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アンティークカップの様々なスタイルについて、その歴史と魅力を解説しております↓
アンティークカップを使って優雅な気分で、ティータイムを過ごすことは永遠の憧れですよね。
でも、ただ可愛らしいくて煌びやかなカップで過ごすティータイムか、そのブランドの歴史背景を知っててその食器を使って過ごすティータイムは、また1ランク上の上質な時間を過ごすことが出来ます。
もし、アンティークの陶磁器の歴史背景にご興味がおありでしたら、是非こちらの記事を参考になさってくださいね。
陶磁器の歴史から、種類、お手入れから、一流メーカーの歴史について解説しております。
陶磁器とは
陶磁器と言ってもそれは厳密に言うと『陶器』と『磁器』に分類されます。
陶器とは、粘土で作られているもの。
磁器は、カオリン(白い粘土)の他にガラス質(長石や珪石)を混ぜて作られているもの。
湯呑みなどの茶色くてボテッとしたものは、陶器であり素地が白いものを磁器と考えると見分けがつけやすいですね。
白い金と言われた磁器
<硬質磁器>(ポーセリン)
硬質磁器はポーセリンとも呼ばれ、一般にカオリンと呼ばれる粘土とガラス質の長石と珪石などを含む材料で構成されます。
窯の中で1,200〜1,400°Cで加熱することによって作られたセラミック材料です。
ポーセリンはハードペースト(硬質)、ソフトペースト(軟質)、ボーンチャイナの3つのカテゴリに分類できます。
硬質磁器は中国で発明され、後にその技法が日本にも伝わったことで比較的早い段階で日本も硬質磁器を作ることが出来ていました。
軟質磁器は、ヨーロッパの陶芸家が粘土とフリットの混合物を使用して、中国の磁器を複製しようとしたことが発端となって生まれました。
ボーンチャイナは、もともとは1748年にイギリスで輸入磁器に対抗するために開発されましたが、現在では中国を含む世界中で製造されています。
では、ここからはボーンチャイナについて解説をして参ります。
<ボーンチャイナ>
ボーンチャイナは、その名前が示すように、牛の骨から作られています。
骨を細かく砕いて骨灰にし、長石、ボールクレイ、クォーツと混ぜ合わせます。
完成品の品質は、混合物に含まれる骨の量に基づいています。
高品質のボーンチャイナには、少なくとも30%の骨が含まれている必要があり、40〜45%にもなることもあります。
ボーンチャイナは丈夫で欠けにくく、半透明性のあるアイボリーホワイト(うすっらとした青)をしています。
その高い強度により、他のタイプの磁器よりも薄い断面で製造することができます。
焼成温度は1250度程度です。
ボーンチャイナの製造は硬質磁器と似ていますが、釉薬には軟釉が使われます。
軟釉とは、その言葉通り柔らかい釉薬であるために、ナイフを使った時などに傷が入りやすいのが特徴です。
しかし、それを凌駕する美しさを持ち、ボーンチャイナの原材料は比較的高価であり、生産には手間暇がかかるため、高価なものとなっています。
<アースンウェア>
アースンウェアーは釉薬を使ったまたは素焼きの陶器で、通常は1,200°C未満で焼かれます。
焼成後でもアースンウェアは他の陶器のような固さがなく、こちらもナイフで傷がつくほどの柔らかさです。
またアースンウェアーはテラコッタとも呼ばれ、水などの液体を吸収しやすい素材ですが、セラミック釉薬でコーティングすることにより、液体を通さないようにすることができます。
アースンウェアは、カオリン25%、ボールクレイ25%、クォーツ35%、長石15%でできています。
暗い色のテラコッタは、酸化鉄の含有量が比較的多いため、通常はオレンジまたは赤色をしています。
植木鉢、タイル、一部の装飾品やオーブン用品に広く使用されています。
<ストーンウェア>
ストーンウェアは、1,200〜1,300°Cの温度で焼成された石器粘土から作られるセラミック食器の一種です。
高温で焼成した後の石のような外観にちなんでこの名前が付けられました。
ポーセリンや陶磁器よりも厚みがあり、透明度は低くなっています。
釉薬をかける前のストーンウェアは、天然石と同様の色をしています。
他の食器と同じように、釉薬をかけることでマットまたは光沢のある色とりどりの仕上がりにすることができます。
ストーンウェアはその素朴な外観と丈夫で耐久性に優れていることから、家庭用やレストラン用の食器として重宝されています。
またストーンウェアは、他の陶器よりも均一に熱を分散して保持するため、コーヒーやお茶を飲むのに最適です。
ほとんどのストーンウェアは、オーブン、冷蔵庫、電子レンジ、食器洗い乾燥機などにも対応しています。
