イタリアのヴェネチアの魅力をバルの歴史と共に解説 素敵なベネチアングラスもご紹介
イタリアのヴェネチアってどんなとこ?映画でひもとくヴェネチアの魅力
世界中から年間2000万人以上の観光客が水の都ヴェネチアを訪れます。
ロマネスク、ゴシック、ルネッサンスと様々な様式が取り入れられた 荘厳なサン・マルコ寺院、細い水路を見事な技術で通り抜けるゴンドラ、鮮やかな色が混ざり合ったヴェネチアグラス、謝肉祭、と魅力に事欠かないのがこの街です。
こんな素敵な街を舞台に製作された映画が多数あるのも不思議ではありません。
ヴェネチアの歴史と街の魅力を映画と絡めながらひもといてみようと思います。
なぜ、イタリア人はコーヒーを愛するのか?
イタリアといえば、’’バール’’ですね。
イタリアほどバールが充実している国は他にはないのではないでしょうか。
(バール=カフェのこと)
午前中のひと休みに同僚と立ち飲みするエスプレッソ、子供を学校に送った後の
ママ友とのおしゃべりに、昼食の後に一杯・・・
1ユーロで元気にしてくれるイタリア人には欠かせない飲み物を提供してくれる場所。
それが、バールです。
イタリアにコーヒーが広まったのは、ここヴェネチアが東洋との貿易の玄関口として栄え、アラビア人との取引関係があったことによります。
ヴェネチアの商人がいなかったら、イタリア人は今頃、どんな飲み物を習慣的に口にしていたのでしょう。
1600年代終わりには、サン・マルコ広場に最初のコーヒー店がオープンしました。
1700年代に入ると次々と魅力的なバールが開業しました。
中でも有名なのが、1720年に開業したフローリアン。
貴族、政治家、教養人、ドンジョバンニ(女たらし)、著名な人ではジャコモ・カザノバ、ガブリエーレ・ダヌンツイオなどが足蹴なく通ったそうです。
何回かの修復を経てはいるものの、当時の建築様式を残した魅力あるバールは、今や街のシンボル。
サンマルコ広場にあるこのカフェは、数あるヴェネチア老舗バールの第一号店。
1800年代の内装を保持しているサロンでは、展覧会を開催したり、
著名人の集まりの場所であったり文化の発祥の場であり、
ヴェネチアビエンナーレの発案場所ともなったバールです。
こんな場所で、ゆっくりカップチーノを頂くのはどうでしょうか?
グランカフェクアードリは、1775年に開業。
スタンダール、英国詩人バイロン卿、フランスの小説家アレクサンドル・デユマなどが通った場所。
ヴェネチア国際映画祭に招待される俳優や映画監督もこのカフェで寛ぐすそうです。
ウッデイ・アレンもその1人とか。
1931年に開業したのが、ハーリーズ・バー。
このカフェの名前は20年代にヴェネチアに来たアメリカ人学生
ハーリー・ピケリングに由来します。
アルコール依存症であったハーリーに国へ帰るために多額のお金を貸したジュゼッペ・チプリアーニは、2年後思いも寄らずハーリーに貸した金額の4倍もの代金を’’何か商売ができるように’’と願い返金してもらったのが、このカフェの始まりです。
ヘミングウエイの他にも、皆さん良くご存知のチャーリー・チャップリンも
ここの常連客だったそうです。
チプリアーニが1948年に考案した、今や世界国際バーテンダー協会の公式カクテルに指定されたベッリーニが有名。
ヴェネチア画家のジョバンニ・ベッリーニの描いた聖人がまとっているトーガ(古代ローマ市民が外出時に着用した緩やかな外衣)の色に着想し、
画家の名前に因んでこのカクテルを’’ベッリーニ’’と命名したと言う説があります。
ヴェローナ産の甘い白桃と発砲白ワイン、プロセッコの爽やかさが混じりあった薄桃色のカクテルは、散策で疲れた身体を癒してくれそうです。
2001年には、文化遺産省の国家遺産に登録されたこのバールのドキュメンタリー映画’’ハーリーズ・バー’’が2015年公開されました。
LE ZATTERE, LA CALCINA, LA PISCINA、IL LON'S BARなど素敵な老舗カフェはまだまだありますが、
ここら辺で次なる魅力的な場所を紹介したいと思います。
ヴェネチアで海水浴を楽しめる
ヴェネチアのラグーナ(潟)とアドリア海の間に12kmに亘る細長いリド島には、ヴァポレットと呼ばれる水上バスで渡ることができます。
ここでは、車両が通行できるし、小さいながら飛行場もあります。海岸線には1700年代に築かれた堤防が続き、
世界で最も古いとされている1638年開業のカジノ、ヴェネチア・ビエンナーレ、国際映画祭の開催地があります。
ヴァポレットステーションを出たら、サンタ・マリア・エリザベット通りをまっすぐ行くと15分ぐらいでビーチに着きます。
この通りには、可愛いらしいカフェやレストラン、ホテルなどが立ち並びリゾート気分を満喫できるのではないでしょうか。
さて、ビーチはといいますと、広々とした砂浜と穏やかな海が永遠と続きます。
サン・ニコロとアルベローニの2つの堰のお陰で、子供も安心して水遊びを楽しむことができます。
シーズン中は、老若男女を問わず日焼けを競うように肌を太陽に晒して楽しんでいるヨーロッパ人。
’’そこまでしなくても・・・’’という我々日本人は、貝を拾ったり、永遠と続く海岸を歩いてみたり、
夕暮れ時を海を眺めながら過ごすのも最高だと思いませんか。
この海岸は、ルキノ・ビスコンテイ監督の映画「ヴェニスに死す」の舞台にもなった場所でもあります。
ドイツの小説家トーマス・マンの同名小説を映画化したものです。
主人公の老作曲家が船で出会ったポーランド貴族の少年に魅了されてしまい、流行っていた疫病に感染したにも拘らず、ヴェネチアを離れようとしませんでした。
最後には、息も絶え絶え海辺のデッキチェアーに横たえ、きらきら光る海に入っていく少年を見つめながら死んでゆくなんとも切ないラストです。
季節はずれの映画のシーンとは反対に、夏のリドには世界中からセレブがバカンスを楽しみにやってきます。
リド島を拠点にしてヴェネチアを楽しむのもいいかもしれませんね。
ムラーノ島のガラス職人を守っているのは○○○?
