魅惑的な「オールドバカラグラス baccarat」コレクション
「バカラ(Baccarat)グラス」ARGENTINA
「argentina(アンジャンティーナ)」
1960年初頭まで製造されていたモデルシリーズです。
こちらの作品は、バカラでアールデコ期に活躍したデザイナーとして
有名な「ジョルジュ・シュバリエ」がデザインしました。
オールドバカラ好きの方の中には彼が手掛けたモデルを
コレクションしている方も多いですね。
シェバリエのデザインは優美な曲線と重厚感に加え
アールデコ調の幾何学文様を幻想的に表現するなど
クリスタルガラスに強い思い入れがあることが感じられますね。
オールドバカラを知ると、彼のデザインしたバカラグラスが
自然とわかうようになっていくかと思います。
「アンジャンティーナ」とはフランス語で「アルゼンチン」を意味
しています。
でも、フランスとアルゼンチン?(ヨーロッパと南米)
どこに関係があるのか不思議ですね。
当時にさかのぼってみると、
1861年以降にアルゼンチンには多くのヨーロッパ人が移住したことを
かわきりにアルゼンチンの社会経済は一気に発展していったようで、
1900年代初頭に入ると南米のパリと言われるまで
国際的な大都市に成長し、国も豊かになったそうです。
そのことから、ヨーロッパから移住した人や急成長した発展都市に
憧れや希望を抱いて名づけられたのかもしれませんね。
この作品は未だ人気が高く、年々希少になっている製品です。
高さ:7cm
エッチングデザインの植物の葉がハートに見え、
愛着が湧きそうな高級クリスタルガラスですね。
冷えた大吟醸でもいただきたいですね。
「バカラ(Baccarat)グラス」GOLFE JUAN
「golfe juan(ゴルフ ジュダン)」
1933年以前に制作されたモデルシリーズです。
またの名を「リビエラ」とも呼ばれるモデルで
アールデコ期のアンティークバカラを代表する
「ジョルジュ・シュヴァリエ」がデザインを手がけました。
もう、この記事をご覧の方や、オールドバカラファンの方々の間では
有名なデザイナーさんですね。
「ジョルジュ・シュヴァリエ」について紹介する機会がありましたら
今後の記事で紹介したいと思っています。
この作品は、カッティング彫飾だけでなく、フォームのモデルも
完全オリジナルで、市場に出ることが殆どなく希少な品となっています。
コレクターなら是非、手に入れておきたい品かと思います。
国連のマークにも採用されている平和のシンボルである、
オリーブの葉がモチーフなっています。
たくさんの葉と枝の尖端の渦巻の模様が優美で可憐ですね。
少し丸みを帯びたフォームの可愛らしさにも目を引きます。
モデルの名称はフランス語でジュアン湾ということですが、
ジュアン湾から名づけられたのでしょうか。
他にも、名づけの由来として有力な話と思われるのが
カンヌ映画祭で有名な町の近くにあるゴルフ・ジュダンという町。
この町は、ナポレオンが1815年に再度、復位を成し遂げる際に
上陸したことで有名なんです。
どちらの名が由来しているのでしょうか。
オールドバカラ好きの方ならこの名の由来をどう思いますか。
個人的にいうと、やはり町の名からかな?と推測しています。
オールドバカラの名の由来は歴史と関連する人物や地名が
多く、時代背景が読み取れるモデル名が多いからです。
グラスのモデル名で歴史を感じられるのはやはり、
オールドバカラでこそですね。
このグラスを眺めながら当時の時代にタイムスリップ
してみてはいかがでしょうか。
自分なりの色々な解釈と想像でワクワクしますね。
そんな、贅沢で優雅なひと時を一人楽しむのもいいですし、
家族や友人とともに語り合うのもいいですね。
高さ: 9cm
直径:5.5cm
このグラスでいただくのは、年代物のワインでしょうか。
大きさから日本酒でもよさそうですね。
エッチングデザインを楽しむためにもアイスを入れず
グラスに注がれたお酒が織りなす優雅な姿を眺めながら
この上ない贅沢を味わってください。
「バカラ(Baccarat)グラス」 JETS D’EAU
「(jets d'eau(ジェ・ドー)」
1925年のパリ万博に出展された名モデルシリーズです。
これをきっかけに、クリスタル界の最高峰にバカラが存在
するようになりました。
このモデルは、オールドバカラのアールデコ期の数あるカタログにも必ず
載っていますので、モデルがその当時のバカラの顔であったことが、
窺がえ知ることができまね。
そして、このデザインを手がけたことで、世間に名を轟かしたのが
バカラデザイナーとして有名な「ジョルジュ・シュヴアリエ」です。
この作品は彼の本当の意味での代表作といってもいいですね。
1991年に復刻版が製造されましたが、復刻版でありながらも
大変希少価値があり、かなりのお値段で国内での入手も難しい
製品となっています。
復刻版ではないオリジナルは幻とも呼ばれ、流通していないです。
こちらの作品も復刻版です。
オリジナルは、フットのレリーフが段々になっていますが、
復刻版はレリーフがエッチングで表現されています。
モデル名を直訳すると、大噴水ということになります。
エッチングの模様から納得ですね。
噴水の描く曲線に似ていませんか?
