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バカラのペーパーウェイト
日用品の一つであったガラス製のペーパーウェイト(重し)が魅力的なアート作品としての革新が行われたのが19世紀半ばのフランスでの事でした。
イタリア、ムラーノ島の職人達によるガラス細工作品などにより感化されたのをきっかけに、フランスのガラス製造メーカーは独自に技術革新を目指したのが1840年代初期での事です。
彼らの実験的な作品の中には、複雑なデザインをガラス球体の中に閉じ込めるといったものがあり、それらが爆発的な支持を得て、1840年代後期には人気の商品となったのです。
現代においてもそれらの作品群は優れた骨董品として、コレクター達に愛され続けているのです。

バカラのペーパーウェイトの発足
1764年にフランス・ロレーヌ地方のバカラ村にてガラス製像メーカーとしてのバカラは発足しました。
1822年になる頃には、見事にフランスにおける大手のガラス製造メーカーへと成長を遂げ、 そんな中、ルイ18世が後援者としてバックアップしたことにより、グラスアートが注目され始めたのです。
それにより、バカラの名は高貴なブランドとして確立したのです。
かねてよりその技術力の高さは折り紙つきで、エッチング、エングレービング、 カッティングなど多岐にわたってその加工技法を高いレベルを誇っておりました。
バカラのオーナーであるガブリエル・D’・アルティーグは著名なグラスアーティストでした。
彼の指導のもと、バカラは照明器具、インク入れなどあらゆる商品を展開し、 ペーパーウェイトはその中の一つだったのです。
その中でもペーパーウェイトはバカラの商品群の中でも 特別に人気を得ており、今でもペーパーウェイトの中でも評価が高いものの多くはバカラ製のものです。
また、バカラの名を知らしめたのはクリスタルのペーパーウェイトにて使われたミルフィオリという手法でした。

バカラペーパーウェイトのミルフィオリ
ミルフィオリとはイタリア語で「千の花」という意味です。
ミルフィオリ自体の着想は古代よりローマの時代からあるビーズのモザイクアートから得たものでした。
小さなデザインをガラスで再現し、クリスタルの球体の中に閉じ込める。
バカラこの技法を1846年には完成させ、花、フルーツ、動物などをペーパーウェイトの中に表現してきました。



デザインには花の形や星の形に加え、動物や人などのシルエットといったものも展開されました。
また、矢印などもよくデザインの一つとして使われていました。
バカラはそれらのパターンに様々な色を巧みに組み合わせ、アートとして、芸術作品として昇華させてきたのです。
それぞれの特徴的なデザインはバカラ製たらしめる「アイコン」となり、コレクターたちはそれら一つ一つのデザインへの拘りに魅了されてきたのです。
しかしながら、19世紀後期にはバカラはその生産の数をどんどん減らしていったのです。
1953年には復活されたのですが、その時点ですでにニッチなコレクターアイテムとされていました。
多くのフランス製ペーパーウェイトに見られるように、同じ中心から弧を描くようにデザインが編み込まれたものが多いです。
また、球体のものもあれば多面体のものもありました。
バカラペーパーウェイトのさまざまな種類
バカラのペーパーウェイトは、下記の3サイズで展開されてきました。
・マグナムサイズ(4"=10.16cm)
・レギュラーサイズ(3"=7.62cm)
・ミニチュアサイズ(5"=5.08cm)
レギュラーサイズは非常に希少で、それと対照的にミニチュアサイズは多く生産されました。
中心となるデザインは植物から動物から人間まで多岐に渡ります。
また、多種多様な色をオパールのグラスに取り入れる手法は早くて1810年から使われ、それは1860年代まで続いていました。
グラスの色は黄緑、青、ふじ色、黄色、青緑、すみれ色、ピンク、黒などが使われていました。
オーバーレイのペーパーウェイトは1870年代頃から作られ始めました。オーバーレイとは色のついたガラスやそれを重ね合ったものを使ったデザインです。
主に使われた色は赤、青、緑でした。