ヴェネチアを舞台にしたもう一つの映画、「旅情」、原題SUMMERTIMEでキャサリン・ヘップバーンの演じるジェーンが
美しい赤のヴェネチアングラスのコブレット(脚付きグラス)に魅せられるシーンがあります。
値の張る透明感のある赤に魅せられついつい衝動買いをしてしまいます。
ヴェネチアグラス製作は、ヴェネチア本島で10世紀ごろから始まりました。
その後、火災防止、ガラス製造技術流出防止のため1291年に全てのガラス工房をムラーノ島に移しました。
職人、家族、全ての関係者が島に強制移住させられ、許可なくヴェネチアから出ることも許されなかったのです。
しかし、どこにでも脱出者はいるものです。彼らの技術は何処へ行っても高く評価され、中には貴族の娘との結婚にこぎつける者もいたそうです。
そんなガラス職人の守護聖人は、聖ニコラス、そう、あのサンタクロースです。
ニコラスは工房の火災から3人の青年を救ったとされており、12月6日に子供にプレゼントを贈りこの聖人を祝うようになりました。
クリスマスの起源とされるエピソードは他にもありますが、これはイタリアバージョンですね。
ちなみに今でもムラーノ島ではこの日にサン・ドナ教会でミサが行われます。
中世からルネッサンス期には、ガラス製品はヨーロッパの王族、貴族、上流階級に属する人々に大変好まれました。
例えば、ヴェルサイユ宮殿の鏡の間は、ムラーノ職人ジェローラモ・バルビンによって手掛けられました。
またマリー・アントワネットの姉カロリーナの嫁ぎ先であるナポリ王ブルボン家の王宮REGGIA DI CASERTAは、
王カルロがベルサイユ宮殿に匹敵するように建造させたもので、豪華絢爛たる室内にはヴェネチアグラスのシャンデリアで飾られた部屋が何室かあります。
イタリアのヴェネチア製ベネチアングラス(ムラノガラス)の魅力
ヴェネチアグラスの魅力は3万色ともいわれている色彩の豊かさにあります。
様々な色を自由に組み合わせ、色が混ざることなく発色され実に美しいです。
炉から溶けたガラス種を巻き取り、冷えて固まらないうちにハサミやピンサーなどで引っ張り形を作っていきます。
職人の個性、人間性などが反映され世界に唯一つの作品が生み出されていきます。
FIOLEと呼ばれる丸く膨らんだ容器部分と長い首からなる吹きガラスの花瓶は、
王族、貴族らの宮殿や館で何世紀もの間もてはやされた装飾品です。
最も複雑で時間を要する技法MURRINAは、金太郎飴のように模様が入ったガラス棒を使用します。
溶けたガラス棒を花形に整形し、整形したガラス棒の表面に別の色のガラスを巻き、
さらに花形に整形し…といった過程を繰り返しガラス棒を作りあげます。
それをさらに数ミリの厚さに切り グラスやペンダントヘッド、容器などを製作していきます。
ムラーノ島のガラス職人が百年前から親から子へと代々受け継いできた
素晴らしい技法のひとつです。
こんなに歴史のあるヴェネチアグラスですから、
家にひとつ飾って旅の思い出とするのもいいですね。
旅の思い出が悪い思い出にならないように、騙されないように気をつけたいのもイタリアです。
実際は50ユーロで払ったのに20ユーロで払ったおつりしかくれないなど、
特に現金払いには注意が必要です。
イタリアって元々の国民性がおしゃれなのでそんな国の職人さんが作った
ベネチアングラス(ムラノガラス)はどれもとっても美しいです。
ここでは少しだけですが家に1つ飾っておきたいインテリアや実際にファッションとしても
使えるアクセサリーをご紹介していきますね。
イタリア製のベネチアングラスのタンブラーになります。
ミルフィオリと言って千の華と言う意味があるんですよ。
こちらのタンブラーは高さが10cmあるので玄関に2つおいてそこに
お花を入れておくと主張しすぎず可愛らしいインテリアになります。
実際に使うのにはこちらのピアスが素敵です。
イタリアの洗練されたデザインが美しく24Kのゴールドが高級感を引き立ててくれています。
耳元に輝くピアスはそのシーズンに合わせて自分の好みを選ぶことが出来ますよね。
こちらは何なんだろうって思われた方もいるかもしれませんが
こちらはペーパーウェイトになります。
本来は紙が飛ばないようにするために使う置物なのですが
今となってはインテリア用やコレクション用としてお求めになる方が
ほとんどなんです。
確かにこれくらい綺麗なペーパーウェイトだったら飾りたくなりますね。
いかがでしたでしょうか。
イタリアが生んだベネチアングラスは伝統と歴史が受け継がれて来た
品質とデザイン性があるから世界中のみんなから愛されているんでしょうね。
あなたもヴェネチアに行かなくても、イタリアに行った気分に浸れる
ベネチアングラスを1つ持ってみたらいかがでしょうか。
きっと優雅な世界に連れて行ってくれると思いますよ。