それではここからは、アンティークカップの様々なブランドについてご紹介をしていきますね。
オールドノリタケ
まず最初にご紹介したいのが、日本を代表する食器ブランドであるオールドノリタケでございます。
現在でも愛知県でノリタケのブランドとして、工場があります。
オールドノリタケの魅力はなんといっても、絵や金彩を手書きで描いているところです。この金彩はプリントとかではなく、全て職人さんが手作業で金を盛ってるんですよ。気が遠くなりそうですよね。
そして、当時の日本では侘び寂びが美しさの価値観だったのですが、当時お得意様であったイギリス人に合わせて、華やかで豪華な作品が残ってるのもポイントです。
オールドノリタケには、こんな素晴らしい作品がたくさん残っています。
オールドノリタケの詳細を動画でご覧になる方はこちらから↓
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マイセン(MEISSEN)
日本でもとても人気のある、ドイツの陶磁器ブランドであるマイセンはカオリンを使った陶磁器で、透き通った白さが特徴です。
300年の歴史があり、有名なブルーの双剣マークの原型は変わっておりませんが、歴史の中で少しずつ違うバックスタンプが誕生しました。
マイセンコレクターの間では、職人が手作業で全ての絵付けを行なっていたマルコリーニ期のものが人気で、マイセンのアンティークの代表と言える年代になっております。
マイセンの詳細をご覧になる方はこちらから↓
マイセンの商品をご覧になられる方はこちらから
エインズレイ(Aynsley China)
創業1775年、エインズレイは現在に至るまで240年以上の長い歴史を誇る 老舗陶磁器メーカーブランドです。
創業者は、ジョン・エインズレイになります。
合併と、買収が繰り返されてきたヨーロッパの陶磁器メーカーですが、エインズレイは現在でも会社が残っている非常に力のある会社です。
それは第3者からの、お墨付きがあることで深く理解できます。
優れた技術力と芸術性、デザイン性などが認められた窯にだけ認められる、王室御用達があります。
エインズレイは、それをヴィクトリア女王時代に授けれれているのです。
その作品の特徴は、バタフライハンドルのものや薔薇やスミレのデザインが多く製作されています。
可愛らしいものが多く、女性の方が好きな傾向にあります。
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パラゴン(Paragon china)
パラゴンは、エインズレイの創業者であるジョン・エインズレイの長男に当たるハーバード・エインズレイが創業した会社になります。ハーバートは、父親と共に仕事をしており、良質な陶磁器の製造に関する多くの経験を積んでいた人物です。
そのため、エインズレイと非常に作風が似ております。
最初からパラゴンという名前だったわけではなく、1903年にスターチャイナ・カンパニーという名前で設立しました。
その後、英国王室への贈り物としてティーセットを作り1937年には王室ご用達の称号を与えられ、英国を代表するティーウェアのメーカーとなりました。
パラゴンについての詳細はこちらの記事を参考にしてください。
Coalport(コールポート)
Coalportはイギリスのトップ陶磁器メーカーです。
現在では、ウェッジウッド社に買収されてしまいましたが、その洗練されたデザインはウェッジウッド社でも残されており、ハンティングシーンはブランド名こそ変わって生産されていますが、元々のデザインはコールポート社の物になります。
その他にもバットウイング、インディアンツリー等の食器は、現在でも市場に出て来れば、高額で取引されるモデルになっているほどコールポートを愛している人は世界中でたくさんいます。
動画で詳細をご覧になる方はこちらから↓
コールポートの商品ページはこちらから
ダベンポート
イギリス、スタフォードシャーで1793年、ジョン・デヴァンポートによって設立されました。
ジョン・デヴァンポートは1815年に上質の陶磁器商品の生産を始めました。
アンティーク陶磁器コレクター内では、重要な人物の一人です。それ以前は陶器の食器などを生産していました。
1887年にCoalportに買収されるまでは、家族で経営していました。
Devanportの作品は、今ではとても入手困難なアイテムです。
Minton Bone China(ミントン)
ミントンの中で私が特に好きなのが、クリストファードレッサーとソロンです。
クリストファードレッサーは、当時のイギリスではいち早く日本の芸術性の高さに目をつけた人物で、ジャポニズム様式の作品をたくさん残しています。
