cm
製造年: 1860年 ~ 1870年