スイスのジュネーブのレマン湖からローヌ川へと流れるところに
世界で最も大きい噴水の一つとしてjets d'eau(ジェ・ドー)があります。
そう考えると確かに、ボウルには吹き出された水の放物線の模様、
ステムには水柱、フットには水面に広がる波紋を
表現しているように見えます。
ダイナミックでエレガントな作品ですね。
大噴水をモチーフとした作品はバカラ以外でも多くの
芸術家達の作品にも登場しています。
それほどインスピレーションを感じる風景だったのでしょうね。
・ウォーターグラス
高さ:20.8cm 口径:8.6cm
・ブルゴーニュワイングラス
高さ:17.8cm 口径:7.6cm
・ボルドーワイングラス
高さ:15.7cm 口径6.5cm
自分の好みのサイズに合わせて、一つは持っておきたいグラスですね。
まずは、ウォーターグラスでペリエをいただいてみたいです。
「バカラ(Baccarat)グラス」Cavour
「Cavour(カヴール)」
約1880-1920年代頃に制作された、バカラのアールデコ期を
代表するカットデザインです。
バカラのモデル、ナンシーに似ていますが違いに
お気づきでしょうか。
こちらの記事では「ナンシー」モデルも紹介していますので
見比べてみてくださいね。
こちらの商品は、1916年代のバカラのカタログに掲載されています。
カタログではfome 11140:taille11484と書かれていますが、
さて、このモデルの名称ですが、詳しく名の由来がわかっていませんが、
一つは、1810年当時フランス帝国領であったトリノで誕生した、
「神がイタリア統一のため地上に使わした男」の呼び名がある
政治家「カブール伯爵カミッロ・ベンソ」の名から。
もう一つは、
フランスのノルマンディ地域圏の海岸沿いにある
「カブール」という古くからある町の名です。
この町は、18世紀後半は人口わずか165人しかいない
町でしたが、19世紀半ばまでに、市街ごとリゾート地として
発展し、鉄道のカブール駅の開通や海沿いのグラン・ホテルの開業
によって観光客で賑わう流行の地として栄えるように
なり、その名から付けられたという話ですが、
個人的に後者のほうが有力に感じます。
カブールの海岸沿いに立ち並ぶ街の建物と
この、バカラのカットデザインの縦と横の柄が
なんとなく雰囲気が合っているような気がするんですよね。
グラスには、リキュールグラス、ワイングラスなどのシリーズ
展開があります。
シンプルなカットですが、ワイングラスはステムが波打つような
ステムが優美で魅了される作品となっています。
カラフェとグラスでオールドワインをいただきたくなります。
「バカラ(Baccarat)グラス」harcourt
「harcourt(アルクール)」
1830年以前に制作された、6面の優美なカットが特徴のモデルです。
このアルクールは1825年にアルクール候爵家の婚礼の際に
注文を受けて制作されたデザインですので、
その名の通り、「アルクール」と名付けられています。
このデザインは、王候貴族に大変人気があり愛用されたことで
有名で、いまもこのデザインはバカラで採用されていいて、
長い間色あせることなく続くデザインでもあります。
画像の作品はそのアルクールデザインカットに
ボウルが金彩模様が施されたオールドバカラの品で
とても希少な作品となっています。
クリスタルの輝きに金彩の重厚な輝きは
言葉では言い表せない、高貴な雰囲気が
漂っています。
オールドバカラのコレクターの方は手に入れたい品
ではないでしょうか。
このグラスで、当時の貴族達の優雅な生活を想像しながら
贅沢な時間を過ごしてみたいですね。
飾っておくだけでも存在感があり、お部屋の重厚感を
演出してくれますね。
「バカラ(Baccarat)グラス」Cylindorique3458
「Cylindorique」3458グラビュールデザイン
1800年代後半に制作されたシランドリークのモデルに
施された、ギリシャ調のエッチングデザインシリーズ。
このグラスのフォームモデルは、別の記事で紹介していますので
今回は、このエッチングデザインの紹介となります。
オールドバカラでは、定番のフォームモデルに様々な
エッチングデザインが施されている作品があります。
この3458もその一つですね。
数字はカタログの番号だと思われますが、残念ながら
デザインの名称がわかりません。
でも、エッチングデザインの幾何学文様から
アールデコ期に流行ったギリシャ文様をイメージして
彫飾されたのが窺がえますね。
上下の波打つ模様の真ん中に円の模様があります。
よく見ると、オリンピック五輪のように輪を連結して
描かれています。
ここで、ふと思い出されるのがオリンピックの創始者が
フランスの「クーベルタン」で、第一回がギリシャのアテネで
開催されたことです。
そのことにデザインが関係していると思ったのは
私だけでしょうか。
そんなことを思い描きながら楽しめるのもやはり
オールドバカラの歴史があってこそですね。