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マイセン アラビアンナイトのモデル紹介
現代マイセン5人組の一人であるハインツ・ヴェルナー氏による、アラビアンナイトシリーズは、 1973年にルードヴイッヒ・ツェプナー氏が考案した、グローサー・アウスシュニット(オーキッドシェイプ)と呼ばれる花の形状の器に、ハインツ・ヴェルナー氏が絵付けを施したことから始まります。
下記の画像がハインツ・ヴェルナー氏(1928~2019年)です。
ヨハン・グレゴリウス・ヘロルト氏のシノワズリー画へのオマージュあふれるエキゾチックな絵柄は、瞬く間に高い評価を得て、以後シリーズ化されることとなり、現代マイセンの最高峰の作品群の一つとされています。
アラビアンナイトは正式には「千夜一夜物語」という名の説話集で、おとぎ話や寓話、逸話、歴史など、様々な物語がアラビア語で綴られています。
物語は、ペルシャの王に、才色兼備なシェヘラサードが嫁いだところから始まります。
この王は一番目の妻の不貞を知り、首をはねて以来、すべての女性を憎むようになり、新しい妻を迎え入れる度に、翌朝には殺してしまうといったことを繰り返していました。
シェヘラサードはこの愚行を阻止するために、自ら妃になることを志願し、毎晩命がけで王に様々な物語を聞かせ、盛り上がってきたところで口をつぐみ、「明日はもっと面白いお話があります。」と、続きを翌日に話すことにしました。
王は新しい話が聞きたいあまり、シェヘラザードを生かし続け、とうとう話は千と一の夜続き、その頃には二人の子供までが生まれていました。
そしてついに王は愚行を改め、シェヘラザード正妻として認めて、幸福に過ごすようになったという内容です。
ヴェルナーは、この物語に登場する人物や生き物を、繊細かつ生き生きとしたタッチで描き、金箔をふんだんに用いることで、その艶やかで幻想的な世界観を見事に表現しています。
現代マイセンの最高峰、千夜一夜のアラビアンナイトです。
24金をふんだんに使った絵付けはまさに美術作品です。
全てのアラビアンナイトの絵付けは、商品を取り囲むように多数のモチーフが物語を形成されるように描かれ、その作品の魅力を最大限にいかした立体的な絵付けがされています。
金彩も他の作品とは比べ物にならないほどふんだんに使われ、大変豪華な究極の逸品です。
近代マイセンの最高峰で、日本はおろか本国ドイツでも市場に出ることは珍しくその形跡も非常に少ないです。
世界的に見ても所有されている方は非常に少ないと思われます。
マイセンの中でも、千夜一夜作品シリーズの希少性は圧倒的に高いのです。