アンティークシャンデリアの歴史をもっと深く知って、楽しく生活に取り入れよう!
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シャンデリアが放つ贅沢な輝きに憧れる
サンクトペテルブルクのロシア美術館を訪れた時、館内に展示してある絵画はもちろんですがそれ以上に私の心を動かしたものはその美術館そのものでした。アールデコ様式の優美な建物と内装を実際に目にしてみると、優雅で豪華な気分を彷彿させまるで、自分がヨーロッパの当時の宮殿にいるような錯覚さえも感じさせるほどの魅力的な美術館です。
特に、高い天井から美しい輝きを放つ豪華なシャンデリアに外壁の絵画と装飾建築はヨーロッパのロココ調様式と新古典主義主義が織り交ざっているようで、私が一番心を惹かれたものでした。

・ロシア美術館
シャンデリアから放たれる暖色の煌びやかな光は心が癒され贅沢な気分を味わえます。
この美術館を訪れてたのをきっかけに、私は自宅のインテリアを意識するようになりました。
もちろん、ロシア美術館を再現するというのではなく、癒されて贅沢な気分を味わえるお部屋を
理想から現実に変えたかったのです。
ある日、友人のお宅にお邪魔したとき、あの時のロシア美術館で感じたような優雅さと癒しを感じるリビングに通され気づいたのです。
照明はシャンデリアそのたった一つだけでの違う雰囲気になるということに。
他を見渡しても、インテリアはさほど自分の家と変わらない。
ただ一つの違いは「照明」だけです。
シャンデリアから放たれる暖色の光は蛍光灯のシーリングライトとは全く違い、部屋にある全てのものを輝かせ演出せてくれる光なのです。
私もあの贅沢な癒しの光を求めシャンデリアをお部屋につけることにしました。
今は部屋の雰囲気が理想から現実のものとなり、あの憧れの暖色の輝きを放つ光の中、
贅沢な癒し効果で心が満たされたワンランク上の生活スタイルを楽しんでします。

そこで今回は、シャンデリアをお部屋につけるにあたり、学んだこと、知ったこと。
そして失敗談などを加えて色々とご紹介していきたいと思います。
シャンデリアの歴史とその価値
やみくもにシャンデリアをというわけではなく、やはりその歴史を知っておくと
もっとシャンデリアの魅力に触れることができます。
シャンデリアが登場したのは、紀元前ギリシャ、ローマ時代と言われています。
当時、光源としてロウソクは高価だったため、宮殿や寺院など特別な場所で
使用されていました。
このような建物は石造りで天井が高い事が特徴的だったため、あたりを灯すためにたくさんの
ロウソクの明かりが必要だったため、天井から吊るされた多数の灯りを使用していました。
これが、シャンデリアという照明器の始まりです。
また、中世ヨーロッパでは教会など多くの教徒の集う場所において人々に平等な光を
灯すという教えからシャンデリアは欠かせない照明具となっていたようです。
ですから、シャンデリアの語源はロウソク立てを意味するフランス語のシャンドリエ、
とローマ時代からあるイタリア語のカンデリアが語源という2つの説があります。
どちらか気になるところですね。
そして、シャンデリアは富裕層向けの照明器具としてヨーロッパのデザイン様式の流れに
柔軟に対応したデザインが変わっていくのです。
シャンデリアの形状はロマネスク風、ルネッサンス風、コロニアル風、ルイ16世風
など、時代背景により形状や様式の違いがあります。
・ロマネスク風
王冠のようなイメージを持つ形状で輪のような形シャンデリア。
・ルネッサンス風
アーム(5個以上)があり、そのアームにも彫飾が施された豪華な装飾の品
・コロニアル風(古典主義様式の流行)
アームがありますが、アームなどには装飾があまりされていないシンプルな品
・ルイ16世風(アールデコ様式の流行)
私達がシャンデリアというと思い浮かべるのがこのタイプの品です。
装飾のクリスタルなどのアクセサリーが施されているもの。
大きく分けてシャンデリアの形状はこの流れになっています。
上記の画像のシャンデリアは、ルイ15世時代風のロココ様式に当てはまります。
しかし、シャンデリアは時代が流れていても一般家庭にはつけられることは
ありませんでした。
確かに、シャンデリアのある家はお金持ちのイメージがありますよね。
実際に、日本でも消費税が導入される前には、宝石・毛皮・ゴルフクラブ・車・洋酒など一般的に
贅沢品といわれる高級品は課税対象として物品税という税金がかかりました。
シャンデリアもランプが5灯以上ついている品は課税対象だったのです。
ですから、一般家庭でもインテリア感覚でシャンデリアをつけるのようになったのはこの数十年と
いったところでしょうか。
まして、日本ではもっと現代になったからではないでしょうか。
シャンデリアの形とつける部屋と天井の高さ

