イギリス軍のブロードアローの歴史と腕時計
ブロードアローの歴史と役割
一般に「ブロードアロー」または「クロウズフット」と呼ばれるのは、矢じりを表す紋章であり、長い間イギリス軍所有権を表すマークでした。 起源と最初の使用は諸説あります。 最も主流なのは中世のイギリス軍の最も重要な武器である矢が起源という説です。 1238年から1272年の間に英国のヘンリー3世によって建てられたブロードアロー・タワーは、ロンドンの王室の所有物マークにちなんで名付けられたと言われています。 また、1693年から1702年まで軍総督を務めた初代ロムニー伯ヘンリー・シドニーがブロードアローを家紋として使用していたため、彼に起源する説もありますが、マークはこれより前から使用されています。 王の執事であるリチャード・デ・ラ・ポールがワインの購入について発行した1330年付けの文書は、王の所有物を容易に確立できることを確認するために、各アイテムにマークを付けたという主張もあります。 1545年に沈没したチューダー船のメアリーローズから回収された品のいくつかに、ブロードアローの初期の使用が見られます。この頃から英国の軍用品に幅広く使われるようになり、イギリス国外の植民地でも使用されていました。「イギリスのブロードアロー」 アンティークの軍事用品を収集し始めたら、必ずと言っていいほど「ブロードアロー」を目にするに違いないありません。
20世紀を通じて、このマークは数え切れないほどの武器、衣料品に押印されるか、プリントされるか、埋め込まれるかされており、こうした製品が英国の官有物であることを示しています。
ブロードアローもしくは小槍は、先の長い矢の先端部分か、投げ槍を象徴していました。
ブロードアローは一番最初に広く使われるようになった商標と言えるかもしれません。
ブロードアローと組み合わさったマークで、他にも歴史的背景を持つものがあります。
例えば、ブロードアローとその下に数字が組み合わさっているマークは、一般的にイギリスの検察官を象徴する印です。
革命が起こっていた時代、「王のブロードアロー」として知られる3つの切り込みの入った木のマークは、大英帝国が権威を顕示するために使用することがありました。
このマークに使われている木の多くは背の高いストローブマツであり、これは船自体や大きな船のマストを建造する際に使用されていた木材です。
また、ブロードアローはイギリスの囚人をオーストラリアに送還する際、彼らの出身地を示すためにも使われていました。
下記のマークは、ある時期の英国の一部であった国々を示すブロードアローの一例です。
これらのマークは、第一次世界大戦、第二次世界大戦期に製造された軍事用品の多くに見られます。
このようなマークなのですが、ほとんどの場合時計に刻印されていました。
イギリス軍がダーティダースに時計を受注した時に、それがすぐにイギリス軍および同盟国のものであることが分かるようにするためです。
それほど時間を正確に測ることが重要視されていたいのです。
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