フランスのシルバー金銀細工工房 オディオ(Odiot)その輝かしい歴史と技術
フランスの金銀細工工房 オディオ(Odiot)の歴史
1690年にフランスで創業したオディオはルイ15世の統治時代にジャン・バプティスト・ガスパール・オディオによって名声を得ることとなり、その時代の最上の金銀細工工房の1つとして有名になりました。
ジャン・バプティスト・ガスパールの孫であるジャン・バプティスト・クロードの指揮の下、帝国と自身の幸運がオディオの栄光の1ページを開きます。
ジャン・バプティスト・クロードは稀に見る才能により、皇帝ナポレオンとその家族からの威信あるオーダーを受けることになります。
戴冠式の杖と剣、ナポレオン2世のゆりかご、ナポレオンの母と妹ポーリーヌ・ボナパルトの膨大なシルバー食器セット、ナポレオンの遠征用食器セットなど様々な作品を受注しました。
オディオは、アンティークへの帰還と頻繁にベルメイル(銀の金メッキ)を使用することが特徴であり、この時代に入念に作り上げられた型式は異論の余地なくフランスの金銀細工工房が作り上げたものの中でも一番素晴らしいものの一つと言えるでしょう。
オディオの評判は帝国の国境を超えてまでも響き渡り、ヨーロッパ中の宮廷への扉を開きました。
シャルル・ニコラ・オディオは父親の後継者にふさわしい人物で、ルイ・フィリップ王とオルレアン家から正式に供給者と任命されました。
彼はロカイユ様式(ルイ15世の時代に流行した貝の渦巻曲線を特徴とした装飾様式)への帰還に秀でていました。
その息子ギュスターヴは金銀細工の技術を偉大で力強いものにしました。
オディオの工房がそれまで受けたことが無い一番大きな受注品を作成したのは彼でした。
それは、エジプトの王子サイード・パチャのための3000にも上るシルバーテーブルセットです。
また皇帝陛下の宮廷御用人の称号を受けたのも彼でした。
そしてオディオが会社となるための方向付けをしたのもまたギュスターヴです。
父から子へと、オディオは1906年まで2世紀にもわたって会社となるよう導かれてきたのです。
歴史上の大人物との出会いも見られて、オディオの歴史が並外れて豊かだとすれば、それは何よりも、素晴らしい発想と見事に作成された美しい作品を作ろうとする絶え間ない探求があってこそなのです。
オディオは世界でも珍しく異例なほど技術情報が保存されています。
それらは鋳型やデッサンなどの比類ないほどのコレクションであり、世代を超えて作り上げられてきた壮大な注文品達によるものです。
この輝かしくそして長い歴史は、その時代の芸術家たちが果敢に、持てる力を込めて作りだした、妙技と調和の賜物なのです。
オディオとサインが入った作品達が世界中の著名な美術館に陳列されていることが、そのことを証明しています。
オディオの今日の叙事詩を書くにあたっては、その良さを永続させることはもちろん、革新しそれを伝えていくものでなければなりません。
言葉の名人であるのと同じぐらいに金銀細工の名人として、銀やベルメイル、銅の上に名を刻み、300年以上もきらめき続けてきました・・・。
そしてもっとずっと長い間輝き続けるのでしょう。
なぜなら素晴らしい作品は流行をも超越し、流れる時間をものともしないのですから。
オディオの技術情報
比類ない独自の様式
有名な検証刻印の他にも、オディオは品質と工房の昔ながらの伝統を忠実に守ることを保証しており、オディオのサインが入った作品はすべてその様式で識別されています。
豪華な装飾は工程管理の専門家がバランスを取り繊細さを併せ持つように保護しています。
並外れた特別な遺産
オディオでは、手法や技術は18世紀からほとんど変わっていません。
工房ではデッサンや鋳型、抜き型を独自のコレクションとして大切に保管しており、時には2世紀にわたって持ち続けています。
高級なシルバー(純銀)素材
銀は常に最上のものを、シルバーセットには純銀925を、個々の作品には純銀950を使用しています。
そしてどちらもフランスで銀の品質を保証するミネルヴァ(ローマの技術・知恵・産業の女神)が刻印されています。
熟練の技術
オディオのアトリエはパリ近郊に位置しており、金銀細工の伝統的な技術をすべて集めています。
シルバーセットも1点物の作品も、素晴らしい生産ラインの下、秀逸な名人職人からまた次へと渡されます。
精錬師、平磨工、旋盤・打ち出し細工師、彫金工、金槌での金銀細工師、はめ込み細工師、研磨師、そして銀の金箔師へ。
すべての職人は、自らの芸術を実現するためにほんの小さなディティールまでも極限まで追求しています。
技術的な名人技以上に、金銀細工師は作品に感性を刻み込み、一点一点と向き合いながら、小さな塩入れから大きなスープ鉢まで、自身の芸術の化身として作り上げています。
しっかりした品質
オディオの工房はフランスの金銀細工工房の中でも、金銀細工品を端から端まですべて制作することのできる数少ない工房の1つであり、特別の注意を払うため一定の時間が必要になります。
世界へ開かれたこの探求は、自らのリズムで自身を導き、計り知れない価値のあるこの遺産を守り、価値を与えてくれる人々とこの仕事を尊重しながら行っています。
着想から実行まで
この独自のノウハウはオディオの工房に、作品の着想から一つの金銀細工作品を作り上げるまで、ほぼすべてのお客様からのご要望に応えることを可能にしています。