・ロココ調 シャンデリア アクセサリークリスタル ロウソク電球
ロウソクが立つようにシェードが受け皿のようになっているアンティークシャンデリア
は数多くあります。この形はロウソクの灯を照明としたいた頃の名残かもしれませんが、
上向きに放たれる光は天井に幻想的な影と灯りの演出効果があります。
そして、ロウソクの炎のような形をしたシャンデリア型電球があります。
(高級ホテルやレストランの照明で見かけたりしたことはないでしょうか)
実は、その電球ですが、シャンデリア用ロウソク型LED電球があるのです。
LED照明は通常光を放つ範囲が狭いのですが、シャンデリア用ロウソク型LED電球は
光の広がり方が360度と一般の白熱電球と変わらないのです。
このタイプのシャンデリアならリビングに問題なくつけることが可能です。
高級感もます贅沢なリビングに変わりますね。


上記の2枚の画像の違いっておわかりでしょうか。
シェードが上向きか下向きのただそれだけの違いです。
お好みで選んでくださいと比較するために載せたわけではありません。
日本の住宅の部屋の天井高の基準をご存じでしょうか。
天井高とは床面から天井面の高さ、いわゆる室内で使える高さのことです。
それが、210cm以上と決まっているんです。
さて、この210cmが快適なお部屋空間と言えるかどうかですが、答えはNOです。
圧迫感があり、人によっては息苦しさを感じる高さなんです。
でも、実は昭和60年代はこの天井高の住宅が増えたという事実もあります。
そして現在つくられている一般的な住宅は240cm以上が大半を占めているようです。
最近では260cmを超える天井高のマンションも登場しています。
また吹き抜け500cm(2階建てメゾネットの高さ)なんて天井高もありますね。
では、天井高210cmのお部屋には上記2枚のうちどちらのタイプをつけますか。
有面積にもよりますがまずは両方ともお勧めできません。
では、240cmのお部屋でしたらどうでしょうか。
私でしたら、下の画像の方をお勧めします。
260cm以上でしたら上の画像のタイプでもいいと思います。
私の失敗談なんですが、シャンデリアをつけると意外と暑いんです。
そして、アームが多い分電球も多くなるわけですから、そこから光と共に熱を放出するんです。
20畳のリビングに2つけようと購入の結果、一つだけ小さい方に取り換えてもらったのです。

我が家にはこのタイプの方がジャストでした。天井高は260cmです。

天井高が210cmでしたら、こちらのタイプがいいですね。
そして、リビングにシーリング(照明を取り付ける差し込み)が2つ以上ある場合は同じタイプの
シャンデリアをつけるのではなく、違う形状の品を選ぶといいです。
そうすることで、一つのリビングに空間が二つ生まれるんです。
いわば、パーテンションのような役割になるんです。
ダイニングテーブルがある上にシーリングがあるのであれば、そこは人が通らないわけですから
長い吊り下げタイプの照明をつけます。
すると、暖色系のスポットライトを浴びることで食卓をより華やかにすることができるんです。
この、リビングのスイッチの入れ替えで、リビング全体の空間やシルエットが全く違うので
ぜひ、お試しいただきたいです。
ダイニングだけの照明、くつろぎ空間だけの照明、そして両方の照明
どれも、美しい暖色系の癒しの贅沢空間が浮かび上がります。

そして、寝室にもシャンデリア一つつけるだけで、高級リゾートホテルのような優雅な安らぎ
空間を作り出すことができます。
ここで一つポイントなのが、床面積からシャンデリアに手が軽く届くぐらいの高さにした方が
いいですね。 心理学上、人は天井が高い部屋での睡眠は落ち着かなく不安になり良い睡眠がとれ
ないそうです。
ですから、中世ヨーロッパでは天蓋付きのベットが使用されたのです。
天蓋付きのベットはお姫さまのよう可愛らしいイメージがありますが、実はそんな理由で使用され
ていたのです。
ですから、大げさに言うと天井を低く感じさせるようなシャンデリアがいいですね。