ミントンで働いたというわけではありませんが、ミントン社にデザイナーの1人として入りミントンを通して作品を作っていました。
2人目がソロンです。
元々セーブル窯にいたソロンですが、普仏戦争の煽りを受けてミントン窯に移ります。
セーブル時代に達成することができなかった、パテシュールパテという技法をミントンで編み出し、その作品は現在は再現することは不可能だと言われています。
それくらい凄い作品が、ミントンから生まれてたんですね。
動画で詳しく見る方はこちらから↓
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ロイヤルウースター
イギリスを代表する、老舗陶磁器メーカーです。
薬剤師の「ウイリアム・ディビス」が経営者として、科学者で医師の「ジョン・ウォール博士」が技術面の指導者として二人を中心に、ウースター市のセヴァーン川のほとりに創業されました。
Dr.ジョン・ウォールの引退後は、彼のパートナーが工房を経営していましたが、ロンドンの仲介業者、トーマス・フライトがそれを買い取りました。
この有名なトーマスとバーの時代には、様々な点で工場を盛り上げ、ヨーロッパの陶器企業におけるリーディング企業の一つとなりました。
1789年、彼らの質の高い技術は高く評価されており、キング・ジョージ3世が、工房を視察に訪れます。そして、彼らの製品が、王のための商品として、王室御用達に相応しいと見なしました。
そして、名前に"Royal"の称号が付くこととなります。
作品は様々なパターンがあり、自然、動物シリーズ、ジャポニズムなどなど素晴らしい作品が多く作られました。
ロイヤルウースターの詳細は、こちらの記事からご覧ください。
動画でご覧になる方はこちらから↓
ロイヤルウースターの商品一覧ページはこちらから
Masons Ironstone(メイソン アイロンストーン)
1796年、イギリス・スタフォードシャーでマイルズ・メイソンにより設立されました。
現在では、硬質陶器とアンティーク陶磁器の両方で彼のオリエンタルなデザインが有名ですが、1813年に硬質陶器において、特許を取得しています。
丈夫で磁器ではない硬質陶器で有名なメーカーではありますが、アンティーク陶磁器でもよく知られた存在ですので、こちらのリストでご紹介します。
丈夫な鉄鋼製品で有名ではありましたが、彼は強くてかつ装飾性のある代替品を、デザイン性の高く大きな花瓶のために探していました。彼の花瓶のいくつかには3フィートを超えるものもあります。また、通常これらには沢山のレリーフと、22カラットのゴールドも施されています。
メイソンは遺産相続権のある女性との結婚も含めて、運が良かったと言えます。彼にはまた、愚かな人々がするようにそのお金を無駄遣いせず、上手に活用する面でも才能がありました。まず、彼は中国製陶磁器の輸入業で成功します。そして、生活必需品が底を付きかけた時、彼は自分のために自分でそれを作ろうと決め、それも大成功しました。
この有名な縁起の良い陶磁器と硬質陶器のブランドは、現在はウェッジウッドグループの一員です。
Rosenthal(ローザンタール)
ヨーロッパを代表する大人気のローゼンタールは設立当初は、ドイツ南部のエアースロイト城に絵付け工房が作られました。
その後アートのある暮らしをコンセプトに芸術性の高い商品を数多く生産し続けている今でも現存する会社で設立は1879年になります。非常に貴重なコレクションアイテムとしてキャビネットをより一層、美しくそして華やかにしてくれるお品でございます。
ローゼンタールについての詳細はこちらからご覧ください。
Royal Crown Derby(ロイヤルクラウンダービー)
1745年、イギリスのダービーで、 アンドリュー・プランシェ、ウィリアム・デューズベリー、そして ジョン・ヒースによって設立されました。
プランシェはマイセンの地元でもあるサクソニーからの移民でした。ウィリアム・デューズベリーとジョン・ヒースとの合併から、Derbyの伝統が始まりました。
デューズベリーは原動力として邁進しました。当時のトップアーティスト達と仕事をし、チェルシーの有名な工場を手に入れました。
1784年、ロンドン・ワークスの計画が廃止になり、沢山の人員と機材がダービーに移ってきました。1773年、キング・ジョージより、陶器にRoyal Crownを使用する認可をもらいます。
1890年には、クイーン・ビクトリアが、献上品として認可し、君主たちは支援を続けています。
この企業は、かなり早い段階から存在した陶器のパイオニア企業で、陶磁器の誕生の50年以上も前から始まっています。
彼らは新しい素材を嬉々として発表し、彼らの伊万里柄は、世界的にもアンティーク陶磁器のクラシックの一つです。