3つに分けられた年代
ここまでがバカラのペーパーウェイトの歴史でしたが、いかがでしたでしょうか?
では、なぜこれらのペーパーウェイトが魅力的なのか、そしてなぜ今もコレクターアイテムとして収集家たちに人気なのかに迫りましょう。
まず、コレクターたちはバカラのペーパーウェイトの作品群を年代ごとに分けています。
クラシック時代(1845-1860年)、デュポン時代(1900-1934年)、そして現代(1953-現在)。
そして、コレクター達に高く評価されているのは最初の二つの時代のものです。
バカラペーパーウェイトの人気の作品
最も著名なバカラのペーパーウェイトはおそらく、1853年製の「レグリース・バカラ」でしょう。
レグリーストはイタリア語で教会という意味です。
このペーパーウェイトはバカラ村の協会の創設を記念したものでした。
この協会は第二次世界大戦中に爆弾の被害を受けましたが、このペーパーウェイトだけが奇跡的に残っていたのです。
花のデザインをしたケーン(ガラスの杖を横に切ったもの)が底に詰め込まれたデザインをしています。
次に有名なペーパーウェイトは、1848年製のミニチュアサイズのものです。
ケーンには花と星型などがあり、また、製造日が記されたケーンも使われています。
動物シルエットのケーンは、犬、ペリカン、鹿、鶏の形をしたものなどがあります。
クラシック時代のペーパーウェイトにおいて、複数の色を組み合わせたミレフィオリの作品は一般的に「バカラ・マセドーネ」と呼ばれています。
これらが特徴的なのは、不透明白ガラスのパーツをキルトのようなパターンで配置されており、
パーツ同士がお互いに直角に配置されていることです。1880年頃からのシリーズは「バカラ・ロック・ペーパーウェイト」と呼ばれています。
このペーパーウェイトには緑色のガラス粒子とで雲母を再現し、また、ベースには砂などが再現されていました。
中心にはトカゲ、花や、石などをモチーフにしたデザインなどが使われています。
デュポン時代の1900年ごろからの作品「バカラ・パンシー」には、花、葉、そして茎のデザインと底には星のデザインが施されています。
花には3つの花びらの上に2つのベルベットの花びら、という構成で花びらは白い中心を持つ琥珀色で、先端は紫色です。中央は渦を巻いた赤でできてきます。
そして、1971-79年の間に限定生産で発売された「ガードルシリーズ」、そのうちの第1弾が鶏、第2弾がリスでした。
中心となるシルエットデザインを囲うように小さいサイズの動物シルエットのケーンが18つ、というデザインです。
これらはそれぞれ1,200個の限定生産でした。シリーズの他のバージョンでは小さな動物シルエットが17つのものがあり、
それらは生産数350以下の限定版であり、非常にレアなものとなっています。
2010年、クリスティーズのオークションでは、クラシック時代の「バカラ・グラスガーランド、バタフライ」が$5,625の値段で買い取られました。
ロットの説明には、蝶は半透明の紫色の胴体、黒の触角と頭、ペールブルーの目と多色のマーブルのついた翼で、周りにはミルフィオーレの花輪、背景にはモスリン生地が使われ 、底は星型とありました。
同じくクラシック時代の「サウザンド・パルテッド・ローズ」は$3,000(日本円価格で34万円程度)の値段で買い取られました。
それは複雑に組み込まれた赤の花びらを持つローズが緑色の茎から咲いている、といったデザインです。
また、バカラの「マッシュルーム」は$5250の値段がつけられました。
クリスティーズのロットの説明では製造年を表す『B 1848』と書かれたケーン、馬、鹿、犬、キジ、リス、ペリカン、花、白鳥、ヤギのシルエットを含むケーン、不透明白ガラスで出来た細長い管、コバルトブルーの糸、マーキュリーの帯で出来た房で出来たキノコに、底は星型となったデザインとありました。
バカラのペーパーウェイト最後に
クラシック時代のバカラのペーパーウェイトの価値は様々です。そのデザインの完成度、生産数、そして商品の状態によります。
気泡などが少なく仕上がりが完璧で、傷一つない完全な状態であれば$5000以上の値段がつけられます。
もし、それらが1847-1850年のものであればどのような状態であれ、$3000から$4000の値段はくだらないでしょう。

クラシック時代の作品が熱心なコレクターたちの中で特別視されているのには理由があります。
これらのペーパーウェイトは実利的な日用品から、この時から”アーティファクト”となり、芸術作品となったのです。
そこには審美的な価値が付加され、彼らにとって”机の上にはなくてはならないもの”とまで言わしめるものとさせたのです。
バカラがこれらの精巧で、独特なハンドメイドのペーパーウェイトを魅力的なアーティファクトたらしめた功績は素晴らしいことこの上ないでしょう。