２１６　マイセン人形（フィギュリン）バグパイプ弾きの羊飼い　（シリーズ作品　“羊飼いたち”）　ケンドラー作

この作品は１７５０年頃にデザインされました。 デザインしたのはマイセン造形物の基礎を築いたと言われるヨハン・ヨアヒム・ケンドラー　Johann Joachim Kändler (June １５, １７０６年 ～ May １８, １７７５年)です。 マイセンの中でも非常に人気の高い彫刻師です。 彼は１５歳でドレスデン宮殿の宮廷彫刻師の弟子となりました。 １７３０年に宮廷彫刻師となった翌年、マイセン工房の型師に、そして１７３３年には主任型師に昇格されました。 ケンドラーは皇帝に委託された動物の彫像や日本宮の礼拝堂用の使徒像のための型づくりを、前任の型師キルヒナーとともに作りましたが、キルヒナー亡き後はひとりでその仕事にいどみました。 ケンドラーによって躍動感ある動物やロココ様式の優雅な人形、食器などまでがデザインされ、今も世に残り多くの人たちから愛されています。 彼の製作した名作シリーズ作品　“羊飼いたち”　“コメディアンの子供”　“ガーデナーの子供達（アシエとの協同作品）”　などは、とても有名で、多くのコレクターから人気のある作品です。 この作品は、その人気シリーズからの　“羊飼いたち”（THE SHEPHERDS）シリーズの中のひとつになります。 原材料には白のポーセリンが使用され、すばらしい光沢仕上げ、そして最古の塗装技術を取り入れながら塗装仕上げされた、優れた手作り陶器人形です。 この作品の中心に立っているのは、バグパイプを持った羊飼いの男性です。 この羊飼いの男性は、ロココのかつらを身に着け、頭にはトリコーンハット（Tricorn　Hat　１８世紀にヨーロッパで流行した三角帽子）を身に着けています。 さらに男性は羊飼いスタイルのロココの衣装を身に着けています。ジャケット、ベスト、ニッカボッカ－ズ（Knickerbockers　膝の下でくくる、ゆるいズボン）、他にも白いストッキングや金具付きの靴を履いています。 男性は彼の後ろにある、切り株に固定されています。 そして、彼の足元には羊と犬が居ます。犬は座り込み、羊飼いの方を見ています。羊は忙しそうに草を食べているように見えます。 フィギュアは円形の土台に固定されています。 こちらのフィギュアには２０世紀のマイセンの双剣マーク（贋作防止のため、マイセンの陶磁器には交差した２本の剣のトレードマークが１７２３年から用いられており、これは現在まで使われているトレードマークの中ではもっとも古くからあるものの一つ。なお、刃や鍔の傾きなどは年代によって変化している）が記載されています。 その他に、モデル番号　３　/　形成番号　１０７　と言う記載があります。 欠けや、ひび等のない良好なコンディションです。 こちらの製品は新品ではなく骨董品（アンティーク品）であることをご了承ください。 デザイン者：　 　ヨハン・ヨアヒム・ケンドラー　Johann Joachim Kändler (June １５, １７０６年 ～ May １８, １７７５年) 初期デザイン：　１７５０年 製造窯：　　　　マイセン製作工場 寸法：　　　　　高さ　２６．５ｃｍ　 製造年：　　　　２０世紀　１９３５年～１９４０年