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バカラ・アルクールが持つ、美しき透明感の魅力
バカラのアルクールは、バカラクリスタルの中でも最も古いシリーズであり、1841年から現在まで展開されている人気作です。
その特徴は、印象的なデザインにあると言われており、外見的にも美しい仕上がりは魅力的で、バカラの中でも評価の高いシリーズとなっています。
1825年、アルクール公爵家(注1)の婚礼のために、重厚で優雅なデザインをもつグラスが製造されたのですが、それがこのシリーズの始まりです。
1841年に正式に製造が開始されて以来、同シリーズの脚付きグラスは、歴史的な人物であるローマ教皇ヨハネ・パウロ2世(注2)、タイの女王、モロッコ国王、など、あまたの要人達によって愛されてきました。
また、アルクールのワイングラスは、形がキリスト教の聖杯に似ている事から、1917年よりローマ法王によって、バチカンで使用される事になりました。
「聖グラエルの乙女」
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ(1874)
聖グラエルの手にあるのが聖杯。
アルクールコレクションは、当時のフランスにおける有力な製品として、ナポレオン三世(注3)に寵愛され、エリゼ宮殿(注4)において使用されていた事でも有名です。
それ以来、このアルクールシリーズは、現在まで品質を落とす事なく製造が続けられている、高品質で稀有なモデルとなっています。
アルクールの特徴
アルクールの魅力は、何といってもその特徴的な構造にあります。
側面にある平面にカットされた文様と六角形のベースデザインは、アルクールを特徴づける美しいデザインとなっています。
斜めに入れられたその文様を見れば、職人による熟練した技術を理解する事ができるでしょう。そこには、堂々として優雅なデザインが、あくまで美しく表現されています。
この他にも、アルクールシリーズの素晴らしさは、外形、重さ、透明感、器の形、茎の上に花冠が広がっているかのようなデザイン、といった部分に見てとる事ができます。
アルクールのコレクションは、幅広く展開されており、クリスタルの花瓶、ボウル、バー製品や照明器具まで、様々な製品があります。
そして、それらは全て、フランスでハンドメイドで制作されています。
製造においては、完成形を追求する絶え間ない精神と、クリスタルの輝きを最高に高めるための飽くなき探求によって、製品の制作が行われており、その結果、アルクールは、毎年1万組以上の製品が販売されている人気シリーズとなっています。
(注1)アルクール公爵:アルクール家の当時の公爵。バイキングを祖先としている。アルクール家の名前は、ノルマンディにあるアルクールの地名に由来。
(注2)ヨハネ・パウロ2世:1920~2005年。第264代ローマ教皇。史上初のポーランド人教皇として有名で、神学と哲学、2つの博士号を持っていた。
(注3)ナポレオン三世:1808~1873年。フランス初代大統領にしてフランス皇帝。ナポレオン1世の甥にあたる。パリ改造計画、鉄道網の敷設を行った他、アフリカ、アジアにフランス植民地を拡大させたことで有名。
(注4)エリゼ宮殿:エリゼ宮とも呼ばれる。1718年ドーヴェルニュ伯爵によって建てられた宮殿で、有名な要人達の住まいとして利用された。1873年からはフランス大統領官邸として使用されており、現フランス大統領マクロン氏もここを住まいとしている。