デミタスカップの魅力とブランド紹介

デミタスカップとは
フランス語で「デミ」は「半分」、「タス」は「カップ」を意味します。
その名の通り、一般的なコーヒーカップの半分ほどを容量としたカップのことをデミタスカップと言います。
デミタスカップ=エスプレッソ用とは限りません。
デミタスは少量で濃い目のコーヒーを指し、その中にエスプレッソも、濃い目に入れたドリップコーヒーも含まれます。
イタリアやフランスでは、食後の口直し用や酔い覚ましとして、デミタスカップで飲むコーヒーが親しまれています。
また、デミタスカップを使ってトルココーヒー、ホットチョコレートを提供するレストランもあります。
他にもジャムや砂糖入れとして利用したり、ムースやゼリーなどのデザートカップとして活用されています。
インテリアとしても可愛いデミタスカップの魅力
こちらは私のコレクションになりますが、デミタスカップを複数飾るだけでも、可愛らしいインテリアになります。
作品が光るように、飾り棚をアレンジしてますので興味のある方は覗かれてみてください。
デミタスカップは小さくていくつも並べると可愛らしく、インテリアアイテムとしても人気があります。
コーヒー器具と一緒に並べて収納するだけでも、カップボードや壁面のオープンシェルフを彩ります。
デミタスカップのソーサーは直径12cmくらいのものが多く、デミタスカップ自体の直径は6cmくらいのものが多いです。
おしゃれな住宅で壁面にくぼみを造り、収納や飾り棚などとして使う“ニッチ”というスペースを設ける方がいます。
ニッチの奥行きはおよそ10cmくらいです。
デミタスカップをエアプランツなど観葉植物の鉢にしたり、ポプリ瓶として活用することも、サイズ的には可能です。
絵画やキャンドルと並べて、インテリア雑貨として生かすことができるのです。
デミタスカップの選び方

デミタスカップの魅力の一つは多様なデザイン性です。
柄や形の種類が豊富で、いくつも集めたくなります。
白磁でシンプルなものもあれば、磁器でアンティーク調の美しい模様をあしらった物もあります。
耐熱ガラス製のものもあり、素材が変わると雰囲気もがらっと変わります。
自分一人のコーヒータイム向けに、その日の気分で使うカップを変える楽しみを持つことができます。
また、上品なサイズ感や見た目から、来客用にも最適です。
いくつものデミタスカップを用意すると、そこから会話が弾むきっかけになります。
おもてなしのアイデアの一つとなるのです。
素材
◯白磁製

磁器は石が主成分の磁土を、高温で焼きあげた器です。
全体が真っ白か、真っ白の器に絵付けされています。
焼き物の歴史的に、海外ブランドの器は白磁製のものが多いです。
◯陶器製

陶器は粘土を低温で焼いて作られた器です。
容量が少ないデミタスコーヒーは、その分冷めやすいというデメリットがあります。
その点、薄型の磁器よりも、厚型の陶器製のもののほうが冷めにくいという特性があります。
◯耐熱ガラス製
カフェでエスプレッソを提供する際よく使われていることから、いつものコーヒーがカフェ風になります。
温かいコーヒーはもちろん、冷たい飲み物でも美味しく飲むことが可能です。
割れにくく、電子レンジや食洗機にも対応しています。
大きさ

デミタスカップは、通常のコーヒーカップの半分程度の大きさのカップを指します。
コーヒーカップの容量が約180~200mlなのに対し、デミタスカップは約60~90mlです。
デミタスカップ自体の直径は6cmくらいのものが多く、ソーサーは直径12cmくらいのものが多いようです。
なお、お客様にデミタスカップで飲み物を提供するときはソーサーが必須ですが、自分で使用するのみの場合は必ずしも必要ではありません。
デザイン
アンティークのデミタスカップ&ソーサーには、デザインも様々で可愛らしい作品がたくさんあります。