ベットの上から手が届く高さでもOK

天井から約100cm
この天井との高さのバランスを知っておくとリビング・ダイニング・寝室のシャンデリア一つで
ワンランクUPの生活スタイルが出来上がるのです。
また、20世紀に制作されたアンティークシャンデリアは上流階級の富裕層に大変人気があり
かなりの装飾技術があり芸術性も兼ね備えられています。
この時代は、工芸家の中でも非常に優れていたエミールガレの元でガラス製作の技術を学んだ
ミューラー兄弟の作品などの名品が多いです。
そんな、本物のアールデコ様式の高級アンティークに触れてみるのもいいかもしれませんね。
アンティークシャンデリアは、宝石・毛皮と同じように高級贅沢品として分類されていたわけ
ですから、芸術性のあるお部屋の高級装飾品なんです。
アンティークシャンデリアの取り付け・取り扱いについて
アンティークシャンデリアや輸入品のシャンデリアはシーリングの取り付けが難しい場合が
ありますし、アンティーク品は特に重いです。
我が家の取り付けにも業者の方数名で取り付けをしていただきました。
天井が高いお部屋はもちろんですが、リビング等の照明つけも専門の業者に依頼した方
がいいですね。
その際に、電球の種類やワット数のことなど色々と質問を投げかけてみるのもいいですね。
私は、シャンデリアってこんなに暑いのか。ワット数を小さくすると生活しづらいかしら。
電球の交換の際の注意事項を聞き、更に、こういうアンティークのシャンデリアを取り付ける方は
もっと大きいお宅なんですか。などなど興味のあることは全て聞いてみました。
気になることは何でも聞いてみましょう。
最近は賃貸マンションでも、管理会社に問い合わせて照明の工事を快諾してくれるとこも多く
女性の方で若い一人暮らしのワンルームの方でもシャンデリアをつける方も多いといっていました。
工事作業時間はシャンデリアの大きさ、工事の時間そして、吊るす長さの微調整なども含めて2~
3時間はかかりますので自分の納得いく微調整と質問をしてみてくださいね。
シャンデリアをお部屋につけることによって、自分だけの贅沢で安らぎのある
ワンランク上の生活スタイルになります。
あなたもその何気ない日常に贅沢を取り入れてみませんか。
きっと、今まで感じたことのない満足感が得られます。
シャンデリア---長い歴史を手短に紹介
シャンデリアは、長い間存在し続けている照明デザインのひとつです。
しかしその歴史は、皆さんが考えておられるよりも ずっと前にさかのぼります。
数世紀に渡りシャンデリアは、新しいデザインを取り入れ、世界中に広がり、進化し続けました。
ろうそくから電球に代わってもなお、その照明の重要な主軸的考えは残っています。
シャンデリアの歴史を見ていくと大変幅広いことが分かります。
語り尽くすことはできませんが、 ここではあらゆる時代をつまみ出し、人々がそれぞれの時代でどの様に明かりを照らしたのかをご紹介いたします。
先史時代と初期文明
シャンデリアの基本的な構造部分は、実は先史時代から初期文明のころに出現しました。
なんと紀元前17,000年です!
三つのセパレートタイプの油とグリースのランプの実例があります。
フランスのラスコー遺跡の壁には、洞穴に住んでいた人間が壁画を描くときの明かりを掛けるのに使った穴があります。
そして考古学者達は洞窟の床に埋まったランプを発見しました。
その内側には数千年経った今でも、まだセイヨウスギのすすが付いていました。
そのランプの写真がこちら↓