市場の合併が相次いだ後の1960年代、Royal Crown DerbyはRoyal Doultonの傘下となりました、しかしながら、2000年、ヒュー・ギブソンを中心とした人々が、Royal Crown Derbyを今一度、繁栄した独立メーカーとして再構築しようと買い戻しました。
彼らのオーダーブックは非常に充実しています。彼らの元にあるかぎりメーカーは存続していくでしょう。
Royal Doulton(ロイヤル・ドルトン)
ロイヤルドルトン・テーブルウェアは、1815年にロンドンのフルハムでジョン・ドルトンとジョン・ワットによって設立されました。
その歴史を通して、彼らは技術的なイノヴェーションと、それに付随した製品と、どちらの面でも多くの賞を獲得しました。
1950年代に、彼らはテーブルウェアに取り組み、1966年のクイーンズ・イノヴェーション・アワードを獲得しました。
Royal Doultonについての詳細はこちらの記事で解説しています。
スポード(Spode)
1761年、イギリスのスタフォードシャーでジョシア・スポードによって設立されました。
その後の息子であるジョシア・スポード二世が、1799年に陶磁器を開発するという最高の光栄にたどり着きました。
アンティーク陶磁器とはこの日以降の物です。
すなわち、これより以前に作られたアンティーク陶磁器は存在しません。
要するに、陶磁器を生み出したのはスポード社なのです。
初期のSpodeの陶器は、繊細なクリーム色の土器である、クリームウェアと呼ばれていて、アンティーク陶磁器とは全く違う物でした。
そして、その後パールウェアへと進みます。
高品質の白い光沢のある土器で、しばしば青の転写プリントが施されます。
Spodeの作品はその時代の他のメーカーの物とは違うもので、非の打ち所がないと言われていました。
貫入がなく、色がはがれず金箔の輝きも持ちました。
Spodeは疑いようもなく、19世紀のストークで、陶器工場の最高地点にありました。
1883年に、企業はCopeland & Garrett(コープランド&ガレット)となりました。
Spodeの成功が進んだ陰には、ウィリアム・テイラー・コープランド(1797~1868)の存在がありました。
彼はSpode Potteryのビジネスパートナーの地位を父(同じくWilliam Copeland)から譲り受けました。
コープランド(Copeland)
エネルギッシュな彼は、起業家、国会議員、慈善家、そしてロンドン市長でもありました。
1886年、彼は王位継承者であったウェールズの王子への陶器商品として任命されました。
彼はスポードファミリーの所有権を買い取り、最終的には、Spode Chinaの名の付くもの全てのオーナーとなりました。
今日、Spode自体は、Royal Worcester(ロイヤル・ウースター)と肩を並べるほどの知名度であり、共に高品質の陶磁器界では、巨大グループWedgwoodの唯一のライバルです。
スポードについてもっと詳しく知りたい方はこちらから
Tuscan(トスカナ)
トスカナ・テーブルウェアは、イギリスのスタフォードシャーで、1878年、R.H.プラントによって設立されました。
1950年代、陶磁器のシェアを広げたかったスージー・クーパーとの合併で、トスカナは卓越した存在として有名になりました。
後にウェッジウッド社に買収されてしまうのですが、スージー・クーパー、ウェッジウッドから買収を打診されるほど素晴らしい技術を持っていたブランドなのです。
ウェッジウッド(Wedgwood)
創始者ジョサイア・ウェッジウッドによる数千回の実験と研究の末、1775年に誕生したストーンウェアになります。
ウェッジウッドの中でも、特に有名なモデルは水色の下地に白のレリーフ装飾を施したウェッジウッドジャスパーではないでしょうか。
しかし、ウェッジウッドにはその他にも素敵な作品をたくさん残しています。
高級ラインでは、トンキンルビーという華やかで金彩の花模様が美しい作品があります。
ストーンウェアの代表的なブランドではありますが、実は様々なモデルを出してるんですよ。
グラフトン(Royal Grafton)
Grafton、もしくはRayal Graftonは、アンティーク陶磁器メーカーの商標です。
他で詳しく記述がありますので参考になさってください。
Lenox Tableware(レノックス・テーブルウェア)
LENOX(レノックス)社は、アメリカで1889年に創業された老舗陶器ブランドで、アメリカ大統領官邸「ホワイト・ハウス」の公式晩餐会でも使用されているメーカーとして有名です。
柔らかな象牙色の質感を活かした上品な仕上がりが美しく、世界中のセレブにも愛用されております。