コーヒータイムは、落ち着いて優雅な雰囲気を演出したいものです。
ハイブランドの小さな器に繊細に描かれた絵柄のアイテムは、特に高級感を感じさせます。
自分だけのコーヒータイムも、例えば寸胴型のカップを選べば、シアトル系カフェの雰囲気を出すことができ、リフレッシュにつながります。
次のコーヒータイムのために頑張る意欲が湧くような、お気に入りのアイテムを手に入れたいですね!
デミタスカップブランド紹介
ロイヤルウースター
ロイヤルウースターは、イギリスでは1、2を争う長い歴史を持つ陶磁器メーカーです。
1789年にイギリスの陶磁器会社としては初めてのロイヤルワラントを賜り、英国王室御用達の窯となりました。
絵付けや装飾技術に長けた工場を次々と傘下に入れて発展し、緻密で高い技術力が今なお評価され続けています。

【ハイランド地方の牛】
景色に溶け込むように描かれた牛の描写が秀逸な一品です。
絵付けの技法やぼかし具合からは、絵画のような芸術性を感じます。

【幾何学文様とピンクローズ】
C1167というパターンの花が手書きで描かれており、その他の部分は赤地に細かい金色の唐草模様が描かれています。
また、カップの持ち手全体に金箔が施されている、大変ゴージャスな一品です。

【すみれの花】
ロイヤルウースターの中でも非常に珍しいデザインで、少し日本的な印象を受ける作品です。
カップ底のサインから推定すると、アメリカの宝石商であるコールドウェル社のオーダーと思われます。
製造に至った背景を推測するのも、アンティークアイテムを集める際の醍醐味の一つです。
コールポート
1796年に生産を開始したコールポート社は、1800年には英国最大の陶器製造所となります。
市場のリーダーとしてあらゆる形や模様のものを生産し、揺るぎない洋食器ブランドの地位を築きました。
その功績は「イギリスで最高の収益性と芸術性を兼ね備えた名窯」と評されるほどです。
現在ではウェッジウッド社の傘下となっています。

【金襴ターコイズ装飾 デミタスカップ&ソーサー】
カップの内側や持ち手は全面的に金彩が施され、鮮やかなターコイズブルーが映える、美しい一品です。
オールドノリタケ
オールドノリタケは、ノリタケカンパニーの前身である森村組と日本陶器で製造された装飾品や食器です。
1800年代の末から第二次世界大戦前後頃まで主にアメリカへ輸出されました。
工業的に優れた技術力と伝統的な感性とテクニックが融合しており、芸術作品として高い評価を受けています。
現在は骨董愛好家からの人気のが高いコレクターズアイテムです。

【湖水風景が描かれたデミタスカップ&ソーサー】
この作品はデミタスカップより小さく、インテリア用に作られたと推定されます。
豪華な金彩で描かれた小窓から、湖畔の風景を眺め見ているかのようです。
内側まで金彩が施されおり、ノリタケの中でも高級ラインに位置する作品です。


マイセン

【ドレスデンの風景】
コバルトブルーの陶器に金が贅沢に使用され、ドイツ・ドレスデンの名所Georgentorと花柄が描かれています。
Georgentorとは、ドレスデンからエルベ川へ渡るための都市出口のことを指します。


底に19世紀中盤に使用されていたタイプの青い双剣のマークが描かれており、1860~1870年製と推定されます。
ミントン
ミントンは、1793年に創業された陶磁器メーカーです。
1851年のロンドン万博で「世界で最も美しいボーンチャイナ」と称賛され、その後英国王室御用達となりました。
日本でも贈答品の定番として、百貨店などでティーセットが販売されていましたが、2005年にウェッジウッドの傘下に入りました。

【金盛子花柄文様カップ&ソーサー】
コバルトブルーと、盛上げ手法の金色で描かれた花の模様が美しい作品です。
カップの裏側にはMinton、Tiffany and Co. New York 、Made in Englandというサインが入っており、1905年にティファニー社に制作されたものとされています。
まとめ
デミタスカップはサイズもデザインもとても可愛らしく、蒐集欲を刺激します。
老舗洋食器ブランドのアンティーク品は、その製造背景や年代などを、サインや技法から推定する楽しみも持ち合わせています。
当店は状態の良いアンティークデミタスカップをたくさん取り揃えています!
特別な一品で、特別なコーヒータイムを演出しましょう!