古代シュメール人とエジプト人の職人達は成型キャンドルと雪花石こうのランプと色付きガラスを作りました。
エジプトのオイルランプには芯の穴がありましたので、洞窟の人々とは違った方法で明かりをとっていた事が分かります。
オイルランプはこの時代、エジプト、ギリシア、ローマで大量生産されました。
実のところ、これらのランプは 型や、雪花石こう・石・金・ブロンズ・テラコッタといった材料を使って 当時初めて大量生産された製品でした。
ローマン・ランプはその装飾的な特性でよく知られています。
6世紀からのビザンチン帝国のポリキャンデロンはシャンデリアの一番の先駆けです。
シャンデリアは6世紀には既に使われていましたが、それらには沢山の問題点がありました。
ぽたぽたと雫が垂れ、煙も出ました。
芯は切りそろえられる必要があり、シャンデリアは滑車装置を使ってひっ張り下げてメンテナンスしなけらばなりませんでした。
(芯のメンテナンスが不要なろうそくは19世紀まで導入されませんでした。)
シャンデリアが飾られた部屋には煙の排気の為の穴が開けられていることが良くありました。
また、落ちてくる雫を避けるために 人々はシャンデリアのすぐ下には長居しないようにしました。
また、ろうそくは高価で希少でしたので、日中は大切に隠していました。
ろうそくに火を灯すことは富を見せびらかす為の方法だったのです。
「あなたはろうそくに火を付けられるほど、リッチなのね!」って。
8世紀のムーア人のつり下げランプは、また別の種類の初期シャンデリアでした。
デザインに幾何学と対称を取り入れることを高く評価し、いかなる生物の描写を禁止するイスラム様式に活気を与えました。
1世紀後、ヨーロッパに円状の鉄製冠が出現しました。
中世とルネッサンス
ディナンは現在のベルギーにあたりますが、11世紀から15世紀は真鍮製品でよく知られる場所でした。
ディナン様式は宗教的な象や花やゴシックを取り入れた特徴があります。
しかし、シャルル(ブルゴーニュ公)がディナンを焼いてしまったために、金属工はヨーローッパのあちこちに散らばってしまいました。 そして、彼らの技術と様式は大陸中に広がりました。
(安心してください、ディナンは後に再建されましたよ。)
程なくしてイタリアでは、1224年ヴェネチアのガラス職人がギルドと呼ばれる協会を作り、作品を作りました。
13世紀には火事の危険を避けるために火炉をムラノ島に移しました。
それによって、ギルドは職人の秘密の技を守り生き抜けたのです。
彼らの周りの人々が迫害され殺されましたが、職人たちは価値の高い作品を作るので、その様なことはありませんでした。
最初にシャンデリアに注目して描かれた絵画はヤン・ファン・エイクの”ジョバンニ・アルノルフィーニ夫妻像”(1434)です。
右の部分に華美なシャンデリアが描かれていますね。

他の様式では、現在も使われているダッチブラスのボール状柱が描かれている作品で、レンブラントの弟子であるヘラルト・ドウによる”病気の女”(1663)があります。
イングランドは大量のダッチブラスを輸入していましたが、イギリス人の職人たちは真鍮のボール状柱を作れるようになり、後にクリスタルを組み入れました。
古典的なダッチシャンデリア様式は度々協会で使われており、現在でも見ることができます。
照明、シャンデリアにクリスタルの採用
最初の水晶シャンデリアは17世紀に出現しました。
水晶は地球そのものと同じくらい古く、何百年もの間地質学的イベントにより出来たもので、ひとつひとつが個性を持っています。
すぐに、フランスのガラスメーカーが成形ガラスの粒で 水晶に似せたものを作ろうとしました。
1676年、イギリス人のジョージ・レイブンスクロフトがクリスタル用の新しい種類のガラスの特許権を取りました。
酸化鉛を多く含んだ、フリントガラスです。
酸化鉛はガラスをより透明に、切削しやすく、また色鮮やかにします。
色をよく取り入れるので、人々は黄色いガラスを作るためにウランを使おうとするほど、色彩豊かなガラスを作ろうと試みました。
同じころ、ヴェネチアガラスの熟練工は成形ガラスの花や葉をシャンデリアに加えました。
また、ガラス製のアームの付いた約2.4メートルもあるシャンデリアを作成しました。
ボヘミア(現在のチェコ共和国)では、ガラスメーカーはフランスやイギリスで人気のあった様式をまねて、ガラス製シャンデリアを作り始めました。
しかし、デザインには豊富にあった木材を取り入れました。
ボヘミアは1870年にアドルフ・ショーンベックがガラス製シャンデリアの製造会社を立ち上げた場所です。